全オタク必聴!萌えソングとJAZZが融合した萌JAZZ

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ。

今回は、大人のためのアニメジャズ入門第6弾だ。

この企画は、これまで1000曲以上ものアニメジャズを聴いてきたオタクパパが、さまざまな大人向けのアニメジャズ曲を紹介するという企画だ。

ところで、世の中には、プリンに醤油をかけたり、味噌ラーメンにチョコレートを入れたり、バナナにマヨネーズをかけたりするなど、一見ありえないが、やってみると意外といける食べ物の組み合わせというのがたくさん知られている。

この一見ありえない食べ物の組み合わせには、和食と洋食の組み合わせが多いのも特徴だ。

だが、このような和洋折衷のありえない組み合わせは、実は食べ物に限らず、音楽にも存在する。

その1つの例が、日本のオタクカルチャーが生み出した萌えソングと、アメリカの黒人が生み出した100年以上もの歴史をもつJAZZを融合させた萌JAZZだ!

萌えソング × JAZZ

 ↓ 融合

萌JAZZ

というわけで、今回は、この衝撃的な組み合わせから生まれた誰得アルバム、

「萌JAZZ」

(STUDIO TRAM)

について紹介したい。

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「萌JAZZ」の美麗なジャケット

Amazonリンク 萌JAZZ vol.2

さて、オタク歴ウン十年のオタクの本性として、美麗な2次元イラストの鑑賞会は外すことはできない。

上の超キュートな美少女の画像は、今回紹介するアルバム「萌JAZZ」の2ndアルバムのジャケットだ。

このジャケットは、イラストレーター・小原トメ太さくら小春によるユニット

QP: flapperの作だ。

QP:flapperは、Leaf作品などの美少女ゲーム作品を中心とした同人誌を製作し、可愛い萌えイラストで定評がある。

可愛らしい萌え少女がジャズ・ピアノを弾くというこのイラストに、今回紹介する萌JAZZのコンセプト

萌えソングとJAZZのニュー・クロスオーバー(*注1)

が反映されている。

(*注1)クロスオーバーとは

クロスオーバー(Crossover)とは、ジャズ・ロックやラテン・ロックなど、ジャンルを超えて音楽を融合させる音楽スタイルのことだ。

萌JAZZは、萌えソングとJAZZを融合させた新たな音楽なので、まさしく、ニュー・クロスオーバー(新しい音楽の融合)といえるだろう。

さて、美麗なイラストを十分に堪能したところで、本題に移るとしよう。

萌えソングとジャズとの融合は歴史の必然だ!

 

萌えソングとは

萌えソングとは、ご存じのとおり、日本のオタク文化が生み出した新時代のソングだ。

一説によると、萌えソングは、電波ソングの一種とされ、「萌え」の要素が、声や歌詞、メロディ、エフェクトなどの技巧によって強調された楽曲と定義されている。

引用 ニコニコ大百科「電波ソング」

萌え系

同人音楽・アニメ・ゲーム界隈系

萌え系電波ソング

萌えソング

アイドル系電波ソング
非萌え系

同人音楽・アニメ・ゲーム界隈系

その他電波ソング

その他の電波ソング
同人音楽・アニメ・ゲーム界隈

それ以外

(アイドル、一般歌手など)

また、萌えソングの声の特徴としては「アニメ声」が多く、その声質もロリ声からお姉さん系の声まで、実にさまざまだ。

また、歌詞も、

「大好き」

「とろけちゃう」

「乙女」

のように、年頃の女の子が、男性に対して抱く恋心や恍惚の感情を独特の声質に乗せて強調されたものが多いのも、萌えソングの特徴といえるだろう。

また、掛け声や擬音語、擬態語が用いられることも多い。

例えば、

「キュンキュン」

「ちゅっちゅ」

「いや~ん」

「ドキドキ」

「もふもふ」

「1・2・3・ハイ!」

などがあげられる。

萌えソングのテーマとしては、妙齢の女の子が歌うため、当然のことながら、「萌え属性」や「恋愛」が多い。

例えば、

「妹とお兄ちゃんの関係性」

「ツインテール属性」

「巫女萌え」

「ナース萌え」

などの多様な萌え属性がテーマとして採用されている。

さらに、萌えソングは、リスナーの脳内にフレーズやメロディをすり込んで、「中毒」「依存症」を引き起こすほど、極めて印象的な楽曲からなるものもある。

例えば、「予想だにしないフレーズ」で一般常識から乖離し、奇異ではあるが、それゆえ際立った印象を与える楽曲が多く、同じフレーズの繰り返しも多い。

参考

 電波ソングとは、音楽ジャンルの一つである。「萌え要素」や「電波な歌詞」により驚異的な中毒性を有する楽曲のことをいう。 特徴 およそ以下のような特徴のある楽曲が「電波ソング」とされる。...

また、全体として、異様なまでに明るく、アップテンポでハイテンションかつノリノリの楽曲が多いのも、萌えソングの重要な特徴といえるだろう。

 

萌えソングは、従来の正統な楽曲に比べると、尋常ならざるアニメ声、破綻したリズム、常軌を逸したメロディ、意味不明で支離滅裂な歌詞、不可解な合いの手やかけ声など、正統な音楽理論をガン無視したカオスそのものといえる。

このように、萌えソングは一見、100年以上もの正統的な歴史をもつジャズとは、まったく対極の音楽であるように思われる。

だが実は、萌えソングは、ジャズが100年以上の歴史にわたって求めていた理想をすべて兼ね備えた究極の音楽なのだ!

なぜか?

これはジャズの歴史を考えると明らかだ。

「自由への渇望」がジャズを進化させた

ジャズを進化させた原動力を一言でいえば、自由への渇望に他ならない。

ここで、ジャズの歴史を簡単に振り返ってみよう。

1900年代にニューオーリンズで黒人によって生みだされたジャズ(ニューオーリンズ・ジャズ)は、第一次世界大戦の参戦とともにニューオーリンズの歓楽街が廃れた後、シカゴやニューヨークに舞台を移すようになる。

その後、1930年代になって、世界大恐慌後に人々の間に蔓延した不安の反動からか、陽気で明るい大編成のビッグバンドのスウィング・ジャズが生まれた。

だが、1940年代になると、スイングジャズはマンネリ化する。

スイングジャズに飽きたミュージシャン達が閉店後のセッションを繰り返すうちに、自由な即興演奏を重視するビ・バップを生み出す。

ビ・バップは、従来のジャズの常識を覆し、モダンジャズの基礎を築く。

だが、1950年代には、ビ・バップもマンネリ化する。

そこで、よりハードで熱い感情のメロディアスなハード・バップがニューヨークなどの東海岸で生まれる。

また、ビ・バップのマンネリ化を打破すべく、ビ・バップとは異なるルールに基づく、音階(メロディライン)を活かしたモード・ジャズが生まれる。

一方、ビ・バップのルールそのものを否定し、ルールによらずミュージシャン達が自由に演奏する過激なフリー・ジャズが生まれたのもこの時期だ。

以上をまとめると、60年代までのジャズの大まかな歴史は、次のようになる。

ジャズの歴史の流れ

(1900年代〜1960年代)


ニューオーリンズ・ジャズ

 ↓

(世界大恐慌による荒廃と不安の反動)

 ↓

スウィング・ジャズ

 ↓

(マンネリ化)

 ↓ 

自由なアドリブを重視する

 ↓

ビ・バップ

 ↓

(マンネリ化)

 ↓

別のルールを模索またはルールの完全否定

 ↓

ハード・バップ、モード・ジャズ、フリー・ジャズ

このように、1960年代までのジャズは、従来のルールに縛られることによるマンネリ化と、それに続く従来のルールからの脱却による新たなジャズへの進化というプロセスを経て進化してきたという経緯がある。

だが、70年代には、従来のルールからの脱却を目指したモード・ジャズやフリー・ジャズも行き詰まってしまう。

これはちょうど、内輪ネタで盛り上がる芸人だけが集まるテレビ番組がつまらなくなるのと同じ理屈だ。

どんなに工夫を凝らしてルールを改良、あるいはルールそのものを完全に無視したとしても、ジャズという1つのジャンル内で進化する以上、いずれは必ず行き詰まる宿命にあるのだ。

当然、それに気づいたジャズ・ミュージシャン達は、電子楽器を積極的に取り入れ、ロックやラテンなどの他のジャンルの音楽を積極的にジャズに取り込んで融合(フュージョン)させるようになる。

このような、他のジャンルの音楽との融合により生まれたのが、フュージョンだ。

それゆえ、1970年代以降のジャズの大まかな歴史は、次のようになるだろう。

ジャズの歴史の流れ

(1970年代〜)


ハード・バップ、モード・ジャズ、フリー・ジャズ

 ↓

(内輪ネタによるマンネリ化)

 ↓

他のジャンルの音楽と融合

 ↓

フュージョン

その後、ジャズは、クラシックや民族音楽、ポップスなどと融合し、多様な音楽へと進化し、現在に至る。

このように、100年以上のジャズの歴史を俯瞰してみると、ジャズは、従来のルールから脱却し、より自由で多様性のある音楽へと発展すべく、進化してきたといえるだろう。

そして、自由な音楽を求めて進化してきたジャズが最後に行き着く先、それがまさしく、

萌えソングだったのだ!

な、なんだってーーーっ!

 ルールに縛られた発想がジャズを停滞させた

著作者: MIKI Yoshihito (´・ω・)

このように、ジャズは、ビ・バップやモード・ジャズのように、ルールの違いはあるにせよ、何らかのルールに従って演奏するか、あるいは、フリー・ジャズのようにルールそのものを否定し、完全に演奏者の自由に演奏するかのいずれかのパターンしかなかった。

このルールにとらわれた発想は、多分に西洋的といえるだろう。

なぜなら、この発想は、ルールに従うか従わないか、1か0かのデジタル的な発想だからだ。

だが、このような硬直しきった発想は、いずれは破綻する運命にある。

なぜなら、ビ・バップやモード・ジャズのように、何らかのルールに従って演奏した場合は、そのルールの縛りゆえに、いずれは必ずマンネリによる停滞が生じるからだ。

一方、フリー・ジャズのように、全くルールに従うことなく演奏する場合、演奏する者も聴く者も、何を基準にすべきかわからなくなるため、こちらもやがて行き詰まってしまう運命にある。

だからこそ、従来のジャズは、他のジャンルの音楽との融合(フュージョン)に救いを求めるしかなかったのだ。

萌えソングの規定はただ一つ、”萌えるか否か!”

一方、萌えソングを規定する基準は一つしかない。

萌えるか否か

これが萌えソングの唯一にして絶対の掟なのだ。

これはある意味、革命的といえる。

なぜなら、萌えソングは、曲の構成が多少理不尽であっても、リズムが多少破綻していても、ヴォーカルが尋常ならざるアニメ声であっても、歌詞が意味不明で支離滅裂であっても、不可解な合いの手やかけ声が入っていても、

萌えさえれば、すべて許される

からだ!

これほど自由な音楽は、広い世界を見ても、他に類を見ないだろう。

なぜ、萌えソングは自由なのか?

萌えソングの起源にはさまざまな説があるが、美少女ゲームの主題歌が萌えソングの発展に大きな役割を果たしたのは間違いないだろう。

萌えソングは、その多くがPC用美少女ゲームの主題歌から生まれたことからも分かるように、何かと制約の多い一般的なTV番組や音楽と比べて、制約が少なく、かぎりなく自由な環境から生まれたという経緯がある。

実際、美少女ゲーム界において、主題歌に課せられる最低限のルールをあげるとすれば、

ユーザーに受けるか否か

換言すれば、ユーザーが萌えるか否かの1点のみだ。

このように、萌えソングは、固定されたルールに従うか/従わないかという、従来の二者択一しか許されなかった西洋のデジタル的な価値基準を超越し、

萌えるか否か

という、時代の推移とともに柔軟に変化しうるマインド的な基準に従う点で画期的といえる。

昨年、近藤麻理恵の「片付けの魔法」が全米1位になったことが話題になったが、この片付けの魔法の極意も、ときめくか否かというマインド的な基準に従うことを主張している点で、萌えソングと共通しているのは興味深い。

参考

アメリカ紙「USAトゥデイ」が1月14日、「片づけコンサルタント」の近藤麻理恵さんの著作「人生がときめく片づけの魔法」の英語版が、同紙の週間書籍販売ランキングで1位になったと報じた。1月に発売した新刊「スパーク・ジョイ」も3位にランクインしたという。 「人生がときめく片づけの魔法」の英語版「The Life-Chang...

そういう意味では、美少女ゲーム界という、かぎりなく自由に近い環境から生まれた萌えソングには、100年以上もの間、ジャズが求めてきた理想の音楽が体現されているといっても過言ではない!

だからこそ、萌えソングとジャズの融合は歴史の必然といえるのだ。

萌えソングのもつ普遍性

ここで、次のような疑問をもつ人もいるかもしれない。

「ちょっと待てよ! 

 それをいったら、

 フリー・ジャズのほうが

 ルールがない分

 萌えソングよりも

 はるかに自由じゃないのか?」

だが、内輪ネタの例でも説明したように、フリー・ジャズの「自由」は、あくまでジャズという限られたジャンル内での自由にすぎない。

一方、萌えソングのメロディは、時として中近東風であり、また、キリスト教の宗教音楽風でもあるが、全世界で普通に受け入れられている。

これは、萌えソングが、キリスト教圏・イスラム教圏・仏教圏・ヒンドゥー教圏などの宗教圏や、自由主義・共産主義の政治形態、イデオロギーなどの違いを超えて、それら全てを融合し、調和させる普遍性をもっている証拠であるといえるだろう。

実際、日本のアニメ・漫画文化とともに,萌えソングも、ロシア人やアラビア人、中国人、インド人などあらゆる国の人々に違和感なく受け入れられている現状は、ある意味、奇跡的ともいえる。

このように、世界の宗教や文化の多様性を無自覚に受容する日本人らしい寛容さが、萌えソングは持っているのだ。

当然、100年以上もの間、自由を求めて進化してきたジャズが、このような宗教・政治・国家形態の違いを超越し、真の自由と勝ち取った21世紀の新たな価値観にして独自の哲学ともいえる

萌え

を音楽に昇華させた萌えソングと融合するのは、ある意味、歴史的必然といえるだろう。

「萌JAZZ」が企画された経緯

それでは、この歴史的必然を体現したアルバム「萌JAZZ」の企画は、どのような経緯を経て実現したのだろうか?

萌JAZZの企画はもともと、2012年にジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント(現NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)の音楽プロデューサーである川口真司によりもたらされたそうだ。

2012年といえば、ジャズを舞台にした青春アニメ「坂道のアポロン」と、ジャズ界の異端児・菊地成孔がBGMを担当したルパン三世のスピンオフ「LUPIN the Third ‐峰不二子という女‐」が放映された年だ。

それゆえ、2012年は、アニメ音楽史において、まさしくアニメとジャズの融合が誕生した年だったといってもいい。

そういう意味で、萌JAZZが企画されたのは、絶妙のタイミングだったといえるだろう。

選曲にこだわりぬいた萌JAZZ

「萌JAZZ」において、萌えソングのジャズ・アレンジを手がけたのは、サウンドクリエイターの飯田匡彦とさまざまな音楽と映像の制作を手がけるSTUDIO TRAMだ。

STUDIO TRAMは江戸川区にある音楽制作と映像制作の会社です。

ここで、「萌JAZZ」は選曲が絶妙な点に特徴がある。

実際、「萌JAZZ」の選曲は、「ジャズ・アレンジしやすい」というような安易な選曲ではなく、

「この曲がジャズ・アレンジになったらどうなるんだろう?」

と、ワクワクして胸が高鳴るような曲を中心に選曲したそうだ。

それゆえ、「萌JAZZ」において基礎となった萌えソングのこだわりようは半端ではない。

萌JAZZの各曲レビュー

というわけで、早速、各曲のレビューをしていこう。

【1曲目】オレンジ

Amazonリンク オレンジ

1曲目は、竹宮ゆゆこによるライトノベル原作のTVアニメ「とらドラ!」の後期エンディングテーマだ。

原曲は、釘宮理恵、堀江由衣、喜多村英梨という最強萌え声優トリオが歌を担当しており、これだけで萌え狂うこと確実だ!

また、作曲は、自称宅録系デジタルパンクユニットのFunta3が担当している。

缶ジュースのファンタと間違えそうなユニット名だが、実はこのユニット名は、「ユニット名を考えているとき、その場にファンタの缶があったからそこから取ってきた」という安易なネーミングだ。

Funtaは、名義がときどきFunta3になったり、Funta7になったりするようだが、7人のミュージシャンからなる集団などではなく、UCO(ゆーこ)吉見(よしみ)の2人からなるユニットで、名義に特に深い意味はないそうだ。

Funtaは、「プリキュアシリーズ」のような正統派幼女向けアニメから、「ゆるゆり」のような萌えアニメ、「ストライクウィッチーズ」、「アイシールド21」などのヒットアニメの楽曲を数多く手がけ、アニメファンからも高い評価を受けた実力派のユニットだ。

Amazonリンク funta セルフカバーベスト funta-stic!!

Funtaのセルフカバーアルバムのジャケットが可愛いすぎる。

まさしく、永久保存版間違いなしの美麗なイラストといえるだろう。

ところで、原曲の「オレンジ」は、ポップでありながらも、キュートで切ない女の子の純粋の恋心を歌い上げた正統派萌えソングだ。

萌JAZZのジャズ・アレンジだが、冒頭からいきなり情熱感あふれる重厚なピアノソロから始まるが、全体として、ホーンセクションの切れのいい演奏が印象的な軽快でノリノリのジャズだ。

特に、中盤のピアノソロと、それに続くサックスソロ、トランペットソロが軽快なリズムで原曲のメロディをポップかつノリノリで演奏する。

【2曲目】ゆりゆららららゆるゆり大事件

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2曲目は、究極の萌えアニメ「ゆるゆり」のオープニングテーマだ。

「ゆりゆららららゆるゆり大事件」という意味不明なタイトルも衝撃的だが、もちろん歌詞も意味不明だ。

タイトルからは、ゆる〜い曲のイメージがあるが、実際には、アップテンポでかなり賑やかな曲だ。

また、キャラクター同士の掛け合いも、それぞれキャラの個性が出ていて素晴らしく、一度聴いたらメロディが脳内に何度もリフレインする中毒性もあり、まさしく2011年を代表する声優合唱系萌えソングといえるだろう。

余談だが、私は、30過ぎてゆるゆりの可愛いイラストが描かれたアニメ雑誌を店頭に買いにいった際、店員から見下されるような目で見られた黒歴史(震え声)がある。

このように、2010年代になっても、地方の小さな書店では、萌え文化に対する偏見が根強いのが現実だ。

それはともかく、萌JAZZのジャズ・アレンジのほうだが、こちらは原曲と違って、スローテンポなゆる〜い曲になっている。

また、ゆるく歌う女性ヴォーカルの声が、意味不明な歌詞の内容と相まって、神秘的な雰囲気を醸し出しており、癒やされる。

特に、中盤の美しいピアノソロの旋律に合わせて、女性ヴォーカルがハミングするさまが実に素晴らしい。

美しいピアノの旋律と、スローテンポで歌う格好いい女性ヴォーカルの声と、サビの部分で何気に笑いを誘う意味不明な歌詞が絶妙に調和しており、包まれるような癒やしの感覚を生み出すことに成功している。

これこそ、萌えソングとJAZZの融合が生み出した新時代の萌JAZZといえるだろう。

【3曲目】secret base 〜君がくれたもの〜

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3曲目は、TVアニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」のEDテーマ「〜君がくれたもの〜」だ。

この曲はもともと、TVドラマ「キッズ・ウォー3」の主題歌であり、オリコンチャート最高2位を獲得し、100万枚もの出荷枚数を記録したガールズロックバンドのZONEの3rdシングルにして代表曲だ。

この曲は、2001年の発売以来、14年以上にわたって18回以上もカバーされている超ロングヒット曲だ。

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そういう意味では、原曲は、厳密には萌えソングではないのかもしれない。

だが、アニメ「あの花」では、ヒロイン3人を演じる茅野愛衣、戸松遥、早見沙織の3人がカバーし、キャラクターソングによるカバーシングルとしては異例のオリコントップ10入りを果たしている。

アニメファンにとっては、原曲の歌詞は、「あの花」の世界観に見事なまでにマッチしており、この曲を聴けば、反射的に「あの花」の感動的なシーンを思い浮かべて、思わず涙を流すほどの神曲なのだ!

そういう意味において、この曲はまさしく「萌えソング」といえるだろう。

さて、ジャズ・アレンジのほうだが、ミステリアスな感じのピアノソロから始まり、サックスが原曲の美しい旋律を奏でる。

また、中盤では、ピアノソロの語りかけるような演奏に応え、情熱的に応えるサックスソロが実に聴き応えがある。

原曲の切ないメロディを活かし、ジャズ喫茶で流れていても少しも違和感を感じさせない、上品で美しい大人のジャズに仕上がった見事なアレンジといえるだろう。

【4曲目】恋愛サーキュレーション

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4曲目は、西尾維新原作のTVアニメ「化物語」「なでこスネイク編」のオープニングテーマだ。

原曲は、「ふたりのもじぴったん」や「もってけ!セーラーふく」など、数々の萌えソングを世に送り出した萌えソングの神、神前暁(こうさき さとる)の曲だ。

原曲は、ポップでキュートな曲であり、ヒロイン・千石撫子の超絶可愛らしいオープニング映像と、撫子役の花沢香菜のキュートなヴォイスの破壊力は絶大であり、数多くの中毒者を量産したS級萌えソングといえるほどの曲だ。

特に、冒頭の「せーのっ♪」というかけ声は、神前暁のアイデアであり、見る者に強烈なインパクトを与え、萌え狂う人間が続出したそうだ。

こんな素晴らしい萌えソングを作ってくださって、

神(前暁)様ありがとう!

といいたくなるほどの神曲といえるだろう。

なお、この恋愛サーキュレーションが収録された物語シリーズの主題歌集は、超一級のキャラソンが多く、聴くだけでテンションが上がるため、私が通勤時に聴く曲の常連リストだ。

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本当に素晴らしい曲ばかりなので、機会があれば、諸君もぜひ堪能してほしい。

さて、萌JAZZのジャズ・アレンジだが、原曲のリズムとテンポをそのままに、オシャレで軽快なボサノヴァ・ジャズに仕上がっている。

また、中盤のノリノリのギターソロの音色に合わせて、ハミングする女性ヴォーカルがいい味を出している。

恋する女の子の喜びの感情が伸びやかに歌い上げられており、聴くだけで生きていることの喜びが感じられる素晴らしいジャズ・アレンジといえるだろう。

【5曲目】とまどいビターチューン

Amazonリンク 乃木坂春香の秘密OPテーマ「とまどいビターチューン」

5曲目は、2008年に放映されたTVアニメ「乃木坂春香の秘密」の姫宮みらんとチョコレートロッカーズ(CV 生天目仁美)の1stシングルだ。

原曲の作曲者は、「苺ましまろ」の「いちごコンプリート」や「To LOVEる ‐とらぶる‐」、「ロウきゅーぶ!」、「咲‐Saki‐」などの萌えアニメの音楽を数多く手がけてきたベテラン作曲家・編曲家の渡辺剛(わたなべ たけし)だ。

だが、原曲は、「涼宮ハルヒの憂鬱」の名曲「God Knows」を彷彿とさせる、力強い女性ヴォーカルと疾走感あふれるハードな旋律が特徴的な曲であり、萌えソングといえないかもしれない。

さて、萌JAZZのジャズ・アレンジは、クラシカルなバイオリンの伸びやかで情熱的な演奏が印象的だ。

中盤では、ギターソロに移り、切れのよいドラムとベースとともに、メロディアスで哀しげな旋律を奏でる。

全体として、バイオリンの旋律が古風で味わい深いアレンジといえる。

【6曲目】最強○×計画

Amazonリンク TVアニメ「すもももももも」OP主題歌 最強○×計画

6曲目は、2006年放送のTVアニメ「すもももももも 地上最強のヨメ」のオープニングテーマだ。

原曲を作曲したのは、美少女ゲームの楽曲制作を中心に行っている電波ソング・アキバ系ソング「AKIBA-POP」音楽ユニットのMOSAIC.WAV(モザイクウェブ)だ。

MOSAIC.WAVは、結成当初は貸し切りのメイドカフェ等でPCゲーム主題歌のカバーライブを行っていたそうだ。

MOSAIC.WAVは日本で最強の電波ソング・ユニットといってもいいほど、ハイテンションで電波な曲を作曲することで知られた超絶ユニットだ。

Amazonリンク MOSAIC.WAV SPACE AKIBA-POP

もちろん、原曲も例外ではなく、アップテンポでノリノリのテクノポップだ。

だが、この曲はいきなりイントロから、

子・づ・く・×・しましょ!

という、衝撃的な決めゼリフでやられる。

ほとんどの人は誰もが、この決めセリフを聴いて、

「は・・・空耳・・・?

と一瞬、耳を疑うだろう。

だが、これは幻聴でもなく、現実なのだ!

しかも、その歌詞は意味不明どころか、堂々とカラオケで歌うと、100%変態紳士扱いされて、警察が通報されるレベルだ。

それだけではない!

さらにすごいのは、バックコーラスで

「はっ!」

「やっ!」

「せいっ!」

と、屈強な男達のかけ声がかかるところだ!

すなわち、バックコーラスが、オタ芸(*注2)になっているのだ!

(*注2)オタ芸(ヲタ芸)とは

オタ芸とは、声優や初音ミクなどのコンサートやイベントなどにおいて、ファンが楽曲に合わせて独特の踊りや動き、「ハイ! ハイ!」などのかけ声をする行為のことだ。

いわば、場を盛り上げるためのオタクの芸であり、かけ声のタイミングやサイリウムの振り方など、楽曲によってその型が定められていることもある。

体力の消耗も激しいため、アイマスなどのイベントでは、真夏に熱中症になって運び出されるファンが続出するなど、まさしくオタクにとっては、命がけの芸ともいえるだろう。

私自身、この曲を聴いているうちに、サイリウムを両手で振り回して一緒にかけ声を上げたくなる衝動に駆られるほどである。

しかも、サイリウムをどう動かせばいいのか、脳裏にありありと浮かんでくるほど、バックコーラスのかけ声に妙にリアル感があるのだ!

この曲を聴いた外国人は、次のような感想を抱くかもしれない。

ニッポン発狂した!!

それだけではない!

この曲を一度聴いたが最後、まるで呪いのビデオを見た者が、さながら貞子の呪いにかけられたかのごとく、バックコーラスの男達のかけ声が脳内で無限リピートしてやまない重度の中毒患者が続出したという。

さて、このように最強の電波ソングともいえるこの曲のジャズ・アレンジだが、

「こんな常軌を逸した電波ソングが

 ジャズにできるわけないだろ!」

と、懸念を抱く者も多いかもしれない。

だが、そこはSTUDIO TRAM、このような電波ソングまで見事にジャズにアレンジしている。

さて、萌JAZZのジャズ・アレンジだが、ビンビン響く重厚感あふれるベースのサウンドをバックに、ピアノが情感あふれる演奏で原曲のメロディを紡いでいく。

原曲の常軌を逸した怒濤のサウンドを激しいピアノの音色で表現するのは、見事な手腕としかいいようがないだろう。

例えは悪いが、

「アキバでは

 ドン引きされまくりの

 電波系腐女子も、

 ジャズ・デビューすると、

 ここまで格好いい

 大人の女性に変わるのか!?」

と、感じさせる名アレンジといえるだろう。

(↓)ジャズアレンジ後の萌えソングは、まさしく彼女のような中二病患者にこそふさわしいだろう。

【7曲目】READY!!

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7曲目は、2011年に放送されたTVアニメ「THE IDOLM@STER」の前記オープニング・テーマだ。

この曲も、安定の萌えソングメーカーにして、その名の通り神作曲家の神前暁による作曲だ。

原曲は、アイマスのオールキャストによる元気全開のアイドル・ポップであり、聴くだけで底知れないパワーがみなぎってくる究極の萌えソングといえるだろう。

余談だが、私もアニメ放映当時はよく、アニメのプロデューサと同じ柄の青いネクタイをして、この曲を聴きながら副業のために出勤したものだ(←おい)

ところで、この曲は、若さあふれるハイテンポな曲調がジャズ・ミュージシャン達に好まれるのか、2010年代の曲にしてはジャズ・アレンジが非常に多い曲でもある。

さて、萌JAZZのジャズ・アレンジだが、元気いっぱいな原曲に対し、萌JAZZでは、アコースティック・ギターが爽やかなサウンドを奏でる心地よいボサノヴァ風のジャズにアレンジされている。

中盤では、ラテン風のギター・ソロが、南国の暖かい世界へと誘うような心地よい音色で語りかける。

全体として、聴くだけでゆったりとくつろぐことのできる名アレンジのボサノヴァ風ジャズといえるだろう。

【8曲目】すきすきソング

Amazonリンク アニメ・ミュージック・カプセル「ひみつのアッコちゃん」

8曲目は、1969年に放送されたTVアニメ「ひみつのアッコちゃん」のエンディング・テーマだ。

原曲の作詞は、「ひょっこりひょうたん島」を共作した小説家の井上ひさしと放送作家の山本護久(もりひさ)のコンビによる。

また、作曲は、「魔法使いサリーのうた」や「狼少年ケンのテーマ」など、数々のアニメのオープニング/エンディングテーマを手がけた小林亜星(あせい)が手がけている。

さらに、歌は、「南の島のハメハメハ大王」やTVアニメ「Dr.スランプ アラレちゃん」のオープニング/エンディングで有名な歌手の水森亜土(あど)が歌っている。

このように、私のような昭和生まれの世代にとっては、実に豪華な顔ぶれによって作られた曲だが、アルバム最後の萌えソングの題材として、この曲を持ってきたのは実に興味深いといえるだろう。

原曲は、萌えるというよりは、スウィング調のコミカルな曲だ。

だが、1969年当時は、萌えという言葉こそなかったが、ひょっとすると当時の少年少女達は水森亜土の可愛らしいヴォイスで

好き!を連発するアッコちゃん

に萌えたのかもしれない。

なお、余談だが、1990年代には、シャ乱Qがこの曲のサビのメロディをそっくり流用して、藤子不二雄の漫画に登場するラーメン好きの小池さんを歌ったラーメン大好き小池さんの唄というのを出している。

Amazonリンク 小池さん!大集合

さて、萌JAZZのジャズ・アレンジだが、原曲のコミカルな曲調を活かした明るい感じのスウィング・ジャズにアレンジされている。

中盤のピアノ・ソロもアップテンポに弾きまくり、続くサックス・ソロもノリノリで実に楽しく、歌って踊れる楽しいジャズだ。

まさしく、萌JAZZの終盤をハッピーな気分で締めくくるのにふさわしい曲といえるだろう。

【9〜11曲目】インストゥルメンタル

最後に、9〜11曲目にはそれぞれ、「ゆりゆららららゆるゆり大事件」、「恋愛サーキュレーション」および「READY!!」のインストゥルメンタル(歌のない楽曲)が収録されている。

「ゆりゆららららゆるゆり大事件」のインストは、しっとりと落ち着いた上品なジャズとして、また、「恋愛サーキュレーション」のインストは、おしゃれで軽快なボサノヴァ風のジャズとして、さらに、「READY!!」は、ゆったりと心地よいボサノヴァ風のジャズとして、独りまたはパートナーと一緒にグラスを傾けながら「萌える」のに適した曲といえるだろう。

実際、これらの曲は、ジャズ喫茶やバーなどのおしゃれな場所でかけてもまったく違和感のない素晴らしいアレンジに仕上がっている。

嘘だと思うなら、リア友の前で試しにこれらのインスト曲をかけてみるといい。

彼らは、これらの原曲が萌えソングなどとは、微塵でさえも思わないだろう。

このように、どんなに痛々しく常軌を逸した狂気のような電波ソングであっても、たちまちおしゃれで上品な曲に仕上げてしまうのが、ジャズ・アレンジの凄さなのだ!

【まとめ】”中二病患者”に最適な萌JAZZ

以上、萌JAZZの各曲のレビューをおこなったが、実際にジャズ・アレンジを聴いてみると、意外と普通にイケることがわかる。

それゆえ、大人っぽい曲に飢えた中二病患者に、萌JAZZは最適といえるだろう。

というわけで、あなたも、萌JAZZを聴いて、

「け! ロックみたいな

 ガキ臭い曲なんて

 聴いてられっかよ!

 オレにはやっぱ

 萌JAZZだぜ!」

という、カッコイイ決めセリフを吐いて、中二病全開の充実したオタクライフを存分に満喫してほしい!

オタクパパより愛を込めて!

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