親愛なる読者諸君!
オタクパパだ!
オタクと結婚
これは、オタクにとって、避けることのできない永遠のテーマといえるだろう。
なぜなら、オタクといえども、人間である以上は年をとり、若い頃は良くても、いつかは結婚について考えなくてはならないからだ。
だが、オタクにとって、結婚には多大なリスクもある。
というのも、結婚すれば、これまでのように趣味に費やすお金も時間もなくなり、下手をすれば、それまで集めてきた貴重なグッズを大量に手放すハメになるかもしれないからだ。
極論すれば、
結婚するか?
それとも、
オタクを辞めるか?
という選択を否応なしに迫られるのだ。
しかも、私のように、他人と日常的な会話をするのが苦手なコミュ障ともなれば、なおさらだ。
というわけで、今回は、
オタクの結婚
について語りたいと思う。
オタクにとっての恋愛観
オタクにとって、「恋愛」とは何だろうか?
3次元など論外!
2次元こそ至高!
私自身、そのように考えていた時期もあったことは否定しない。
実際、私も若い頃は、本田透(ほんだとおる)先生の「電波男」(三才ブックス)をバイブルとして、むさぼるようにして読み、
「恋愛資本主義は諸悪の根源だ!
2次元キャラとの純愛こそ至高!」
と、ひたすらストイック?な2次元ライフを貫いてきた時期もあったくらいだ。
たしかに、本田透先生のように2次元キャラのみをひたすら一途に愛する生き方は、オタクにとって理想の生き様といえるだろう。
だが、2次元キャラに貞操?を捧げて一生独身をつらぬくことが、オタクにとって幸せな生き方なのだろうか?
いや、そもそも、2次元と3次元は対立するものではなく、棲み分け可能ではないだろうか?
結婚しても2次元の嫁を愛し続ける中年オタクの実例
画像リンク(Amazon)
ここで、2次元の恋愛と3次元の結婚をうまく棲み分けしている中年オタクの実例を紹介しよう。
ジョバンニ・ミラバッシは、イタリア生まれのジャズ・ピアニストにして、ヨーロッパ・ジャズ・ピアノ界の貴公子と呼ばれるほどの天才だ。
上のジャケットの彫りの深いイケメン顔と、ジャズ・ピアノ界の貴公子という名称から、ミラバッシは、さぞかし女性にモテるウェイ系のリア充のようにも思えるだろう。
だが、ジャズ・ピアノ界の貴公子には、驚くべき意外な側面があった。
彼は、アニメ歴40年以上のガチのアニメオタクだったのだ!
実際、ミラバッシは、7歳のときにTVで「UFOロボ グレンダイザー」を観て以来、日本アニメ好きになったそうだ。
ミラバッシは、BARKS JAPAN MUSIC NETWORKのインタビューで次のように答えている。
「35年前から、日本のアニメがどれだけ世界で人気があるかということを、おそらく日本人が一番認識していないのではないかと思います。
そしてぼくが子供の頃からずっと、アニメ漬けだったことも(笑)」
引用 BARKS JAPAN MUSIC NETWORK
また、ミラバッシは、日本アニメのDVDを買いあさるだけでなく、宮崎駿の「風立ちぬ」も映画館で観に行くほどのジブリファンでもあるそうだ。
ミラバッシはインタビュー当時すでに40歳を過ぎていたが、40すぎになっても、
「いまだにアニメの大ファンです」
と語るほどの熱心な中年アニメオタクだ。
参考

アニメDVDで埋め尽くされたオタク・ミラバッシの部屋
下の写真は、ミラバッシの日本向けフェイスブックページから引用したものだ。
(↓)大量の日本アニメDVDでビッシリ埋め尽くされたジョバンニ・ミラバッシの部屋。これぞ典型的なオタクの部屋!
アニメDVDでびっしり埋め尽くされた部屋は、まさしく典型的なオタクの部屋といえるだろう。
ちなみに、上の写真から私が確認できた作品は、以下の通りだ。
「風の谷のナウシカ」
「青い文学シリーズ」
「魔女の宅急便」
「シンデレラボーイ」
「XXXHOLiC」
「秒速5センチメートル」
「もののけ姫」
「巌窟王」
「ルパン三世(PART2)」
「メタル・ユルラン」
「サマー・ウォーズ」
「となりの山田くん」
「ハウルの動く城」
「天空の城ラピュタ」
「ルパン三世 カリオストロの城」
「メトロポリス」
「ゴルゴ13」
「宇宙海賊キャプテンハーロック」
「吸血鬼ハンターD」
「崖の上のポニョ」
「ブリーチ」
「パルムの樹」
「借りぐらしのアリエッティ」
「メモリーズ」
「Witch Hunter ROBIN」
「Serial experiments lain」
「BLOOD+」
「ソウルイーター」
「GTO」
「WOLF’S RAIN」
「じゃりん子チエ」
「攻殻機動隊」
「言の葉の庭」
「アキラ」
「カラフル」
「GANTZ」
「千年女優」
「UN-GO」
この写真だけでも、38種類の作品が確認できた。
しかも、「宇宙海賊キャプテンハーロック」や「ゴルゴ13」、「じゃりん子チエ」、「Serial experiments lain」のDVDまで持っているのだ。
このように、ミラバッシは、「じゃりん子チエ」の面白さが分かるだけでなく、「Serial experiments lain」のような隠れた名作まで知っているという、ある意味、そこらへんの日本人よりもはるかに
ガチの中年アニメオタク
なのだ。
(↓)「Serial experiments lain」は、アニメオタクの間では知る人ぞ知る、隠れた名作だ。
参考
https://ja-jp.facebook.com/mirabassijapan/オレの嫁はナウシカ
だが、驚くのはまだ早い。
ミラバッシは、なんと妻子がいるにも関わらず、アニメの2次元ヒロイン
「風の谷のナウシカ」に恋をしている
というのだ!
実際、ミラバッシは、インタビューで次のように答えている。
「我が愛しのナウシカ。
子供の頃にナウシカ姫に恋をしました。
そして、子供の心を忘れない私は今でも彼女に恋をしています。
このアルバムは素晴らしいキャラクター達とこのような意味深いストーリーの創作者達に捧げます。
そして、勿論、私の最愛のプリンセスに。」
──ジョバンニ・ミラバッシ
出典

(↓)お気に入りの作品として、ジョバンニ・ミラバッシが取りだした一枚のDVD。
(↓)よく見ると「風の谷のナウシカ」のフランス語版のDVD。ジャズ・ピアニスト界の貴公子の2次元の嫁は、ナウシカだった・・・。
なお、ミラバッシの娘も父親と同様に大のアニメ好きで初音ミクのファンなのだそうだ。
これからも明らかなように、リアル世界で結婚したとしても、
2次元の脳内キャラとの
棲み分けは十分に可能
なのだ!
な、なんだってーーー!
日本神話に描かれた結婚後も異次元嫁を正妻としたキモ男
実は、ミラバッシのような異次元嫁との棲み分け生活のルーツは、日本神話にまで遡ることができる。
日本神話の原典として名高い「古事記」には、
元いじめられっ子の神
大国主命
(おおくにぬしのみこと)
が登場する。
大国主命は、いじめっ子の八十神(やそがみ)から荷物持ちをさせられるなど、典型的ないじめられっ子だった。
そんなある日、大国主命は、あろうことか、アイドル神である八上姫(ヤガミヒメ)にあこがれて、彼女との結婚を決意する。
だが、大国主命は、いじめっ子の八十神(やそがみ)から
「カバン持ちの
のび太大国主命のくせに生意気な!」
といわれ、理不尽ないじめにあう。
しかも、もともとのび太なみに弱かったのか、八十神に2回もボコボコにされて、ひどい目に遭わされる。
このように、大国主命は、もともと強い神ではなく、
のび太レベルのいじめられっ子神だったのだ。
八十神に邪魔されて、アイドル神のヤガミヒメとの結婚に失敗し、いじめっ子の神々がはびこるリアル世界に失望した大国主命は、とうとう異次元世界である根の国(ねのくに)に逃げこんでしまう。
これを現代流に解釈するなら、現実世界の競争やいじめに嫌気がさして自宅に引きこもり、アニメやラノベ、ゲームなどの2次元世界に逃げ込んだダメ男といったところだろう。
だが、異次元世界へ逃げ込んだところで、大国主命のダメ人生が急展開する。
大国主命は、異次元世界を支配する神スサノオの娘・須勢理毘売(スセリビメ)を一目見るや、惚れ込んでしまって結婚してしまったのだ。
現実世界で全くさえない男が、異次元世界の女性に惚れ込んで異次元婚をしてしまうなど、まるでラノベのような展開だが、大国主命は、残念ながらイケメンではなかったようだ。
実際、スセリビメの親父であるスサノオは、娘が紹介した大国主命の顔を一目見るや、
「なんだ、ただの醜男
(キモメン男)ではないか!」
といって、娘と別れさせるために大国主命を蛇とムカデのいる部屋に寝させたくらいだ。
現代流に解釈すれば、大国主命は、2次元世界の脳内美少女にしか相手にされないキモメン男だったのだ!
だが、ラノベ並みのチート主人公運と、機転のきいたスセリビメの助けもあって、大国主命は、スサノオから受けた数々の試練をクリアして実力を認められるようになる。
異次元世界での生活で自信がついた大国主命は、かつて自分をいじめていた八十神に復讐をするため、スサノオの武器を手に元のリアル世界に舞い戻る。
リアル世界に戻った大国主命は、異次元世界のチート兵器を手に、いじめっ子の八十神を追い詰めて一掃して復讐を果たす。
そして、最後にアイドル神のヤガミヒメとめでたく結婚したのだ!
現代流に解釈すれば、大国主命という男は、現実世界での過酷な競争やいじめに耐えきれずに引きこもったものの、脳内世界にどっぷり浸っている間に発見した新しいアイデアを手に、かつてのライバルやいじめっ子達にリベンジを果たした元いじめられっ子の成功者という感じだろう。
実際、エジソンやニュートン、アインシュタインなどの天才には、このようなタイプの人間が多い。
このエピソードで興味深いのは、大国主命は、リアル世界でヤガミヒメと結婚した後も、異次元世界のスセリビメを正妻にしたという点だ。
ここで、
ヤガミヒメ → リアル世界の嫁
根の国 → 2次元世界
スセリビメ → 2次元の嫁
と考えれば、この大国主命の生きざまは、そのまま
未来のオタクの結婚のあり方
を示唆するものといえるのではないだろうか?
オタクにとって、それまで愛してきた2次元世界を捨てることなく、リアルでも結婚生活を送ることができれば、それにまさるものはないだろう。
そういう意味で、異次元世界との関係を断つことなく結婚した大国主命は、まさしく
オタクの元祖のような神
ともいえるのだ。
もっとも、このエピソードには後日談があり、結婚後、大国主命の子供を身ごもったヤガミヒメに嫉妬したスセリビメを恐れて、ヤガミヒメは実家に帰ってしまう。
だが、2次元のアニメキャラがリアル嫁に嫉妬することなど、100%ありえないので、その点は、ノー・プロブレムだ!
【結論】オタクと結婚は両立可能だ
オタクの結婚のあり方について、結婚するか、それともオタクをやめるか?ということが言われてきた。
だが、イタリア人のガチオタクや神話の例から明らかなように、そもそも2次元と3次元とは対立するものではなく、棲み分け可能だ。
実際、「エヴァンゲリオン」などの作品で知られ、オタクの代表格ともいえるアニメ監督の庵野秀明監督も結婚したが、安野モヨコ氏の著書を読むかぎり、彼もまた、2次元の妄想世界と3次元でのリアル結婚生活をうまく両立させているようだ。
というわけで、諸君も2次元原理主義にとらわれず、2次元世界と3次元世界との棲み分けを考え、リアル世界で良きパートナーを見つけてほしい。
オタクパパより愛を込めて!
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