親愛なる読者諸君!
オタクパパだ!
令和時代に入って、日本のオカルト界に衝撃を与える凄まじい本が出た!
そのタイトルは、
日本の
オカルト
150年史
私自身、小学生の頃から何十年もの間「雑誌ムー」を愛読していたバリバリの
オカルト好き
のオタク
だが、そんな私でさえも思わず唸ってしまうほど、圧倒的な情報量に驚いてしまったほどだ。
日本のオカルトをほぼ全て網羅しているといってもいいほどの素晴らしい出来で、
日本オカルト史
の標準教科書
といっても過言ではないだろう。
というわけで、今回は、「日本のオカルト150年史」がどれだけスゴい本なのかについて、オカルトオタクである私が紹介したい!
元超能力少年だった著者・秋山眞人(あきやま まこと)の指摘が鋭く、決着がついたはずのオカルトについても思わず考えさせられる
ところで、「日本のオカルト150年史」の著者は、秋山眞人(あきやま まこと)。
秋山氏は、13歳の頃から
超能力少年
としてマスコミに取り上げられた経歴の持ち主だ。
秋山氏は、当時、スプーン曲げ少年として、いろいろな実験に参加したそうだ。
しかしながら、スプーン曲げは手で針金を曲げるインチキとされて、マスコミから手のひらを返したように激しいバッシングを受け、
「世の中とはなんとひどいところだ」
と絶望し、激しく世の中を恨んだり憎んだりした時期もあったという。
だが、本当に超能力をもっているのなら、どうして超能力少年たちは、インチキをしたのだろうか?
この疑問について、元超能力少年である秋山氏は、次のように説明する。
そもそも、スプーンを念力で曲げられる人間でも、どうしてもできないときはあるのだ。
人間の心を介在するような現象は、いつやっても同じようになるとは限らないからである。
10秒を切る速さで100メートルを走ったことがある走者が、いつも9秒台で走れないのと同じだ。
引用「日本のオカルト150年史」
実際、秋山氏によると、疲れてくると、トリックで曲げる子供たちがいたのも目撃したという。
だからといって、100%インチキというわけではなく、超能力少年たちが真っ直ぐな針金を並べてもって、その針金を瞬間的に一筆書きのように番組のタイトル文字に変えてしまうようなことも実際に経験したという。
また、ピアノの上に置いたスプーンが尺取り虫のようにくねって曲がるなど、スタジオでは想像を超えるような不思議なことがたくさん起きていたのも事実だという。
それだけでなく、秋山氏は、当事者が偽物だと告白することによってすべてが否定されてしまったとされる有名な妖精事件やネッシーの目撃事件、フォックス姉妹の交霊現象についても、
世間やメディアからの
プレッシャーによって
つぶされたケース
ではないかと指摘している。
秋山氏によると、ホンモノが本当のことをいうこと自体が大変なプレッシャーになることは多々あることであり、精神世界では、いくらでもそういう例があるそうだ。
実際、超能力に限らず、
本当は無実なのに
自白を強要され
ありもしない罪を
でっち上げられた
冤罪事件は、枚挙にいとまがない。
それなのに、オカルト事件だけ、
「本人が自白したから
やっぱりインチキ
だったんだよ!」
と、安易に結論づけるのは、いかがなものだろうか?
ひょっとすると、我々は無意識のうちに、上であげた冤罪事件と同じような罠にはまっているのかもしれないのだ。
実際、秋山氏は、当事者によるインチキだったという告白が、実は
冤罪ではないか?
という視点で、数多くの証拠を突きつけてくる。
それゆえ、「日本のオカルト150年史」を読んでいると、
「あれ?
いわれてみると
たしかにそうかも・・・」
と、さながら逆転裁判をプレイしているかのような新鮮な視点で、一度決着がついたはずのオカルトの真贋について再考することができるのだ。
オカルト事件は、さまざまな視点からさまざまな解釈が可能であり、ひょっとすると、現時点で結論を下すのは早いのかもしれない。
昭和のオカルトブームの頃の懐かしい話題が盛りだくさんで楽しめる!
「日本のオカルト150年史」は、昭和のオカルトブーム時代の懐かしい話題が盛りだくさんだ。
昭和時代のオカルトの目に付いたトピックを上げると、以下のような感じだ。
コックリさん
恐怖新聞
ユリ・ゲラー
スプーン曲げ
心霊写真
エクソシスト
心霊手術
ノストラダムス
ネッシー
ツチノコ
チャネリング
ダウジング
宜保愛子
矢追純一
サイババ
X-ファイル
あなたの知らない世界
丹波哲郎
これらのキーワードのどれかに、ピピッとアンテナが反応する人には、ぜひとも「日本のオカルト150年史」を読んでみてほしい!
オカルトとマンガの話題も!
その他の点については、1980年代に起きた
戦士症候群
について触れられているのも興味深い。
戦士症候群とは、雑誌「ムー」の文通コーナーで
「自分は目覚めた戦士であり、仲間の戦士を探している」
「前世の記憶がよみがえったので、当時の仲間を探しています」
という投稿が多発した現象のことだ。
戦士に目覚めて仲間の戦士を探すこの現象は、平井和正・石ノ森章太郎両氏の原作の漫画「幻魔大戦」などの影響を受けていると考えられていると秋山氏は指摘している。
だが、これについて、私自身は、
日渡早紀の少女漫画
「ぼくの地球を守って」
の影響のほうがむしろ大きいのではないかと思っている。
また、漫画「釣りキチ三平」で知られる漫画家・矢口高雄が「週刊少年マガジン」でツチノコ探索をテーマにした「幻の怪蛇バチヘビ」を描いたことから、全国的なツチノコ探索ブームが起こった話題についても触れられている。
とにかく、日本のオカルトの文化史を取りあげたものとして、これほど充実した本も珍しいだろう。
特に、昭和のオカルトブームの時代を生きた人にとっては、懐かしく感じられるのではないだろうか?
しかしながら、紙面の都合もあってか、「エースをねらえ!」の原作で知られ、後に新興宗教の教祖になった漫画家・山本鈴美香(やまもと すみか)や「ガラスの仮面」の美内すずえなどには、まったく触れられていなかった。
また、古賀新一の「エコエコアザラク」や藤子不二雄(A)の「魔太郎がくる!!」も、
昭和のオカルトマンガ
として、はずしてはならない名作だ。
これらの漫画家は、スピリチュアルに興味のある少年少女たちに大きな影響を与えていたように思うだけに、「日本のオカルト150年史」でひと言も触れられていないのは、
昭和時代を生きたオタク
の私にとって、実に残念だと思う。
深夜ラジオとオカルトの話題も!
その他の点では、
口裂け女
の話題など、深夜ラジオとオカルトの連動についても触れられているのは興味深い。
ラジオから発信したオカルトで有名な例として、タレントの三宅裕司がニッポン放送のラジオ番組で流行らせた
ヒランヤ
という六芒星の形をしたオカルトグッズについても触れられている。
大企業の超能力研究などのレアな話題も盛りだくさん
また、本田技研で秋山氏が
超能力の特別チーム
を研究所内につくるように依頼を受けたという話も紹介されており、大変興味深い。
また、ソニーの
エスパー研究室
の話題など、レアな話題も盛りだくさんだ。
日本のオカルト150年の歴史がこれ一冊を読むだけで全て分かる!
明治大正期のトピックとしては、数多くの超能力者を研究した東京帝国大学の福来友吉(ふくらい ともきち)博士の活動ももちろんあげられている。
福来友吉(1869-1952)
福来博士のもとで透視能力実験をおこなった御船千鶴子(みふね ちずこ)、透視実験に続き念写実験もおこなった長尾郁子(いくこ)、また映画「リング」の山村貞子のモデルになったともいわれる透視・念写能力者の高橋貞子、月の裏側の写真の念写で有名な三田光一もあげられている。
御船千鶴子(1886-1911)
出典 – Own work
長尾郁子(1871-1911)
出典 – Own work
さらに、宗教関係者のネタとしては、AKIRA教の教祖ミヤコのモデルともいわれている大本教の教祖・出口なお、幕末の黒住(くろずみ)教の教祖・黒住宗忠(むねただ)、天理教の中山みき、金光(こんこう)教の川手文治郎(かわて ぶんじろう)などの基本もすべて押さえられているのはいうまでもない。
オカルトの皮をかぶったカルト教団の台頭
また、「日本のオカルト150年史」には、オウム真理教などのカルト教団の台頭についても取り上げられている。
秋山氏によると、「能力開発」というオカルトの皮をかぶってメディアや大衆を動かし、大暴れしたのがオウム真理教であったという。
オウム真理教の事件について、秋山氏はいう。
これはオカルトの皮を被ったカルト教団が犯した事件なのだ。
それは化学兵器サリンを生み出した科学のせいでも、オウムの信者が実践していたヨガのせいでも、ましてやオカルトのせいでもない。
この事件をオカルトのせいというのであれば、科学のせいであり、ヨガのせいであり、宗教のせいである。
ところが、マスメディアと大衆は、カルト教団暴走の責任をすべてオカルトに押し付けて頬被りしてしまった。
(中略)
ここで改めて断言するが、当時のオウム真理教は、真のオカルトとは言い難い。オカルトは被り物であって、その本質はカルトであり、殺人に手を染めた宗教団体であった。
かつて軍国主義が戦争に突入してカルトになったように、教義や主義のために殺人を犯すようになった団体は、キリスト教であれ、イスラム教であれ、仏教であれ、国家であれ、何であれ、その時点で刈るとである。
しかし、一般の人々はそうは考えなかった。オカルトはすべてカルト的であると考え、オカルトから極端に距離を取ろうとする人たちが増えた。
引用「日本のオカルト150年史」
かつて、キリスト教や国家神道を利用した国家が、戦争に突入して多くの国々を巻き込んで、人々を苦しめたことがあった。
だからといって、侵略のためのプロパガンダに利用されたキリスト教や国家神道が諸悪の根源なのだろうか?
また、凶悪なテロリスト達がジャンボジェット機を使って大規模なテロを犯したからといって、
ジャンボジェット機
が諸悪の根源だ!
という人はいないだろう。
ジャンボジェット機をテロの道具に利用しようとしたテロリスト自身に問題があるのだ。
まったく同様のことが、オウム真理教事件についても、いえるのではないだろうか?
犯罪を犯すのは
モノではなく
人間自身なのだ!
約30ページにわたるオカルト史の年表が圧巻!
圧巻なのは、最後にまとめられた日本と世界のオカルト史の年表だ。
1812年に「天狗」に誘われて神仙界に遊んだという、ツイッターでも話題になった謎の少年・仙童寅吉(せんどう とらきち)から始まり、約200年後の2020年の令和時代まで、実に
28ページ
にもわたって、日本と世界のオカルト史が年表にまとめられているのだ!
とにかく、日本のオカルト史を学びたい人にはお勧めの本だ!
日本のオカルト史にまつわる不思議なシンクロニシティ
最後に、気になる点だが、令和時代にはいって、
日本のオカルト史の総括
ともいえる本の刊行ラッシュが相次いでいる。
例えば、ASIOSの「昭和・平成オカルト研究読本」や、「近現代日本の民間精神療法: 不可視なエネルギーの諸相」などがそうだ。
これらの本はいずれも、令和時代に入って刊行されたものだ。
オカルト史の総括本が同時期に続けて3冊も刊行されたのは、偶然だろうか?
実は、私自身、このような流れには、スピリチュアル的な意味があるのではないかと思っている。
実際、秋山氏が
シンクロニシティ
に関する本も書いているとおり、たまたま別の著者が別の出版社から別々に出した3冊の本がいずれも日本のオカルトの総括本だったというのは、けっして偶然の一致ではありえない。
テレビドラマやアニメなどで、それまでの総集編が出るときというのは、どういうタイミングだろうか?
通常は、ストーリーの終盤あたり、特に
最終回が
始まる直前
に放送される場合が多いのではないだろうか?
すなわち、令和時代に入って、日本のオカルト史の総集編の本が次々と刊行されるというのは、
最終話が近い
ということを意味するメッセージとも考えられるのだ!
というわけで、諸君も秋山氏の「日本のオカルト150年史」を読んで、日本のオカルトの歴史を学んでほしい。
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