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宇宙に「始まり」はあるか?天才哲学者カントの衝撃の結論!【宇宙ヤバイ】

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ!

 

あなたの人生に誕生と死があるように、この世の中のあらゆる存在には、始まりと終わりがある。

 

これはまさしく、この

宇宙の絶対的な原則

であるといってもいいだろう。

 

だがここで、あなたは次のような疑問を抱いたことはないだろうか?

この宇宙自体には

「始まり」が

あるのだろうか?

実は、この宇宙の大問題に、望遠鏡などの装置を一切用いることなく、

頭の中の思考だけ

で挑んだ超天才

がいる。

 

その男の名は、

イマヌエル・カント

18世紀に活躍したプロイセン王国(ドイツ)の偉大な哲学者にして、ケーニヒスベルク大学の哲学教授だ。

イマヌエル・カント(1724-1804)

カントは、「純粋理性批判」、「実践理性批判」、「判断力批判」の三批判書を発表し、認識論において前代未聞の「コペルニクス的転回」をもたらし、

哲学史上

最大の偉人

と呼ばれた究極の天才だ!

 

というわけで、今回は、

宇宙の始まり

について、天才哲学者カントの驚くべき考察とその結論を紹介したい。

【2020/07/31 追記】

天才哲学者カントとは

イマヌエル・カント(1724年〜1804年)は、18世紀に活躍したドイツの哲学者だ。

カントは、ケーニヒスベルク大学の哲学教授として、

「純粋理性批判」

「実践理性批判」

「判断力批判」

という、いわゆる三批判書を著し、当時の哲学界にまさしく天地がひっくり返るような大きな衝撃を与えた。

カントの「純粋理性批判」1781年に出版された初版

出典 Wikimedia: Foto H.-P.Haack

カントが登場する以前の哲学界では、イギリスのロックやヒューム、アイルランドのバークリーなど、

人間のすべての知識は、我々の経験に由来する

とした経験論(イギリス経験論)がイギリスを中心に発展していた。

ロック(1632 – 1704)

ヒューム(1711 – 1776)

ジョージ・バークリー(1685 – 1753)

一方、フランスのデカルトやオランダのスピノザ、ドイツのライプニッツなど、

人間は生得的に理性を与えられ、生まれながらにして基本的な観念・概念を有する、もしくはそれを獲得する能力を有している

とした理性主義の合理論(大陸合理論)が欧州大陸を中心に発展していた。

ルネ・デカルト(1576 – 1650)

バールーフ・デ・スピノザ(1632 – 1677)

ゴットフリート・ライプニッツ(1646 – 1716)

このように、当時の哲学界において、これらイギリス経験論と大陸合理論の2つの大きな流れが対立していた。

 

だが、カントは「純粋理性批判」において、自ら「コペルニクス的転回」と呼ぶ

当時の哲学者の発想

の斜め上行く

超人的な発想

により、これら2つの一見矛盾する考え方を見事に統一したのだ!

史上最高の天才は遅咲きだった!

このように哲学史上に衝撃を与えたカントだが、驚くことに、彼が三批判書を著したときの年齢はそれぞれ、

「純粋理性批判」

(57歳)

「実践理性批判」

(64歳)

「判断力批判」

(66歳)

と、当時の平均寿命から考えても、かなりの高齢だった。

カントの名を世界に知らしめ、その哲学上の地位を不動にした歴史的な著作がすべて還暦に近い年齢で著されたというのは、まさしく驚異的というほかないだろう。

 

だが、これは逆に考えると、何十年にもわたってカントが考え抜いて得られた成果が、ようやく還暦近くになって花開いたともいえる。

生涯「独身」を貫いた哲学界最高の天才

なお、カントは、その生涯を通じて一度も結婚せず、

一生独身を貫いた

ことで知られている。

 

実際、カントは「結婚しろ!」と周囲から勧められても、

頑として首を

縦に降らなかった

という。

 

といっても、カントはまったくモテない喪男だったわけではないそうだ。

 

カントの研究者によると、カントは2回ほど恋愛し、結婚のチャンスもあったそうだが、結局踏ん切りがつかなかったそうだ。

 

結婚について、カントは、次のような名言を残している。

「結婚で結ばれる男女は、夫の理解力と妻の趣味によって支配される唯一の道徳的人格をつくり出すべきである」

カントが2度も恋愛し、結婚のチャンスがあったのにもかかわらず、結婚に踏み切らなかった理由として、カントが

結婚に対して極めて

高い理想を持っていた

のではないかと言われている。

 

ネットでは、昔からよく、

30歳まで

独身をつらぬくと

魔法使いになれる

といわれてきたが、70歳をすぎてもなお、独身を貫き通したカントは

魔法使いどころか

哲学界の「神」

になった

といえるかもしれない。

宇宙に「始まり」はあるのか? 究極の問いに挑んだ史上最高の天才哲学者

それでは、宇宙の始まりについて、カントはどのように考えていたのだろうか?

 

カントは「純粋理性批判」において、次のように述べている。

世界は、時間において始まりを持つと仮定しよう。

始まりとは、一つの現存在のことであり、事物がそこに存在しない時間が、この現存在に先行するから、世界がそこに存在しなかった時間が、すなわち空虚な時間が、先行していなければならない。

しかし空虚な時間においては、およそ事物の生起は、不可能で偽となる。

引用 カント「純粋理性批判」

上の文章を読んだだけでは、ピンと来ない人も多いかもしれない。

 

そこで、小学生でも理解できるように、上のカントの説明を

現代風にビジュアル化

して説明しよう。

現代風にビジュアル化されたカントの考察

最初に、Youtubeやニコニコ動画などの動画を見ている状況を想像してもらいたい。

これらの動画の下側には、上の図のように、動画の時間を左右にスライドさせるスクロールバーがついているはずだ。

 

ここで、スクロールバーを右側に動かすと、動画が未来に進むことがわかるだろう。

上の図は、スクロールバーを右側に動かして未来に進むにつれ、宇宙がどんどん膨張していくイメージをあらわしたものだ。

 

もちろん、われわれの宇宙が膨張している事実が発見されたのは、20世紀に入ってからであり、カントが生きていた18世紀には、宇宙の膨張はまだ知られていなかった。

エドウィン・ハッブル(1889-1953)。ハッブルは、銀河からの光が赤方偏移していることを発見し、宇宙が膨張していることを実証し、現代の宇宙論の基礎を築いた。

ハッブルが銀河の赤方偏移を測定し、宇宙の膨張を発見したウィルソン山天文台の100インチフッカー望遠鏡

出典  Andrew Dunn – http://www.andrewdunnphoto.com/

これから、動画において、スクロールバーの動きがちょうど、

「時間」の流れ

に相当することがわかるだろう。

 

ところで、スクロールバーを逆方向、すなわち左側に動かしたら、上の動画はどのように見えるのだろうか?

 

スクロールバーを右側に動かすと、動画が未来に進むということは、逆に、スクロールバーを左側に動かすことで、動画が過去に戻ることは、容易にわかるはずだ。

上の図は、スクロールバーを左側に動かして過去にさかのぼるにつれて、今度は宇宙がどんどん縮小していくイメージを表したものだ。

 

それでは、スクロールバーをこのまま左端まで動かしたら、上の動画はどのように見えるのだろうか?

 

スクロールバーを左側に動かすにつれ、宇宙の部分がどんどん小さくなっていき、やがて宇宙は1つの点にまで縮小するだろう。

これが

宇宙初期の大爆発

「ビッグバン」の瞬間

だ。

それでは、スクロールバーをさらに左に動かして、

ゼロ時間(0:00)

にセット

すると、動画はどのように見えるのだろうか?

 

このとき、ビッグバン以前の状態、すなわち、

点さえも存在しない

まっさらな状態

になるはずだ!

上の図は、スクロールバーを左端まで振りきって、ゼロ時間(0:00)になったときのイメージを表したものだ。

 

このとき、まさしく

物質も空間も存在しない

完全なる「無」の世界

が実現したといえるだろう。

 

上の「純粋理性批判」でカントが述べた、

世界がそこに存在しなかった時間、すなわち「空虚な時間」

とは、ちょうどこのスクロールバーが左端まで完全に振り切って、画面がまっさらになった状態のことだ。

 

もちろん、ビッグバンが始まる前の状態なので、

時間も空間も物質も

エネルギーも

一切存在しない

完全なる無の世界

なのは、いうまでもない。

物事が始まるには、始まる「きっかけ」が必要だ!

ところで、物事が始まるには、

始まる「きっかけ」

が必要だ!

 

上の「純粋理性批判」の説明において、カントは次のように述べている。

始まりとは、一つの現存在のことであり、事物がそこに存在しない時間が、この現存在に先行する

カントのいう

始まりの前にある

事物がそこに存在しない時間

とは、なんだろうか?

 

Youtubeやニコニコ動画などの動画の場合、画面の真ん中に表示される再生ボタン(三角印のアイコン)を押せば、動画の再生が開始される。

また、左端のスクロールバーのノブ(ツマミ)をマウスでドラッグして右側に動かすことで、動画の再生を開始することもできる。

 

だが、ここでちょっと考えてほしい。

 

これらの再生ボタンやスクロールバーのノブは、いわば

動画の始まりの時点で

現に存在している

なんらかの「事物」

に相当する。

 

だが、現実の宇宙の始まりにおいては、上のような都合のいい「再生ボタン」や「スクロールバー」は存在しない。

 

実際、ビッグバン以前には、物質やエネルギーはおろか、時間や空間でさえ存在しなかったのだ!

これは、上の動画の例でたとえるなら、動画の始まりの前の時間には、何の事物も存在しない、すなわち、

動画を開始するための

再生ボタンや

スクロールバーなどが

まったく存在しない

下のような状態に相当する。

ここで、上のような再生ボタンもスクロールバーも存在しない動画サイトに出くわしたとき、あなたは当惑するのではないだろうか?

「あれ? 

 この動画サイト

 どうやって

 再生するんだよ?」

「再生ボタンも

 スクロールバーも

 どこにもないじゃん?

 

 こんな動画

 どうやっても

 始まらないだろ!?

そう! カントが「純粋理性批判」でいう、

始まりの前に先行する

事物がそこに存在しない時間

とは、まさしくこのような状態なのだ!

 

このように、宇宙の始まりの前の時間には、

宇宙の始まりの

「きっかけ」となる

事物が存在しない

ため、宇宙を始めようしても、始まりようがないのだ!

 

そして、カントのいう

世界がそこに存在しなかった時間が、すなわち空虚な時間

とは、このような何の事物も存在しない

完全な「無」の状態

に他ならない!

 

それゆえ、カントは「純粋理性批判」において、次のように結論を下すのだ。

空虚な時間においては、およそ事物の生起は不可能だ!

このように、宇宙が始まる前の完全な「無」の状態を考えたとき、ビッグバンが起こるための「きっかけ」が存在しえないため、

宇宙は決して

始まらない

という結論が導かれるのだ!

200年以上経った今でも、カントの哲学をいまだに超えられない現代宇宙論

ところで、現代宇宙論においては、

宇宙に始まりがある

という考え方が主流になっているようだ。

 

それによると、ビッグバン以前に「量子ゆらぎ」なる状態が存在しており、この

量子ゆらぎから

宇宙が生まれた

という説が、もっともらしく説明されている。

 

この考え方は、動画の例でたとえるなら、ちょうど

始まりの時点で

再生ボタンや

スクロールバー

のついた動画

のようなものだ。

だが、厳密に考える人なら、この考えはどこかおかしいことに気づくはずだ。

 

なぜなら、宇宙の起源を説明するために、宇宙が生まれる「きっかけ」となる事物(これを「事物X」としよう)が存在するなら、

そもそも事物Xは

どうやって

生まれたのか?

という疑問が当然のごとく生じるからだ!

 

そして、この事物Xは、「量子ゆらぎ」に限らず、「ブレーン」であっても「高次元空間」であっても、それこそ何であってもいい。

 

また、そのような宇宙の始まりの「きっかけ」となる事物X(量子ゆらぎ等)が存在していたとすれば、当然、

事物Xが生まれる前

何があったのか?

という疑問も生じるだろう。

 

それゆえ、宇宙の始まりに量子ゆらぎがあったという現代宇宙論の考えをカントが知ったら、おそらく

量子ゆらぎも、立派な「事物X」なんだから、その事物Xも存在していないような空虚な時間が先行しているはずだろ?

そもそも、量子ゆらぎという「構造」は、どうやって生まれたんだよ?

とツッコむのではないだろうか?

 

なぜなら、「ゆらぎ」というのは、

空間や時間など

何かがゆらぐための

「次元が存在している」

ことを前提にしている

概念だからだ!

 

実際、量子ゆらぎによる無からの宇宙生成論を主張したビレンキンの論文(PHYSICS LETTERS. 4 November 1982. CREATION OF UNIVERSES FROM NOTHING. AlexanderVILENKIN)を読んでみると、

x(空間)やt(時間)

などの時空間の変数を

当たり前のように

使っている

ことがわかる。

アレキサンダー・ビレンキン。ハーバード大学にて。

出典  Lumidek at English Wikipedia

ビレンキンの有名な論文「Creation of Universe from Nothing(無からの宇宙の生成)」

背景となる次元

(時空間)の存在

がなければ、そもそも「ゆらぎ」を定義することができないからだ。

 

すると、当然、次のような疑問が生じるのではないだろうか?

「ゆらぎ」の前提となる

次元の存在はそもそも

どうやって生まれたのか?

このように、現代宇宙論は、宇宙の始まりの「きっかけ」とされる

事物X(量子ゆらぎ)

が存在する理由

について、何一つとして納得のいく説明を与えていないのだ!

 

いわば、現代宇宙論は、宇宙という「存在」が始まる原因を説明するために、「量子ゆらぎ」という別の「存在」を前提にするという

「存在」の

無限ループ地獄

に陥っているともいえるのだ!

 

それゆえ、カントがいまの宇宙論の現状を知ったら、

「ちょ! おまえら

 それ、オレ

 200年前に到達した

 境地をぜんぜん

 超えてねーだろ!?」

とツッコミまくるのではないだろうか?

ロシアのカリーニングラードにあるカント像

出典  photo taken by myself – Self-photographed

カント流の仮説の検証方法

ところで、上のカントの考察において、「宇宙に始まりがある」と仮定した場合、

宇宙は決して始まらない

という結論が導かれた。

「宇宙に始まりがある」と仮定

  ↓

「宇宙は決して始まらない」という結論が導かれる

ここで、次のような疑問を抱く人もいるかもしれない。

「おい、ちょっと待てよ!

 ハッブルの発見によると

 現にわれわれ人類は

 膨張する宇宙の中に

 いるんだろ?

「宇宙、始まってるだろ?」

もっともな疑問だ。

 

実は、このような矛盾が生じるのは、そもそも

宇宙に始まりがある

と仮定したからだ。

 

「純粋理性批判」において、カントは、自らの証明に

ある仮説を立てて矛盾が生じたとき、その仮説は間違いである

という論法を用いている。

 

これは数学の証明において、古くから用いられる論法であり、例えば、

「√2が有理数である」

と仮定して、論理的に話を進めていったときに、最終的に矛盾が生じた場合、最初の仮定が間違っていた、すなわち、

√2が有理数でない

(無理数である)

という結論が導かれる。

 

このような証明法を

背理法

という。

 

背理法はシンプルだが、とても強力な証明法だ。

 

実は、カントはこの背理法の論法を宇宙の始まりの考察に使っているのだ。

仮定「宇宙に始まりがある」

 ↓ 

結論「宇宙は決して始まらない」

(現に宇宙が始まっている事実と矛盾する)

このような考察を経て、カントは、

「宇宙に始まりがある」

という考えは間違いである

という結論に至ったのだ!

【まとめ】宇宙の起源は、人智を超えたところにある

さて、このように

「宇宙に始まりがある」という考えが間違いである

という結論に至ったカントだが、それでは、その逆、すなわち

宇宙に始まりがない

という考えは、真だろうか?

 

驚くべきことに、カントによれば、

「宇宙に始まりがない」という考えも間違いである

という結論が導かれる。

 

その証明については、また後の記事にゆずりたいが、結論だけを述べると、

宇宙の起源は

人智を超えたところ

にあるため

人間の理性では

決して知ることができない

というものだ。

 

これは逆にいうと、

人間の理性には

限界がある

ということだ。

 

というわけで、宇宙の起源についての、カントの結論をまとめると、次のようになる。

「宇宙に始まりがある」という考えも、「宇宙に始まりがない」という考えも、間違いである。

このような矛盾が生じるのは、宇宙の起源は、人智を超えた領域に属するからだ。

いってみれば、人間の理性には限界があるため、宇宙の起源は、人間の理性では決して知ることができない。

というわけで、次回は、カントが到達したさらに驚くべき宇宙の考察について、紹介したい。

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この記事を書いた人

重度のコミュ障のため、友達ゼロのオタク親父。初音ミクと魔法少女をこよなく愛する。

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