中国の空港でテロリストと間違われて拘束!絶望の24時間【黒歴史シリーズ】

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ!

今回は、私の黒歴史シリーズ第3弾だ。

いきなりだが、あなたは、無実の罪で誰かにあらぬ疑いをかけられた経験はないだろうか?

日本なら、日本語が通じるので、上手くすればなんとか弁解する余地もあるかもしれない。

だが、英語も通じない外国の地で同じような事態に陥ったらどうだろうか?

実は、私は、中国の空港で、テロリストと間違われ、10人以上もの中国人の警備員に囲まれて両手を拘束されたあげく、そのまま連れ去られそうになったことがある。

というわけで、今回は、中国でテロリストと間違われて拘束され、ひたすら絶望を感じ続けた私自身の黒歴史について紹介しよう。

なお、以下の話は、私にとってはいまだに生々しい黒歴史であり、過去のトラウマのフラッシュバックに悩まされ、心がえぐられるような苦しみを感じつつ、痛々しい記憶を絞り出して書いたものなので、事実関係に多少の錯誤があるかもしれない。

その点、ご承知いただいた上で、本文を読み進めてほしい。

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突然のストライキが全ての不幸の始まりだった

そもそもの不幸の始まりは、スペインへの出張を終えた後、フランス経由日本行きの航空機に乗ったときに起こった。

予定通りフランスの空港に着いた後、私の乗っていた航空機がいつまで経っても出発しないので訝しく思っていると、機長の慌ただしいアナウンスが流れてきた。

「ただいま、ストライキが発生したため、当機はフランスを発つことができません。

 したがいまして、日本行きの乗客の皆様には、別便にて案内しますので、速やかに当機から降りてください」

フランス語なまりの流暢な機長のアナウンスに機内は騒然とした。

ちなみに、海外の航空会社は、日本の航空会社と違って、ストライキの発生頻度がやたらに多い。

高給取りの日本のパイロットと違い、海外の航空業界の従業員は賃金が低く抑えられているため、賃上げを求めて従業員が積極的にストライキを行うからだ。

ところで、私が乗った航空機は、航空機の下にカメラが備えられており、ゆったりとしたフライトを楽しみながら、眼下に広がる光景をリアルタイムに楽しむことができるという、それはそれは豪勢なものだった。

だが、その一方で従業員の賃金は極限まで低く抑えられており、航空会社に対する従業員の怒りは極限にまで達していたのだ。

そして、タイミングの悪いことに、ちょうど私が乗っていた便で、たまたま従業員の怒りが爆発し、ストライキが発生したというわけだ。

不測の事態が発生したのにもかかわらず、機長や客室乗務員は、妙に落ち着き払っていた。

しかも、機長は、フランス語なまりの流暢な英語で軽いジョークを飛ばしまくる空気の読めない男で、それゆえ私は、機長や客室乗務員の奴らも絶対ストライキの共犯者だったに違いないと、今でも確信している。

突然の出来事だったが、私にとっては、ストライキによるトラブルはこれが初めてではなかった。

実は、かつてアメリカに出張に行ったときも、同じようにストライキが発生し、日系人の女性の空港係員が機転をきかせて手配してくれた別便で、なんとか目的地に到着したという体験をしていたのだ。

その際、目的地の空港に到着したのが現地時間の深夜2時で、ホテルまで見知らぬ外人と車に相乗りするハメになった。

このような経験があったため、多少の時間はかかるにせよ、別便で日本に帰れるものと、私は楽天的に考えていた。

だが、今回の別便として割り当てられた航空機は、上海行きの航空機だった。

上海行きと聞いて、私は一瞬、嫌な予感がしたのだが、そのときはあまり気にしなかった。

それより私達にとって、当面の問題は時間だった。

実は、航空会社が手配してくれた上海行きのフライトまでの時間があまりにも短かったのだ。

そのため、私は同僚達と一緒に、混乱しきった乗客の群れをかき分けて、慌ただしくカウンターに駆け寄った。

カウンターのおばさんは、機内に持ち込めるのは、バッグなどの小さい荷物だけであり、リュックなどの大きい荷物は貨物室で運ぶので、すべて預けるようにと言った。

そのとき私は、愛用のMacbook Pro(購入価格約20万円)をリュックに入れていたので一瞬迷った。

せめてMacbook Proだけでも機内に持ち込みたかったので、私はリュックを指さして、機内に持ち込みたい旨を係員のおばさんに伝えると、おばさんは、表面上はニコニコした笑みを浮かびつつも、

「めんどくせーこと、いうなや日本人! 

 テメエのせいで、後がつかえてんだよ!」

と、全く笑っていない両目で、無言の圧力をかけてきた。

ふと背後に鋭い視線を感じて、後ろを振り向くと、私の背後には、すでに何十人もの乗客達が長蛇の列をなしてイライラして待っていた

しかもそのとき、私の真後ろにいた、ふなっしーのようなおばさんと不意に目が合い、おばさんはこの世のものとは思えぬ凄まじい形相で私を睨み付けてきた。

「ま、リュックには一応、鍵もかかっているから大丈夫か・・・」

フライトまでの時間があまりに短いこともあり、私は交渉を断念して、泣く泣くMacbook Proの入ったリュックをカウンターに預け、上海行きの航空機に乗り込むことにした。

だが、そのときの私は、正直、上海空港の中国人を甘く見ていた。

そしてこれが、20万円近くした愛用のMacbook Proとの最後の別れになるとは、つゆとも思わず、私は心の底にゾワゾワした嫌な予感を感じつつも、ベルトコンベアで運ばれていくリュックを一目見るや、同僚達とともにゲートへと急いで駆けていった。

旅行鞄をゴミ袋のごとく放り投げる上海空港の係員

上海までのフライトはスムーズに運んだ。

しかしながら、私は、上海空港でまた別便に乗り換えなければならない煩わしさを感じていた。

ストライキで急遽変更されたスケジュールを確認したところ、一応、乗り換えの時間が十分にあるように思われた。

だが、私と同僚達は、思わぬアクシデントから、上海空港での荷物の受け取りで長時間の足止めを受けることになった。

上海空港に降り立った後、ガラスの向こう側に待機していた航空機の機内からせわしなく荷物を放り投げる上海空港の係員達の姿が見えた。

驚いたことに、係員達は、あたかもゴミ袋をゴミ捨て場に放り出すように、無造作に荷物を放り投げていたのだ!

その光景を見て、私は驚愕した。

「あのリュックの中には、愛用のMacbook Pro(購入価格約20万円)がああああ〜〜〜っ!!」

そんな私の悲痛な思いをあざ笑うかのように、上海空港の係員たちは、旅行客の貴重な荷物を無遠慮に放り投げ続けていた。

そして、荷物の受け取り場まで移動して、貨物室に預けていた荷物が出てくるのを待つこと数十分。

一向に待っても、ベルトコンベアが動く気配がないことに、私達はいらだちを覚えた。

「遅っせえなあ!

 全然荷物が出てこねえけど

 さっきから何をやってるんだよ?

あまりの長さにさすがに待ちくたびれたのか、あちこちから不満の声が聞こえてきた。

さらに数十分経った頃、ようやくベルトコンベアが動き出し、次々と荷物が運ばれてきた。

私は見慣れたリュックを目にし、一瞬喜んで手に取った。

だが、Macbook Proが入ってずっしりと重いはずのリュックが、なぜか軽い・・・!?

ふと、手元を見ると、強力なワイヤーカッターでも使ったかのように、リュックの鍵が、強引にねじり切られていた!!

「オオーーーーゥゥッ!!!

 ノォォォオオオオーーーゥゥッ!!」

私はショックのあまり、むせび泣くように嗚咽の叫び声をあげた

そしてこれが、20万円近くした私の愛用のMacbook Proとの無残な別れだった・・・(泣)

「積み出し作業にやたらと時間がかかっていたのは

 こういうことだったのかよ!?」

荷物の受け取りに時間がかかっていた本当の理由を知り、私達はショックを受けた。

だが、致命的だったのは、私が失ったMacbook Proには、私の個人情報も顔写真付きでしっかりと入っていた点だ!

個人情報が悪用されれば、とんでもないことになることが想像された。

ひょっとすると、今ごろ、私と同姓同名の人物が、中国人の2重スパイとして国際舞台の裏側で暗躍しているかもしれない。

そして、どこかの国のスパイと激しい銃撃戦をしたあげく、水爆とICBMの設計図をゲットしていたりして・・・。

もう一人の自分が増えたよ!

 やったね、たえちゃん!!」

んなわけねーだろっ!!

激しく絶望したっ!!

だが、その直後に、Macbook Proと個人情報を失う以上の、人生最大クラスの不幸が待ち受けているとは、そのときの私は想像さえしていなかった。

上海空港の手荷物検査でテロリストと間違えられる

荷物の受け取りに必要以上に無駄な時間をとられた私と同僚達は、急いでカウンターに向かった。

だが、そこには同じ航空機に乗っていた乗客達が長蛇の列をなしていた。

フライトまでの時間が刻一刻流れていく中、私達はようやくカウンターにたどり着いた。

だが、時計を見ると、最終リミットまであとわずか数分に迫っていた。

焦った同僚が叫ぶ。

「ちょっと、どうするんだよ!?

 スーツケースを預けている時間がないぞ! 

 この飛行機が最後なんだ! 

 この便に乗り遅れたら

 俺たちこのまま上海に取り残されるぞ!」

私たちがパニックに陥ったのはいうまでもない。

だが、このとき、カウンターの係員が機転をきかせ、ある程度のサイズなら大目に見るので、そのままスーツケースを機内にもっていっても構いませんと申し出てくれた。

ほっとしたのもつかの間、「ただし・・・」と、その係員は念を押した。

スーツケース内にワインなどが入っている場合は、機内に持ち込めないので、ワインを全部捨てるようにとのことだった。

楽しみに購入したスペイン産のワインを全部捨てろって!?

「え! ワインを捨てろって、どーゆーことだよ!?」

「そんなの聞いてねーよ!!」

「横暴だろ!」

あまりのことに、私達は怒りをあらわに抗議するも、係員は、

「それなら、あなたたちを乗せるわけにはいきません」

の一点ばりだった。

フライトまでの時間が押し迫っている中、上海に取り残されるよりはマシということで、私達は泣く泣くワインを捨てることにした。

「せっかく購入したワインなのに

 こんなところで捨ててしまうのかよ!!」

Macbook Proと個人情報の他に、お土産のスペイン産ワインまで捨てるハメになるとは・・・。

人生最悪の日とは、こういう日のことをいうのだろう。

「それじゃ、これらのワインは責任をもって処分しますので」

という係員にワインを渡しつつ、私はふと思った。

「こいつら本当に

 ワインを処分するのだろうか?

 後で自分たちで飲むつもりじゃないだろうな?」

それはともかく、このとき、貨物室に預けるはずのスーツケースを機内に持ち込もうとしたことが、後々の大騒動のもとになろうとは、思いもよらなかった。

「もう時間がない! 

 飛行機までダッシュしろ!」

そう叫ぶ同僚の声に焦り、私の前に並んでいた同僚が慌ててゲートまで駆けていく。

焦った私は、手荷物検査のベルトコンベアにスーツケースを放り込んだ。

その直後、X線画像のモニタを漫然と眺めていた係員が驚いた表情で口をあんぐりと開け、軽く口笛を吹いた。

係員「わーーーお!」

係員の声を聞いて、周囲の係員や警備員の目が一斉にX線画像に集中する。

何事かと思い、モニターのX線画像を見ると、私のスーツケースの中にショットガンのような怪しげな画像がモニターにくっきりと映っていた!

「え! なに!? 

 ショットガン!?」

突然のことに、私はパニックに陥った。

だが、係員が私のスーツケースを取り出して中身を空けると、中からショットガンがっ!!

「きゃああああああああああああああっっっ!!!」

女性の係員が恐怖に怯えて、金きり声をあげた。

その声を聞いて、何ごとかと続々と集まる群衆。

「え? いえ? 

 これは・・・その・・・」

あまりの出来事に動揺する私。

そのとき、そばにいた警備員が電光石火のごとく私の背後に回り込み、慣れた手つきで私の両腕をつかんで私を拘束した!!

ここで、不審な動きをすれば、その場で撃たれても文句はいえない状況なのは、明らかだった。

「俺の人生、こんなところで終わるのかよ!?」

ふと周囲を見回すと、10数人の係員や警備員に取り囲まれ、早口の中国語でまくしたてられたが、何をいっているのかさっぱり分からない。

だが、彼らは、私が凶悪なテロリストかハイジャック犯と思い込んでいたためか、私を怖い顔で睨み付けていた。

中国語が分からなくとも、しかるべき機関に私を引き渡すべく手配をしていることだけは、その場の雰囲気から分かった。

警備員に取り押さえられて身動きのとれない私に向かって空港の係員が近づき、私のポケットの中をまさぐったかと思うと、パスポートを取り出し、ドン!と勢いをつけてパスポートにスタンプを押した

パスポートを見ると、出国の赤いスタンプの上に

cancelled

という、無慈悲な青いスタンプが押されていた。

(↓)上海空港でパスポートに押された「cancelled」の青いスタンプ。出国取り消しのスタンプと思われる。

この無慈悲な文字を見たとき、私の頭の中は真っ白になった・・・。

「ちょ! 

 これって、もしかして・・・

 もう二度と中国から出られないってこと!?

 どーして!? ( ;゚Д゚)

 なんでこーなるのっ!!」

このとき、ふと脳裏に浮かんだのは、中国のどこともしれぬ寂れた収容所の中で懲役100年の労働にいそしんでいる自分の姿だった。

やべえ! 

このまま中国から永久に出られなくなってしまったら

楽しみにしていたアニメの続きも見られないし

ニコニコ動画の実況プレイも見られないし

アイマスもプレイできない!! 

中華製のアニメなんて、ぜんぜん萌えねーし

俺の充実したオタクライフが

こんなことで終了するのかよ!!

俺にはまだやりたい積みゲーが

たくさんあるんだよお〜〜〜っ!!

このとき、私は、オタク文化の先進国・日本に生まれ育ったことが、大変素晴らしいということに、初めて気づかされたといっても過言ではない!

中国の収容所内で

横山三国志の呂布や張飛みたいな

ガチムチのオッサンと

毎日を過ごすなんて嫌すぎる!! 

そんな人生なんて不毛すぎるだろ! 

そもそも、魔法少女アニメも

初音ミクもない国なんて耐えられねーよっ!!

だが、私は同時にこうも考えた。

そういえば

俺のこれまでの人生の思い出って

二次元ばかりだったな・・・

そんなことをつらつらと考えていると、いかにも目つきの悪い、ヤバそうな感じの男がやってきた。

私は妄想した。

まさか、中国人民解放軍!?

男は私を見るや、余裕たっぷりの中国語でまくしたてた。

謎の男

日本人のスパイを捉えたという報告を聞きました。

 ここから先は、我々中国人民解放軍の管轄です。

 クックックック・・・!(笑)」

 (以上、すべて脳内翻訳

ちょ、無理っ!! 

マジ勘弁っ!!

そのとき、私は助かりたいあまりに、冷静さを取り戻した。

「そうだ! 

 無実を証明すればいいんだ!

 日本語や中国語は通じなくても

 英語なら通じるかもしれない!」

そう考えた私は、勇気を取り戻し、私はこの怪しげな男に向かって、ひたすら英語でしゃべりまくって、身の潔白を晴らす作戦に出た。

「ノーノー! 

 イッツ・ノット・ア・ガン! 

 イッツ・ア・スパニッシュ・トーイ!

 チャイルド・キッズ・バン・バーン!」

必死のあまり、もはや英語なのか日本語なのかわけの分からない言語をひたすら叫ぶ私。

だが、私の言葉に、怪しげな男の耳がぴくりと動き、周囲の警備員を片手で制止して、何やら中国語で話した。

怪しげな男

「トーイ? 

 オー! トイニー!!」

男が発した「トイニー」という言葉を聞いて、周囲の警備員や係員が一斉に目を見合わせた。

男は係員に何やら中国語で指示した。

係員は、私のスーツケースの中にあったショットガンをおそるおそる改め、男に渡した。

男はショットガンの銃口を眺めると笑みを浮かべ、ショットガンを大きく掲げて、みんなに見えるように見せた。

一同

「おおーーーーっ!!」

そのショットガンの銃口は、完全に塞がれていた!

そう! それは、スペインのお土産屋さんで購入したおもちゃだったのだ!

(↓)これが諸悪の元凶。「風の谷のナウシカ」のクシャナ殿下の愛用品に似ていると思って惚れ込み、スペインのお土産屋さんで購入したものだ。これをいきなり空港で見せられれば、誰だってテロリストかハイジャック犯と思うに違いない。

(↓)おもちゃなので、筒先の孔はもちろん塞がっている。これを見て、警備員も私がテロリストでないと、ようやく納得してくれたのだ。

日本語が話せる係員の遅すぎる登場

私がテロリストでないことを証明でき、警備員による拘束も解かれてほっとしていたとき、私の目の前に、いかにも愛想の良さそうに微笑む中国人の係員が現れた。

「こんばんわ〜!(笑)

 このたびは、どーも申し訳ございませんでした〜!(笑)

 いろいろと大変でしたね〜!(笑)」

は? 日本語?

てか、日本語を話せる係員いたのかよっ!?

日本語がうますぎるので、係員に詳しく話をきいてみると、日本の大学に留学していたため、日本語がペラペラだそうだ。

日本語を話せる係員がいるなら

最初から出せよっ!!

それはともかく、日本語の堪能な係員に、私は捨てられたワインを取り返してもらうようにお願いした。

係員から「処分する」と言われたワインを今さら取り返すなど、到底無理なお願いだと思っていたのだが、驚いたことに、係員はワインの入ったバッグをどこからか持参してきて、あっさりと返してくれた。

「このワインですね〜!(笑) 

 全部お返ししますね〜!(笑)」

ちょ! 

処分したんじゃなかったのかよ!?

やっぱり後で飲むつもりだったんだろっ!

激しく絶望したっ!!

苦難は続くどこまでも・・・

だが、テロリストという誤解もとれただけでなく、ワインも取り返せた私の気分は悪くはなかった。

「ああ、ようやく日本に帰れる! 

 これで中国とはおさらばだ!」

だが、喜ぶ私に対し、日本言の流暢な係員は、にこやかな笑みを浮かべながら、こういった。

「あ〜そうそう!(笑)

 申し訳ありませんが、

 今日のフライトは全て終了しました!(笑)

は? どーゆーこと?

腕時計を見ると、とっくの昔に、

最終便の時刻が過ぎていた・・・

「申し訳ありませんが

 明日のチケットを手配しておきますので

 今夜はこれでお引き取りください(笑)

 あ、そうそう〜!(笑)

 最近、夜の上海は物騒なので

 くれぐれも、ご注意下さいね〜!(笑)」

げっ!!

明日の朝まで

上海で過ごすのかよ!? 

というか、ホテルの予約

全然してねーぞ!

もうマジ勘弁っ!!

というわけで、まだまだ苦難はつづくのであった・・・。

深夜、中国の怪しげなホテルに拉致される

日本語の流暢な係員から見捨てられ、上海空港で一人途方に暮れていると、怪しげな太った中国人のオッサンが近づいてきた。

「ヘイ、ユー! 

 ジャパニーズ!

 ステイ・ホテル? 

 ライト?」

やべえ! 

変なオッサンに目をつけられてしまったよ!

戸惑う私に構わず、オッサンは話を続けた。

「アイ・ノウ・ベリーナイス・ホーテール! 

 カム・ヒアー!」

どうやら、いいホテルがあるらしい。

このまま上海空港で夜を明かせば、寝ている間に荷物をとられるハメになるかもしれない。

それを考えると、ホテルで夜をすごしたほうが安全だろう。

それに、ヤバそうになれば、いつでも逃げればいい。

何より英語が通じる人間がいるのが心強い。

そう思って、オッサンに着いていくと、

目の前には謎の三輪自動車が!!

なぜ、いまどき

三輪自動車なんだよ!?

三輪車の運転席には、頬のこけた別のオッサンが待機していた。

不審に思いつつ、助手席に乗ろうとすると、オッサンは顔を真っ赤にして、いきなり怒りだした。

「ノー! ノー! 

 ユー・ノット・ゼアー!

 ドライブルーム・イズ・オンリー・ワンパーソン!」

ワンパーソン?

よく見ると、頬のこけたオッサン一人で、狭い運転席はほぼ満席だった。

こんなクソ狭い車に乗れるわけねーだろっ!!

そう思って戸惑う私に、太ったオッサンが上を指さして大声で叫んだ。

 「カム・アップ・ヒアーーー!

  ライド・アーーップ!」

荷台の上に載れと!?

マジ!?

太ったオッサンが荷台の上に飛び乗り、私に向かって手をこまねいた。

このままどこか見知らぬ場所まで

拉致されるんじゃ・・・!?

だが、すでに周囲は真っ暗になっており、このオッサンに見捨てられたら最後、上海のただ中で行き場を失ってしまう可能性があった。

仕方なく、私は三輪車の荷台の上に載った。

真っ暗闇で何も見えない中を進むこと約30分・・・

このまま人身売買市場のような怪しい場所に連れて行かれるのでは!?という不安を抱えていたが、オッサンのいうとおり、上海なんとかホテルの前に三輪車が止まった。

「ゴー・ダウン!

 ホテル・ヒアー!

   ウェルカム・トゥー・アワー・ホーテール!」

にこやかに微笑む太ったオッサンに見送られつつ、上海なんとかホテル内に入った。

だが、そこは、反日の牙城ともいえる恐るべきアンチ日本人ホテルだった・・・。

上海の某反日ホテルで恐怖に震える

ホテル内に入ると、深夜だったためか、私の他に旅行客らしき人は一人もいなかった。

私の姿をめざとく見つけて、いかにも怪しげな男(ボーイ)が迎えにきた。

「メイ・アイ・ヘルプ・ユー?

 プリーズ・カム・ヒアー!」

なんか、ヤバいところに来てしまった!?

ボーイに案内されるままに、チェックインカウンターまで進むと、いかにも偉そうな人(支配人?)が笑みを浮かべて待っていた。

支配人は、早口の英語で機関銃のようにまくしたてて説明した。

何いってんのか、早すぎてわかんねーよ!

そして、最後に

「プリーズ・デポジット!

 ワン・ハンドレッド・ダラー!」

といって、これ見よがしに手を差し出した。

ワン・ハンドレッド・ダラー!?

物価の安い中国なのに、一晩の宿泊でそんなに預けないといけないのかよ!?

私は思わず、抗議の意味で1ドルを差し出した。

すると、突然、後ろにいたボーイの男が大声で笑い出した。

「あーーーはっはっはっはっ!!(笑)」

?????

何かのジョークと思ったのだろうか?

私は、100ドルは高すぎると抗議すると、支配人はわざと周囲に聞こえるように大きなため息をついて、

「イッツ・アワー・ホテルズ・ルール!

 ユー・ウォントゥー・チェックアウト?」

というと、また、ボーイが大声で笑い転げ、その様子を見ていた他の従業員達も一斉に笑い出した。

なんだよ、このホテルは?

なんでこんなに

お客に敵対的なんだよ!?

こんな超絶に雰囲気の悪いホテル、こちらから出て行きたいのはやまやまだったが、ホテルの外は漆黒の闇の中だ。

上海空港から約30分の辺鄙なホテルを追い出されたらなすすべもない。

仕方なく、私は100ドルを泣く泣く支配人に預けることにした。

私が案内された部屋は、なんと一人で泊まるには豪勢すぎるダブルルームだった。

そういえば、あの支配人、機関銃のような英語で一方的にまくしたてるだけで、シングルかダブルか、全然選ばせてくれなかった・・・

やっぱ、ここって

ぼったくりホテルじゃん!?

激しく絶望したっ!!

こういうホテルって、やっぱ軍とか共産党に盗聴されているのかなあ?

そう思った私は、あるかもしれない盗聴器に向けて、

「ビバ! 

 マオ・ツォートン

(毛沢東)!」

と、中国の偉い人への賞賛の言葉を惜しみなくテキトーに呟きつつ、部屋の中を見回してみた。

そして、何か貴重な情報が得られるかもしれないと思い立ち、リモコンを手に取ってテレビをつけた。

すると、画面に中国のドラマが映し出された。

どんなドラマかと興味をもって見てみると、

旧日本軍の軍服を着た

いかつい将校が怒鳴り声をあげて

中国の善良な村人達に

日本刀を大上段に振りかざして

暴力を振るっている光景

が画面いっぱいに映し出された。

これがさっきのロビーでの

殺伐とした雰囲気の元凶かよ!?

激しく絶望したっ!!

たった一枚の写真が命取りになることも!?

翌日、ホテルをチェックアウトすると、再び三輪自動車の荷台に乗って上海空港まで移動した。

昨夜は真っ暗で見えなかったが、周囲の景色を見ると、見渡す限りの畑が広がっていた。

1960年代の日本の田舎という感じだろうか?

こんなところで放り出されたらもう帰れねーよ!

そう思いつつ、上海空港につく。

カウンターにて、チケットを手配してもらい、航空機に乗り込む。

記念写真を撮ろうと、私は空港にカメラを向けた。

そのとき、いきなり隣の席に座っていた日本の商社マン風のおっちゃんに制止された。

「ダメダメ! こんなところで写真を撮っちゃ!

 あんた捕まるよ!

 軍の施設なんかもあるかもしれないんだから!」

え! そーなの!?

そのとき聞いた商社マンのおっちゃんの話によると、ここ最近、写真一枚を撮っただけで、スパイと間違えられて中国当局に拘束されたまま、日本に帰ってこない日本人が何人もいるそうだ!

写真一枚撮っただけで日本に帰ってこられないって・・・。

中国マジこえーよっ!!

もーいやっ!

こんな国っ!

【後日談】ぼっちはつらいよ

航空機は日本に向けて出発し、私は無事脱出することができた。

日本の空港に到着したのは、土曜日の夜だった。

上海空港で警備員に拘束されたのは金曜日の夜だったため、ほぼ24時間にわたって絶望感を味わい続けたことになる。

ここで、次のような疑問を抱く人もいるかもしれない。

「おまえさ、スマホか何かもってたんだろ?

 それなら、なんで日本にメールしなかったの?」

その疑問はもっともだ!

もちろん、日本人への憎しみが充満する夜の上海でただ一人孤立した私は、無駄に広いホテルの一室で必死で助けを求めるメールを打ち、空港で置いてけぼりにされた日本の同僚達に連絡した。

だが、どういうわけか、誰一人として返事が来なかったのだ!!

そのときは、てっきり電波障害か何かでメールが届かなかったのだと思っていたのだが、月曜日に出勤したとき、真相が明らかになった。

なんと、月曜日に私から話を聞くまで、私の同僚達は、誰一人として、私が中国に一人置き去りにされたことを知らなかったそうだ(震え声)

彼らは、日本の空港に着くや否や、私が一足先に帰ったものと思い込んでいたらしい・・・。

私が中国の空港でテロリストと間違われて

10数人もの中国人の警備員や係員に囲まれて拘束され

深夜の上海のホテルでただ一人置き去りにされ

偏見まっしぐらの抗日ドラマを見て恐怖に怯えている間

彼らは旅行後に風呂に入ってビールを飲みまくり

ゆったりとバカンスをエンジョイしていたのだっ!!

要するに、

私の存在は完全に

忘れ去られていたのだ(泣)

これぞ、ぼっちの宿命・・・

激しく絶望したっ!!

もーいやっ!

こんな国っ! 

というわけで、キミたちも中国に旅行に行くときは、くれぐれも間違って怪しげなオタグッズや同人誌などを持ち込んで空港で拘束されないように注意して、充実したオタクライフを存分に満喫してほしい!

オタクパパより愛を込めて!

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