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中国でテロリストに認定され、十数人の警備員に囲まれて拘束された話【その4】

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ!

 

前回、上海空港でテロリストに認定されて、十数人の警備員に拘束されたものの、一転して無実が証明され、どん底の絶望から無事解放された話をした。

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今回は、その続きだ。

日本語が通じる空港職員の登場

警備員からようやく拘束を解かれた後、私は警備員から空港の待合室で待機するように指示された。

 

しばらくすると、いかにも愛想の良さそうな微笑を浮かべる中国人の職員が現れた。

「こんばんわ〜!(笑)

 このたびは

 どうも申し訳

 ございません

 でした〜!(笑)

 

 いろいろと大変

 でしたね〜!(笑)」

驚くほど流ちょうな日本語を聞いて、私はしばし茫然とした。

は・・・? 

日本語?

日本語を話せる

職員がいたのかよ!?

あまりにも流ちょうな日本語を話すので、職員に詳しく話をきいてみたところ、日本語が堪能な両親のもとで育ったので、彼自身も自然と日本語を覚えたそうだ。

「え? でも、

 あなたの両親って

 あなたと同じ中国人

 なんですよね?」

と聞くと、彼は

「ええ・・・

と言ったきり、それ以上質問に答えることなく、ただただ微笑を浮かべていた。

(あ、これ以上

 突っこんだら

 歴史の闇

 に触れそうで

 ヤバい・・・!)

そう思った私は、それ以上、突っこむことはやめにした。

 

その一方で、

これだけ上手な

日本語を話せる

中国人がいるなら

最初からこの人が

出てきて通訳しくれたら

テロリストに認定

されずに済んだ

んじゃねーか!?

とも思ったのも事実だ。

 

心のうちでモヤモヤする私の微妙な表情を察したのか、職員が尋ねた。

「何か不都合なことは

 ありません

 でしたか?」

ありすぎて

絶望したわ!

それはともかく、日本語の堪能な職員が出てきたことを幸いに、私は盗まれたMacbook Proを取り返してもらえないか、お願いすることにした。

「うーん

 ノートパソコンを

 盗まれたんですか?

 パソコンの型番は

 分かりますか?」

型番なんて

いちいち

覚えてねーよ!

私が型番を覚えていない旨を伝えると、職員は、

「型番が分からない

 ようなら

 取り返すのは

 難しいですね・・・

と難しい表情をした。

「そんな!

 

 Apple社製の

 ノートパソコンで

 Macbook Proと

 いうんです!

 

 リンゴのマークが

 ついているので

 すぐに分かると

 思います」

私は必死で職員に説明した。

 

だが、彼は、

「は? 

 アップル?

 マック?

 なにそれ?」

というように、理解不能な顔をして、まったく話がかみ合わなかった。

え? ひょっとして

中国人はAppleも

Macも知らないの?

マジ?

私は、彼がAppleもMacも知らないことに衝撃を覚えた。

 

どういうことなんだよ?

 

これが中国の情報統制ってヤツなのか?

 

AppleもMacも知らない職員に説明してもラチがあかないので、悔しいが、盗まれたMacbook Proのことは諦めることにした。

 

だが、せめて空港で没収されたワインだけでも取り返したいと思った私は、職員に没収されたワインを返してもらうようにお願いした。

 

もっとも、空港カウンターの係員から

「ワインは私どもが

 責任をもって

 処分します」

といわれたことから、もうすでに破棄されてしまっているのではないかと、内心も諦めていた。

(ま、ダメでもともと

 

 もう処分されている

 かもしれないけど

 

 とりあえず言うだけ

 言ってみるか・・・)

だが、驚いたことに、職員は笑いながらあっさりと答えた。

「ああ、高級ワインなら

 係員の部屋にたくさん

 保管されて

 いましたよ!

へ・・・? 

廃棄されたはずの

高級ワインがまだ

大量に保管されて

いるって・・・?

唖然とする私を尻目に、職員は、

「ちょっと待ってて

 くださいね」

といって、係員の部屋に入っていった。

 

そして、しばらくすると、没取された高級ワインが大量に入ったバッグを両手にたくさん抱えて帰ってきた。

「このワインですか?

 そっくりそのまま

 全部ありましたよ!

ちょ・・・!!

ワインを全部

処分したんじゃ

なかったのかよ!?

そのとき、私の脳内で、ワインを没収する際の、空港係員の不自然な笑顔が、出﨑 統のアニメのごとく3回フラッシュバックした。

やっぱり自分たちで

飲むつもりだったのかよ?

はげしく

絶望した!

深夜の上海にたった一人取り残され、絶望する

盗まれたMacbook Proを取り返すことはできなかったが、テロリストという誤解がとれ、また、同僚の分も含めて高級ワインをすべて取り返すことができたので、私の気分はまんざら悪くもなかった。

「ああ!

 これでようやく

 日本に帰れる!

 

 これで中国とは

 永遠におさらばだ!」

だが、そんな私を冷やかすかのように、職員がにこやかな笑みを浮かべながらいった。

「あ〜そうそう!

 言い忘れていましたが

 

今日の日本行きの

フライトは

全て終了

しました!

「え・・・

 全て終了って?」

反射的に腕時計を見ると、とっくの昔に、

深夜

になっていた!!

 

同情するような表情を浮かべて、職員がいった。

「申し訳ございません

 

 ですが、安心して

 ください!

 

 代わりに、明日の便を

 手配しておきました

 

 というわけで

 今夜はこれで

 お引き取りください」

職員の言葉を聞いて、私が茫然自失したのはいうまでもない。

げっ!!

明日の朝まで

上海で過ごすのかよ!? 

というか、

ホテルの予約

全然してねーよ!

絶望する私に、職員が思い出したように付け加えた。

「あ、そうそう!

 

 ここ最近、

 夜の上海は

 大変物騒

 です!

 

 なので、

 くれぐれも

 ご注意下さいね〜!」

深夜の上海で

ホテルの予約もなしに

どうやって過ごせ

っていうんだよ!

もうマジ

勘弁っ!!

というわけで、

まだまだ

苦難はつづく

のであった・・・。

深夜の上海空港で怪しげな中国人に拉致される

日本語の流暢な職員から無残に突き放された私は、深夜の上海空港でただ一人、途方に暮れていた。

「やべえよっ!!

 

 もう店をあらかた

 閉まっているし

 

 ホテルの予約も

 終了してるし

 

 これからどうしたら

 いいんだよ!?」

頭をかきむしりながら、絶望していたとき。

 

いかにも怪しそうな、太った中国人のオッサンが親しそうな笑みを浮かべて、私に近づいてきた。

「Hey! You!

 Are you Japanese?

 (おい、おまえ日本人か?)

 You want to

 stay hotel?

 Right?」

 (ホテルに泊まりたい

  んだろ?)

やべえ!

変なオッサンに

目をつけられて

しまったよ!!

戸惑う私に構わず、オッサンは下手くそな発音の英語でしゃべりつづけた。

「I know a very,

 very nice hotel!

(すげえいいホテルを

 知ってるぜ!

   Come here!」

(来いよ!

どうやら、いいホテルがあるらしい。

 

私は思案した。

 

このまま、上海空港で夜を明かしたら、どんな目に遭わされるだろうか?

 

そもそも、白昼堂々、鍵を強引に壊してMacbook Proを盗む連中がいるようなところだ。

 

寝ている間に貴重品などを取られるハメになるかもしれない。

 

いや、それどころか、最悪の場合、

命の危険

だってあるかもしれない!

 

そう考えると、ホテルで夜をすごしたほうが、はるかに安全だろう。

 

何より、中国語と日本語がまったく通じない状況において、少なくとも英語が通じる相手がいるのは、とても心強かった。

 

そう思い、私は、怪しげな中国人のオッサンについていくことにした。

 

オッサンの後を追うように、真っ暗の道をしばらく歩いていくと、オッサンが立ち止まって指さした。

「Ride on that car!

 (あの車に乗れ!

 Hotel is near here!」

 (ホテルはすぐ近くだ!

オッサンの指さした方向を見ると、目の前には、

謎の三輪

自動車がっ!

なんで今どき

三輪自動車

なんだよ!?

怪しすぎる

だろっ!!

そう思って、三輪車の運転席を見ると、ラフなTシャツを着た、痩せこけた中国人の運転手がハンドルを握って待機していた。

 

不審に思いつつ、三輪自動車の扉を開けて助手席に乗ろうとすると、怪しげなオッサンは、顔を真っ赤にして、いきなり怒りだした。

「No! No! 

 (ちがうちがう!

 You are not there!

 (おまえはそこじゃない!

    Driver’s seat is for

    only one person!

 (運転席は1人用だ!

は・・・?

ワンパーソン?

よく見ると、三輪自動車の運転席はかなり狭く、痩せこけた運転手一人でいっぱいいっぱいだった。

こんな

クソ狭い車に

乗れるわけ

ねーだろっ!!

そう思って不審に思う私に、怪しげなオッサンが車の後方の荷台を指さして叫んだ。

「Get up there!

 (そこにのぼれ!

    Ride up!

 (上に乗れ!

そういって、怪しげオッサンが三輪自動車の荷台の上に飛び乗り、私に向かって手をこまねいた。

「Come on!」

 (来い!

は・・・?

荷台の上に

のれって?

マジ!?

(やべえ!?

 このままどこか

 見知らぬ場所に

 拉致されるんじゃ

 ・・・!?)

やっぱり帰ろうと思って、あたりを見渡すと、すでに

周囲は真っ暗

になっていた。

げげぇっ!?

見知らぬ土地の真っ暗闇を目の当たりにした私は、とんでもないところに放り出されたことに、いまさらながら恐怖した。

 

オッサンを見上げると、いつまで経っても三輪自動車に乗ろうとしない私に、業を煮やした顔つきをしていた。

(ちょ・・・!?

 このオッサンに

 見捨てられたら最後

 上海で行き場を

 見失ってそのまま

 のたれ死んで

 しまうんじゃ!?)

いいようもしれない恐怖感がおそってきた私は、やむを得ず、三輪自動車の荷台の上に載ることにした。

 

荷台の上に私がのったのを確認して、オッサンが言った。

「OK!

   We are ready!

(よし、いいぞ!

   Let’s go!」

(発車しろ!

オッサンの指示を受けて、運転手が三輪自動車を発進させた。

 

暗闇の中をひたすら走る三輪自動車の荷台の上で、三角座りをしながら、私はふと思った。

「そういえばオレ・・・

 なんでこんな

 深夜の上海で

 

 怪しげな中国人の

 オッサンと二人

 三輪自動車の

 荷台の上で相乗り

 してるんだろ・・・

 

 いったいどこで人生を

 間違えたんだ?

三輪自動車で見知らぬ深夜の田舎道をひたすら走る恐怖に怯える

その後、真っ暗闇で何も見えない道路を進むこと

約40分

あまりに時間がかかるので、

「このまま

 怪しい場所に

 連れて行かれる

 のかよ!?」

という恐怖がしだいに芽生えてきた。

 

そのとき、三輪自動車が急ブレーキをかけた。

 

半ばうつらうつら眠りかけていた私は、何事かとあわてて荷台の外を見た。

「Hey!

   We arrived!

(おい、ついたぞ!

   Our hotel is over there!

(ホテルはあっちだ!)

   Get down!

(降りろ!)

オッサンに急かされて、私は、三輪自動車の荷台から飛び降りた。

「Welcome to

    our hotel!」

(私たちのホテルにようこそ!

三輪自動車から降りた私は、目の前のホテルを見上げて、唖然とした。

 

そう!

それは、

超ボロい

ホテル

だった・・・!!

もうマジ

勘弁っ!!

(第5話につづく)

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オタクパパより愛を込めて!

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この記事を書いた人

重度のコミュ障のため、友達ゼロのオタク親父。初音ミクと魔法少女をこよなく愛する。

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