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優等生・オタクとヤンキーとの友情はリアルにありうるか?【リアル黒歴史】

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ。

 

前回、少女マンガ「坂道のアポロン」(小玉ユキ)の紹介記事において、学年一の優等生と学年一のワルとの間の友情についてとりあげた。

しかし、フィクションの世界ではなく、リアルの世界で優等生とヤンキー(不良)との間に熱い友情が芽生えるなどということが果たしてありうるのだろうか?

「そんなマンガみたいな話、リアルにあるわけねーだろ!」

「オッサン、少女漫画の読み過ぎだよ!」

昔、ヤンキーに酷い目に遭わされた苦い経験のある優等生やオタクなら、そのような感想を抱く者が多いとしても、不思議はないのかもしれない。

 

だが、「坂道のアポロン」のような優等生と不良との間の友情物語はあながちフィクションでもない。

なぜなら、前回、余談で少し書いたように、かつて私は、複数の学校を制覇した総番、すなわち、大番長と普通に会話する仲だったという黒歴史があるからだ!

 

というわけで、今回は私の実体験をもとに、優等生(オタク)とヤンキーとの間の友情がフィクションではなく、リアルにありうるということを語ってみたい。

 

なお、以下の話は、私にとっては、消し去ってしまいたい黒歴史であるため、思い出すたびに、心がえぐられるようなトラウマに悩まされながら書いたものだ。

それゆえ、一部、PTSD注1)による記憶違いがあるかもしれないので、その辺はご容赦願いたい。

*注1:PTSD
PTSDとは、Post Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)の略で、強い精神的衝撃を受けたことが原因となって、時間が経過した後も、その経験がトラウマとなって、強い恐怖や無力感を感じる症状だ。

優等生と不良が同じ高校に通うようになったわけ

ところで、優等生とヤンキーとの友情というと、たいてい次のような反論が返ってくるかもしれない。

「義務教育の小学校や中学校ならともかく、義務教育でもなく、入学試験でレベル分けされる高校で、優等生と不良が同じ学校になることなんて、そもそもありえねーよ!」

それゆえ、優等生と不良との友情はフィクションでしか存在しえない。

なるほど、もっともな反論だ!

 

だが、それはあくまで、学力で高校を自由に選べる地域に住んでいる人の意見だ。

不幸なことに、私の住んでいた地域では、そのような選択の自由がなかった。

なぜなら、当時、私の住んでいた地域では、絶大な権力をもった市長の強い意向により、市民の子供はみな、地元の高校に行くように奨励されていたからだ!

 

いま、「奨励」と書いたが、事実上はほとんど「強制」だった。

なぜなら、進路相談の際、担任の先生は何かあればすぐに、内申書をちらつかせて、

「地元の高校へ行け!」

の一点張りで、生徒の言葉など聞く耳もたなかったからだ。

 

いま思えば、教師にとっては、市長の方針に従うかどうかが、そのまま自身の評価につながっていたのかもしれない。

市長の方針に従えば加点、従わなければ減点。

それほど、当時の私の住む地域での市長の権力は絶大だったのだ。

ところで、中学生当時の私は、以前このブログでもとりあげたオタク流記憶術をマスターしていたため、暗記は得意中の得意だった。

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そのため、当時の私は、アニメやマンガにどっぷり浸かったオタ充ライフを毎日満喫しつつも、テストで90点〜100点は普通にとっていたので、学年の成績はなぜか良かった。

もちろん、全国模試の成績もそれなりに良かったので、私の両親は大いに喜んで、当然私がそれなりの高校に行くものと信じていた。

だが、進路相談の際に、突如目の前にはだかったのが、市長の悪しき政策だった。

 

実際、全クラスに徹底された、

「地元の高校に行け」

という、担任の教師の頑とした方針に納得がいかず、私の両親が学校までわざわざ直談判しに行ったこともあった。

 

だが、不運なことに、その当時の私は、担任の教師とは、超絶に相性が悪かった

当時の私は、格別授業に熱心でもなく、どちらかというと遊んでばかりな割に、なぜか成績がよかったので、正直、担任の教師からあまり良い印象をもたれていなかったのだろう。

そのため、何度両親と直談判に行っても、担任の教師は、頑として方針を変えず、

他の生徒は、みな地元の高校に行くのに、あなたの息子さんだけ特別扱いするわけにはいきませんね。それに、いくら成績が良くても、真面目に授業を受けていないのは問題だと思いますよ」

といって、逆に「伝家の宝刀」ともいえる内申書をちらつかせ、私の両親を怒らせることも何度もあったほどだ。

 

そのうち、学校の教師や市長の文句をいうばかりの両親との会話や、担任の教師との不毛なやりとりが面倒くさくなってきた私は、何もかもが嫌になってしまい、結局、しぶしぶ地元の高校に行くことを承諾した。

もちろん、そのときの私の心は、ひたすらブルーだったのはいうまでもない。

いま考えると、あれだけ自由な選択というものを否定する酷い教師もいなかったように思う。

 

「進撃の巨人」に出てくる巨人のような、圧倒的なまでの絶対権力を相手に、無力な中学生がどうこうできる問題ではなかったのだ。

 

もちろん、この市長の悪しき政策は、その後すぐに市民の圧倒的な反対にあって廃止され、史上最悪の市長として市民の間で悪名を留めることになったのは、いうまでもない。

そう、たまたま私の生まれたタイミングが悪かっただけなのだ。

天と地が混ぜ合わさってカオス化した高校生活

「地元の高校へ行け!」の市長のかけ声のもと、当然私が入学した高校に集まった生徒は、まさしく上から下までピンキリだった。

 

下を見ると、アダルトな本を白昼堂々と学校に持ち込んで開き、授業中に先生に取り上げられるへらへら男とか、若くて美人の教育実習生にも速攻で絡む見境のないナンパ男、毎日ゴツいバイクに乗って学校に通ってくるゴツい兄ちゃんなどがいた。

 

一方、上を見ると、自作のソフトウェアを開発して企業に売りつけてガッポリ儲けるビルゲイツの卵のような天才少年プログラマーみたいなのがいた。

 

また、どこぞのお嬢さまが高校の門前まで高級車(ベンツ?)でがわざわざ通ってきて、その様子をリアルに目撃したクラスメートが興奮した様子で、

「おい! 高校の門前まで高級車で通ってくる金持ちの女がオレたちの高校にいるらしいぜ!」

と報告するような、なんだかよく分からない高校だった。

要するに、真面目な生徒と不真面目な生徒が混在する、天と地が混ぜ合わさってカオス化したような学校だったのだ!

 

ひと言で言うなら、

いったい、どこのギャルゲーの高校だよ!?

という感じの高校で、いま思えば、まさしくこのギャルゲー化した高校こそ、市長が望んでいた理想の高校(震え声)ったのかもしれない。

 

だが、絶対権力に阻まれて、希望の高校に行けなかった私は、絶望感で目が死んだような毎日を送っていた。

こういう状態を、あの花の主人公状態(*注2)というのだろうか?

*注2:宿海 仁太(やどみ じんた)
アニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」(あの花)の主人公。通称じんたん。

高校受験の失敗により、地区内でも底辺レベルの高校に入学したトラウマから、不登校になって引きこもりでゲームばかりをする半ヒキニート生活を送っていた。

しかしながら、根が真面目な私は、じんたんのように、学校を無断欠席するという発想がそもそもなかったため、めんまのような可愛い幼馴染みの幽霊にも出会うこともなく、授業時間以外はひたすら机の上に突っ伏して、寝たふりをしてやり過ごすだけの、むなしい日々を過ごしていた。

 

そんなとき、突然私の目の前に現れたのが、大番長だったのだ!

テストの点数で因縁をつけてきた謎のインテリ大番長

ある日、クラスでただ一人100点をとって、クラスメートの面前で先生に褒められるという出来事があった。

先生が去った後、クラスメート達が私の周囲に群がり、次々と賞賛の言葉を投げかけてくる中、突然、

「おまえ、カンニングしただろ!」

と、怒りを露わにして突っかかってきたのが、大番長だった。

 

大番長は、激しい剣幕で私の胸ぐらを乱暴につかむと、こう言い放った。

「あんな難しいテストで100点なんてとれるわけないだろ! 堂々とカンニングしやがって! フザケンな! オレはな、お前みたいな卑怯な奴が何よりも嫌いなんだよ!」

仁王のようなものすごい形相で、私を睨み付ける姿に、周囲のクラスメート達がたじたじになって後ずさったのは言うまでもない。

 

ところで、番長というと、通常は、ボロボロの学ランに学生帽、ゲタを履いた下のようなバンカラなイメージがあるかもしれない。

だが、私に突っかかってきたのは、このような昔ながらのバンカラ番長タイプではなく、どちらかといえば、インテリ番長とでもいうべき存在だった。

というのも、私のいたクラスは、高校の中でも理系・医歯薬系志望の人間だけが集まる、選りすぐりのクラスだったからだ。

 

だが、その男は、ケンカも強い上に、勉強もでき、しかもワイルドなイケメンという、まるで本宮ひろしのマンガの世界から抜け出したような男だったのだ!

 

実は、このときはまだ知らなかったのだが、他の不良グループが大番長の噂話をしているのをたまたま聞いたとき、この大番長は、中学生の頃、周辺の中学校の番長達と果たし合いをしたあげく、それらの番長を喧嘩で打ち負かして支配した、伝説の総番(大番長)だったそうだ。

なんでそんな奴がウチの高校にいるんだよ!?

と思ったが、高級車でわざわざ高校の門前まで通うお嬢様がいるくらいだ。

ギャルゲー化した高校ならそれくらい珍しいことではないのかもしれない。

そのお嬢様の執事の名前が仮に「セバスチャン」(*注3)だったとしても、当時の私は驚かなっただろう。

*注3:セバスチャン
伝説のビジュアルノベル「To Heart」のお嬢様、来栖川芹香(くるすがわ せりか)の執事・長瀬源四郎のニックネーム。戦後の混乱期にストリートファイターに明け暮れていた紳士である。

しかし、この大番長(厳密には、元大番長)、ケンカでも何でも一番にならないと気が済まない性格らしく、その日以来、テストで100点をとった私を目の敵にし、

「オレも100点をとる!」

とばかりに、テスト前になると眼鏡をかけて、なりふり構わずに一心不乱に勉強するという、元大番長らしからぬガリ勉ぶりだった。

 

その様子は、大番長というよりもむしろ、インテリヤクザといったほうがふさわしいかもしれない。

だが、私と大番長の仲がめちゃくちゃ悪かったというと、決してそうでもなく、大番長は、私の席の前に陣取っては、

「最近、このアニメにはまってるんだ! 主人公の女の子、滅茶苦茶可愛いよな?(激しく同意を求めてくる感じ)」

なんて話をするのだ。

かつて、かつて周辺の学校の番長をケンカで打ち負かした総番ともあろう者がだ!

 

また、マンガ雑誌をもってきて、私に見せ、

「このマンガがすげー面白いんだぜ!」

などと延々と語るのだった。

いま思えば、大番長の仲間(手下?)であるヤンキー達には、大番長が愛する可愛い二次元女の子キャラが出てくるアニメやマンガの面白さが理解できる話相手がいなかったのかもしれない。

当時はまだ、二次元キャラに萌える男はマイナーというか、レアな存在だったのだ!

大番長が去っていった後、周囲のクラスメートが怯えた様子で、

「おまえ、アイツとフツーに話しているけど、怖くねーの? 

 おまえ、ひ弱そうに見えるけど、ひょっとして、裏番?」

と、さんざん不思議がられたのは言うまでもない。

大番長からの怒りの忠告

そんなある日、私のクラスに中学からの旧友とでもいうべき、懐かしいオタク友達がやってきた。

 

その友人は、獣医の息子で金持ちだったためか、中学一年生の頃からかなり高価なパソコンを持っていて、珍しいPCゲーム(健全な洋ゲー)を一緒にプレイした仲なのだ。

しかも、中学生当時、彼は放送部に入っていて、私のリクエストに応えて、昼休みにオタク受けのする曲をかけてくれた勇者でもある。

 

金持ちで頭のいい友人のことだから、私はてっきり彼が他の高校へ行っていたものと思っていたが、やはり市長の絶対権力には勝てなかったのか、同じ高校に通うハメになっていた。

だが、その友人とは、高校に入ってから同じクラスになることはなく、久しぶりに会った彼はすっかり変貌していた。

 

なんというか、まだ若い男なのに、顔の前面に無造作に縮れた髪の毛がかかった貞子のような長髪になっていたのだ。

しかも、眼鏡をかけているので、その姿はほとんど若き日の宅八郎のようだった。

そのため、まわりのクラスメートは、教室の中に入ってきた彼の姿を見るなり、

「なにこのキモイ男!?」

というような、嫌悪感あふれる目をして、半ば反射的に固まってしまったほどだった。

 

そのときの印象が、あまりに強烈だったためか、その友人と何の会話をしたのかすっかり忘れてしまったが、

「あれ? おまえ理系だったの?」

「おまえ文系かよ! 獣医になるんじゃなかったのかよ!」

というような話をしていたように思う。

 

だが、驚いたのはその後だ!

オタク臭を周囲にプンプンと発散させるその友人が教室を出て行くなり、いきなり大番長がズカズカと私の席まで駆けてきて、私の肩を鷲づかみにすると、

「おい! お前! あんなキモチ悪い男と知り合いなのかよ!」

と、真剣に心配されたのだ!

なかば青ざめた大番長の顔色に驚き、

「いや、アイツ、あれでも中学時代からの友達だから・・・」

というと、

アレはヤバいぞっ!!

と、大番長は何か恐ろしい、得体の知れないクリーチャーでも見てしまったかのような充血した目つきで、わなわなと唇を震わせながら、即刻、彼と縁を切るように必死で私を説得してくるほどだった。

思えばそのとき、大番長のSAN値(正気度)はゼロになりかかっていたのかもしれない。

 

今のさわやかなイケメンも多い、健全なオタクのイメージからはまるで想像もつかないかもしれないが、当時のオタクには、大番長でさえも恐怖でビビってしまうほどの負のイメージがあったのだ!

マスゴミの洗脳パワー、まさに恐るべしである。

コミュ障オタク、修学旅行で大番長に救済される

ところで、私は子供の頃から重度のコミュ障だったためか、班分けなどの際に、必ず孤立してしまうというトラウマがある。

 

そのため、その当時の私は、修学旅行の班分けで孤立した経験をもつ湯川秀樹博士の黒歴史のエピソードや、ユダヤ人であるゆえに学校で孤立していたアインシュタイン、コミュ障で苛められていたマクスウェルなどの、過去の偉大なるコミュ障男達のエピソードを読んでは、私も将来、彼らのような立派なコミュ障になろうと決意して理系を選んだほどだった。

 

当然、高校時代の修学旅行は、コミュ障の私にとっては憂鬱の種だった。

コミュ障のためにクラスメートから無碍にハブられるのではないかという恐怖があったからだ。

 

実際、修学旅行の班分けでは、周囲のクラスメートからよそよそしい目でそれとなく避けられ、孤立しそうになった。

が、そんなとき、孤立しかけて泣きそうになっていた私に、暖かい手を差し伸べてきたのが、なんと他ならぬ大番長だったのだ!

 

私はこのときほど、大番長がイケメンに見えたことはない(←おい)

もちろん、大番長の班に集まっていたクラスメートは、どことなく元ヤンの匂いがする連中ばかりだったが、修学旅行の夜、他の班より盛り上がっていた。

私を冷たく仲間はずれにした他のクラスメート達が、

「なにアイツ? わけわかんねーよ!?」

と、唖然とした顔でこちらを見ていたのは、今では忘れられない思い出となっている。

【まとめ】優等生・オタクとヤンキーは共存できるか?

このように、優等生・オタクとヤンキーとの友情は、マンガやアニメのようなフィクションの世界だけでなく、リアルの世界でもありうるのだ。

 

というわけで、キミたちも、ヤンキーは決してオタクの「天敵」ではなく、アニメやマンガという共通の趣味があれば、共存することも可能ということを心に留め、安心して充実したオタクライフを存分に満喫してほしい!

 

オタクパパより愛を込めて!

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この記事を書いた人

重度のコミュ障のため、友達ゼロのオタク親父。初音ミクと魔法少女をこよなく愛する。

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