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大迫力のビッグバンドで聴くアニソンジャズの最高傑作!【Bigband for Anime Songs】

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ。

 

今回は、アニメジャズ第5弾だ。

 

この企画は、アニメ曲に興味のある大人の読者諸君のために、これまで1000曲以上ものアニメ関連のジャズを聴いてきた私がオススメのアニメジャズを紹介するという企画だ。

 

今回紹介するのは、1980年代〜2010年代の代表的なアニソンをビッグバンドで演奏するという、アニメファンにとって夢のようなアルバム、Bigband for Anime Songsを紹介したい。

Bigband for Anime Songsのジャケットが超可愛い

Amazonリンク Bigband for Anime Songs

上が、今回紹介するBigband for Anime Songsのジャケットイラストだ。

この超絶キュートなイラストは、「ゼロの使い魔」、「とある魔術の禁書目録」、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」、「ソードアート・オンライン」などの超有名アニメの作画監督を担当したアニメーターにしてキャラクターデザイナーの川上哲也氏だ。

 

可愛いアニメキャラの女の子が片手を伸ばしたところに、トランペットやサクソフォーンや音符が宙を舞っているのが印象的なすばらしいデザインのイラストだが、実は、このジャケットイラストは、実は、このアルバムの曲を演奏したバンドLawland Jazzのスローガン「ジャズの敷居を低く」を具現化したものだ。

 

それでは、Lowland Jazzとはどのようなバンドなのだろうか?

新進気鋭の個性派ビッグバンドLowland Jazzとは

Lowland Jazzは、2013年4月に結成された音楽大学出身のメンバーによるビッグバンドだ。

 

Lowland Jazzは、国立音楽大学出身の具理然氏が中心となり、青山学院大学や洗足音楽大学などの若手ミュージシャンによって結成され、「ボーカロイド」や「アニメソング」をジャズを含むさまざまなアレンジで演奏する個性派バンドとして知られている。

 

ネット発のジャズバンドとして、ニコニコ動画、YouTubeを中心に活動をスタートしたが、そのクオリティの高さから、アニメ市場だけでなくジャズ界からも注目される新進気鋭のバンドだ。

 

ところで、ビッグバンドとは、ジャズのジャンルのひとつであり、その名の通り、大人数編成によるバンドだ。

これに対し、少人数編成によるバンドは、ジャズコンボと呼ばれる。

 

また、即興演奏(アドリブ)や個人演奏(ソロ)よりも、事前の緻密な打ち合わせに基づく演奏(アンサンブル)に重点が置かれたジャズをスウィングジャズと呼ぶが、Lowland Jazzは、スウィングジャズのみにとらわれず、ジャズの重要な要素である即興性を交えながら、様々なジャンルの曲を演奏し、つねに新しい音楽を作ることを模索している野心的なバンドでもある。

 

また、Lowland Jazzは、全て生の音でレコーディングしているという点にもこだわっているそうだ。

若者の「ジャズ離れ」がLowland Jazz結成の動機だった!?

Lowland Jazzは、もともと国立音楽大学出身の具理然氏(バンドリーダー)、小島裕規氏(ピアノ/アレンジ)、高井天音氏(トロンボーン)の3人を中心に設立された。

 

具氏によれば、音楽大学在学中に、ニコニコ動画で人工音声のボーカロイド用に作曲された楽曲を人間がカバーする「歌ってみた」動画を見ていた際に、弟のユーヨン氏(プロデューサー)からボカロ曲を生バンドでジャズアレンジしたらどうだと助言をもらったのが、バンド結成のそもそものきっかけだそうだ。

 

だが、なぜ今、ジャズなのか?

 

ユーヨン氏によると、ジャズを一度も聴いたことのない友達にジャズについて話したとき、どういうわけか、会話がまったく弾まなかったそうだ。

気になったユーヨン氏は、他の人もどうかと思い、楽器をやっていない若者達にジャズを聴いたことがあるか尋ねてみたそうだ。

その結果、

メロディは出てくるが曲名が出てこない

映画音楽のジャズしか知らない

そもそもジャズなんて聴いたことがない

という散々な結果になったそうだ。

 

最近、若者の○○離れが問題になって久しいが、実は、この潮流はジャズにも及んでいたのだ!

 

ジャズ離れ

ジャズは難しい

 

ジャズが若者達に受け入れられていないという衝撃的な事実を目の当たりにしてショックを受けたユーヨン氏は、こう結論せざるを得なかった。

 

ここで、年配のジャズ・ミュージシャンなら、

ジャズの曲も知らないとは、今どきのゆとりは修行が足りん!

といって、さしずめ、映画「セッション」のごとく、若者達に愛の往復ビンタをかましていたのもしれない。

 

だが、まだ20台前半のユーヨン氏は、

「これじゃいけない! 

 このままじゃ、素晴らしいジャズが廃れてしまう!」

と危機感を抱き、現代の若者達にジャズの魅力をもっと知ってもらうべく、分かりやすいカバーから入るのが良いと考え、ニコニコ動画のボカロ曲に注目したそうだ。

 

ボカロをビッグバンドでやったら格好よさそう

 

 

これぞまさしく、同じ若者だからこそできる発想なのかもしれない。

 

逆に、愛の往復ビンタをすれば、ジャズバンドにブラックな印象を与え、若者のジャズ離れがますます加速するだろう。

鬼軍曹や鬼教官が日常的に若者達に往復ビンタをかましていた戦前の日本とは、時代がまるで違うのだ!

いつの時代も新しいジャズの潮流を作るのは若者達だ

だが、ここで忘れてはならないのは、ジャズの歴史上、画期的なジャズを生み出した稀代のジャズ・ミュージシャン達は、20代〜30歳の頃に新しいジャズを生み出しているという点だ。

 

実際、ジョン・コルトレーンは、30歳で頭角を現し、20世紀のジャズ最大の巨人となった。

マイルス・デイヴィスは、22歳の頃、後のウェスト・コースト・ジャズに多大な影響を与えた「クールの誕生」を制作した。

チャーリー・パーカーは、25歳〜28歳にかけて天才的なひらめきを伴った数多くの伝説のアドリブを残した。

ビル・エヴァンスは、30歳頃に歴史に残るピアノトリオを結成した。

 

このように、いつの時代も新しいジャズを作るのは若者達なのだ!

 

素晴らしいジャズを現代の若者達に知ってもらいたい!

という、ユーヨン氏や具氏の心意気に打たれたのか、国立音楽大学のメンバーを中心に、多くの若くて優秀なメンバーが集まった。

 

特に、日本の学生ビッグバンド・ジャズオーケストラを対象とした音楽コンクール・山野ビッグ・バンド・ジャズ・コンテストで、年に最優秀1人・優秀2人のわずか3人しか選ばれない優秀ソリストが3名も集まったそうだ。

ちなみに、山野ビッグ・バンド・ジャズ・コンテストは、出場・受賞したプレイヤーがプロのミュージシャンに転向するケースも少なくなく、未来のジャズ界を担う若者達にとって重要なイベントだ。

それゆえ、

 

新しいジャズの潮流が、日本のボカロ・アニメから始まった!

 

ひょっとして、近い将来、このように言われる日が来るのかもしれない。

 

このように、Lowland Jazzは、ボカロとアニメソングを題材にする現代の若者達のビッグバンドなのだ。

参考

OUT of JAZZ
【Lowland Jazz】活動紹介【ユーヨンP】 初めましての方は初めまして、そうでない方はいつもありがとうございます。 Lowland Jazz プロデューサーのユーヨンです。 僕ら『Lowland Jazz』は、ニコニコ動画を主軸に...

参考

Bigband for Anime Songsの各曲レビュー

それでは、Lowland Jazzのアニソンジャズアルバム、「Bigband for Anime Songs」の各曲のレビューを行おう。

【1曲目】おジャ魔女カーニバル!!

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1曲目は、1999年に放送された東映アニメ制作のオリジナル魔法少女アニメ「おジャ魔女どれみ」のオープニング曲だ。

 

メインターゲットの幼女はもちろんのこと、大きなお友達にとっても、いわずとしれた伝説の魔法少女アニメだ!

 

原曲は、主人公3人からなるどれみ、はづき、あいこの声優ユニット・MAHO堂の可愛らしいヴォーカルが特徴の印象的なメロディからなる曲だが、Lowland Jazzは、原曲のメロディラインを活かしつつ、重厚なビッグバンドジャズに昇華させている。

 

また、節目節目で鳴り響くベースが格好良すぎる!

中盤から響くトランペットのソロパートが伸び伸びと演奏されていて実に素晴らしく、また、後半の哀愁漂うサックスソロも味わい深い曲だ。

 

人類史上、いまだかつて、これほど格好いい幼女向けアニメのジャズ・アレンジがあっただろうか?

しかも、アルバムの第1曲に「おジャ魔女どれみ」の曲を持ってくるとは、

あなた達は神ですか!?

 

それほど、この選曲は衝撃的なのだ。

なぜなら、仮に、ジョン・コルトレーンが現代日本に生まれ変わったとして、そもそも幼女向けのアニメである「おジャ魔女どれみ」を題材にしたジャズ曲を作曲しようと思うだろうか?

おそらく、そのような発想すらないだろう。

 

そういう意味で、Lowland Jazzは、ある意味、ジャズ界において、コペルニクス的転回ともいえる選曲をなしえ、ジャズ界の巨人達を超えたのだ!

 

というわけで、幼女向け魔法少女アニメの神ジャズアレンジを実現したLowland Jazzの素晴らしい作曲に敬意を表し、総員敬礼!!

【2曲目】キン肉マンGo Fight!

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2曲目は、1983年に放送されたゆでたまご原作のアニメ「キン肉マン」のオープニング曲だ。

1曲目の「おジャ魔女どれみ」も十分に衝撃的だが、2曲目に「キン肉マン」を選ぶとは、平均年齢20代前半のメンバーが選んだとは思えないほど、実に渋い選曲だ。

 

原曲は、かっこ悪いスーパーヒーローの苦悩を描いた?歌詞と、串田アキラの力強いヴォーカルが印象的な曲だ。

キン肉マンのオープニング曲は、よく和田アキ子や松崎しげるが歌っているのではないかと言われたものだが、和田アキ子が歌っているシーンを想像しても違和感がまったくないほど、腹の中から響く串田アキラの歌唱力は素晴らしい。

その自虐的な歌詞と相まって、当時の少年達は、みんな等身大のスーパーヒーローであるキン肉マンに共感したものだ。

 

さて、そのような昭和アニメの代表格ともいえる名曲だが、Lowland Jazzは、驚いたことにキューバ起源のチャチャ風の陽気なアレンジにしている。

実際、この曲を聴いていると、あたかもキン肉マンが南国のリゾート地でバカンスを楽しんでいる陽気なイメージが浮かんでくるほどだ。

 

伸び伸びと演奏するトランペットソロが、キン肉マンの屈託のない性格を描いているようで、実に心地のいい曲に仕上がっているといえるだろう。

【3曲目】READY!!

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3曲目は、2011年に放映されたバンダイナムコゲームス原作のアニメ「THE IDOLM@STER」のオープニング曲である。

 

原曲は、ここであえて語るまでもなく元気いっぱいの名曲だ。

私も本放映時には、毎朝、副業の通勤時に、プロデューサーと同じ柄のネクタイをして、この曲を聴いて無限のパワーを貰っていたものだ

 

さて、Lowland Jazzのジャズアレンジだが、原曲とはうって変わって、しっとりと落ち着いた感じの大変オシャレな曲になっている。

まさしく、ジャズ喫茶で一杯の珈琲をたしなみつつ聴いてもまったく違和感のない出来といってもいいだろう。

 

また、中盤のフルートがとてもいい味を出している。

ドライブ時にこの曲をかければ、ゆったりとドライブを楽しむことができるだろう。

【4曲目】ゆずれない願い

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4曲目は、1994年に放映されたCLAMP原作のアニメ「魔法騎士レイアース」のオープニング曲だ。

原曲は、累計売上109.2万枚(オリコン調べ)を記録した田村直美の大ヒット曲であり、田村直美は、1995年のNHK紅白歌合戦にこの曲で出場したほどだ。

 

主人公の獅堂光の涙が光るオープニングアニメーションも素晴らしい出来だが、この曲は、駆け抜けるような疾走感が素晴らしく、またそれ以上に歌詞がアニメの世界観に合って大変素晴らしい

異世界で過酷な運命に立ち向かう魔法騎士達の苦悩と悲しみが、田村直美の抜群の歌唱力で見事に歌い上げられているのは感動的なほどだ。

 

当時の私は、この曲を初めて聴いたとき、あまりの感動にCDショップに駆け込み、文字通りCDが擦り切れて傷だらけになるまでむさぼり聴いたものだ。

また、本屋の店頭に平積みになっていたCLAMP大先生の真っ赤(1巻)と真っ青(2巻)の超絶的なまでに格好いい装丁に衝撃を受け、取り憑かれたように購入したのも、今となってはいい思い出だ。

 

今でこそ珍しくないかもしれないが、当時、店頭で堂々と少女漫画を購入する私のような男性は、それこそ異世界セフィーロからやってきた魔物のように見られていた時代だったのだ(←おい)。

 

さて、Lowland Jazzのアレンジのほうだが、吉田沙良(よしださら)の大人の雰囲気で格好良く歌い上げている。

 

吉田沙良は、3歳からピアノを始め、物心のつく頃から歌手を目指していたそうだ。

洗足音楽大学ジャズ科にてャズヴォーカルを本格的に学ぶ。

また、菊地成孔ソロやKOKIAなどのバックコーラスも務め、2015年には、JAZZ JAPAN主催の2014年度レコード新人賞を受賞したほどの実力の持ち主だ。

参考

都会風に洗練されたリズム・アンド・ブルース風のアレンジをバックに、洗練された英語で歌い上げる吉田沙良のヴォーカルを聴けば、この曲がもともと少女アニメの歌だとは想像さえできないだろう。

【5曲目】DAYS

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5曲目は、2005年に放送されたBONES原作のアニメ「交響詩篇エウレカセブン」のオープニング曲だ。

 

原曲は、2人の男性ヴォーカルが駆け抜けるような爽やかな声で伸び伸びと歌い上げる名曲だ。

そのエネルギッシュで芯の深いメロディは、一度聴いたら頭の中でリフレインして二度と忘れないくらいだ。

 

原曲を担当したのはFLOW

その名の通り、流れるような力強い曲が特徴的な5人組のロックバンドだ。

FLOWは、アニメ「NARUTO-ナルト-」のオープニング曲「GO!!!」や「コードギアス 叛逆のルルーシュ」のオープニング曲「COLORS」など、数多くの名作アニメのテーマ曲も手がけ、また、海外で開催されるアニメフェスにも出演するほど、アニソン界で高い評価を受けた実力派バンドでもある。

参考

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さて、Lowland Jazzのアレンジだが、原曲よりもかなり早く、疾走するようなスピード感あふれるファストテンポで進むクールな曲に仕上がっている。

 

リズミカルかつ疾走感あふれるノリノリの曲調に、知らず知らずのうちにリズムをとってしまう曲だ。

この曲を聴きながら作業すると、テンションが恐ろしいほどに高くなって仕事が捗るため、作業用BGMに最適な曲といえるかもしれない。

【6曲目】ペガサス幻想

Amazonリンク 聖闘士星矢 主題歌&BEST

6曲目は、1986年に放送された車田正美原作のアニメ「聖闘士星矢」のオープニング曲だ。

原作はいわずとしれた、数多くの腐女子の人気を集めた腐向けアニメの元祖とでもいうべき、ある意味、伝説のアニメだ。

 

そして原曲は、ハードロック・バンド、MAKE-UPのドラマチックかつメロディアスな曲に魂を揺さぶられるような名曲だ。

特に、ヴォーカリストの山田信夫(NoB)の燃えたぎるような熱唱が実に素晴らしい。

 

80年代のアニメのオープニング曲は、とにかく熱い曲が多く、まさしくアニソンの黄金時代といっても過言ではないだろう。

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、こちらはクラブジャズ風のアレンジとなっており、渋い大人の曲になっている。

トランペットのソロも素晴らしいが、中盤の足踏みと手拍子のパートも大変ユニークで聴きごたえがあり、ライブ映えしそうな曲だ。

 

実は、この曲で最も苦戦を強いられた部分がこの足踏みと手拍子だったそうだ。

まさしく、聴いていて踊りたくなるような曲だ。

【6曲目】ウィーアー!

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6曲目は、尾田栄一郎原作で1999年より放映中のアニメ「ONE PIECE」のオープニング曲だ。

 

原曲の素晴らしさについては、ここで語るまでもないだろう。

作曲は、アニソン界ではベテラン作曲家ともいえる、田中公平大先生だ。

田中公平先生自身、番組の顔を目指した楽曲というだけあって、日本人でこの曲を知らない者はむしろ少ないかもしれないといっていいほどの、ワンピースの看板ともいえる曲だ。

 

ちなみに、田中公平氏は、原曲の作曲時に、きただに ひろしに仮歌を依頼したところ、あまりにハマリ役だったのか、「この人にそのまま歌わせよう」と決定し、それ以降、アニソンシンガーとしての地位を確立したそうだ。

 

きただに ひろしの爽やかかつ伸び伸びとしたヴォーカルは、まさしくワンピースのイメージにふさわしいものといえるだろう。

 

Lowland Jazzのアレンジだが、どことなくエロチックなサックスの旋律から始まる、とてもファンキーでクールな曲だ。

また、中盤のもの哀しげにウィーアーの美しい旋律を奏でるソプラノ・サックスのソロパートは、思わず聞き惚れてしまうほどの素晴らしい出来だ。

 

ルフィ達が街中を颯爽とリズミカルに歩いているイメージが脳裏に浮かんでくる名アレンジといえるだろう。

【8曲目】ルージュの伝言

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8曲目は、1989年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメ映画「魔女の宅急便」のオープニング曲だ。

 

原曲はいわずと知れたユーミンの名曲だが、Lowland Jazzのアレンジでは、寝占友梨絵がヴォーカルを担当している。

 

寝占友梨絵は、国立音楽大学でピアノとジャズを学び、2015年、第34回浅草ジャズコンテストヴォーカル部門グランプリを受賞した若手の女性ヴォーカリストだ。

特に、ピアノの弾き語りをしながら、スキャット(「ダバダバ」「ドゥビドゥビ」「パヤパヤ」といった意味のない音をメロディーに合わせてアドリブで歌う歌唱法)も頑張る、貴重な存在だそうだ。

参考

Lowland Jazzのアレンジは、寝占友梨絵のハスキーなヴォイスが優しく歌い上げるボサノヴァ風でゆったりとしたメロディの曲だ。

ボサノヴァ風のギターの音色がおしゃれな雰囲気を醸し出し、その歌詞内容の恨みあふれる過激さ(男達にとって恐怖の)とは裏腹に、ティーカップを片手にゆったりとくつろぎながら聴くのに最適な曲といえるだろう。

【9曲目】めざせポケモンマスター

Amazonリンク アニメポケットモンスター TV主題歌 パーフェクトベスト(1997-2003)

9曲目は、ゲームソフト「ポケットモンスターシリーズ」を原作として1997年に放送されたアニメ「ポケットモンスター」のオープニング曲だ。

 

ポケモンといえば、スマホ用のゲームアプリの「ポケモンGO」が社会現象になったのは記憶に新しいが、最近でも、オフィスの外に出かけると、スーツ姿のいい年をした男女の集団がスマホを片手にたむろしている異様な光景をしばしば見かけるほどだ。

 

私の会社の20代の女性秘書も、一時期、「ポケモンGO」にドハマリして、ポケモンを探しまわってあちこち歩き回っていたそうだ。

秘書「楽しいですよ! オタクパパさんもやりませんか?」

と誘われたが、会社では、完全な隠れオタで通している私は、オタクの本性を見破られるとヤバいので、

オタクパパ「いや、ポケモンとか、よくわかんないんで・・・」

と、アニメやゲームに全く興味のない一般人のフリをして、きっぱりと断ったのはいうまでもない(震え声)。

 

さて、話が脱線したが、原曲は、主役のサトシ役の声優である松本梨香が歌を担当し、シングルが185万枚ものセールスを記録したという大ヒット曲だ。

 

元気に歌う松本梨香のパワフルな歌声に勇気をもらった読者も多いだろう。

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、冒頭のクラリネットのソロから始まる楽曲は、ベニー・グッドマン楽団を彷彿とさせる古き良き時代の正統派スイング・ジャズとなっている。

 

これを人前で聴いても、原曲がポケモンのオープニング曲と気づく者がいないほど、重厚でクールなサウンドは、ある意味驚異的でさえといえるだろう。

特に、ホーンセクションのキレのいい迫力のある重厚なサウンドは、まさしく、ビッグバンド・ジャズの醍醐味ともいえるだろう。

十分に堪能しようではないか!

【10曲目】only my railgun

Amazonリンク only my railgun TVアニメ「とある科学の超電磁砲」OPテーマ

10曲目は、2009年に放映された鎌池和馬と冬川基原作のアニメ「とある科学の超電磁砲」のオープニング曲だ。

 

原曲は、人気声優の南條愛乃を新ボーカルに迎えた八木沼悟志(sat)プロデュースによる音楽グループfripSideの曲だ。

ハイテンションかつスピード感あふれる原曲は、もはやアニメのオープニング曲というレベルを完全な超えた傑作曲といえるだろう。

 

歌詞の格好良さも超一級であり、リズム感あふれるパワフルな曲を聴くとテンションがフルパワーMAXになることうけあいだ。

それでいて、後半のメロディアスな曲調と歌声も実に泣ける。

アニメを知らない人にもぜひ聞いて欲しい、2000年代最後の熱血アニソンといえるだろう!

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、こちらはスタイリッシュなスウィングジャズキューバ風のラテンジャズとがミックスされた魅力的な曲となっている。

中盤のトランペットソロが格好良く、全体として大人の雰囲気を醸し出す様子は、ヒロインの御坂美琴が大人になったら、この曲のような洗練されたスタイリッシュな美人になるのではとわくわくさせる曲といえるだろう。

【11曲目】もってけ!セーラーふく

Amazonリンク TVアニメ「らき☆すた」OP主題歌 もってけ!セーラーふく

11曲目は、2007年に放映された美水かがみ原作のアニメらき☆すたのオープニング曲だ。

 

原曲を手がけたのは、アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のBGM、「化物語」のオープニング曲、「THE IDOL@STER」の曲など、数々の名曲を生み出した天才アニソン作曲家の神前 暁(こうさき さとる)だ。

神前暁先生は、ナムコのゲーム「ことばのパズル もじぴったん」の電波ソング「ふたりのもじぴったん」や「THE IDOL@STER」の高槻やよいの電波曲「キラメキラリ」を担当し、まさしくその名が示す通り、神の前の悟りの境地で数々の電波ソングを生み出した天才電波ソング作曲家だ!

 

そしてこの「らき☆すた」のオープニング曲こおは、一度聴いたら中毒にならない人間はいないというほど、2000年代最強の電波ソングといえる素晴らしい出来だ。

斬新性、電波性、中毒性の3拍子が揃ったキングオブ電波ソング(KOD)といっても過言ではない!

あまりの中毒性に、私は、この曲を無限リピートで連続5時間くらい聴きたくなるほどだ。

 

だが、原曲は、なにげにベースが超絶に格好いいことを忘れてはならない!

電波系アニソンに興味のある人は、ぜひこの曲を聴いてほしい!

やみつきになること請け合いだ!

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、こちらは駆け抜けるようなドラムベースの渋い一曲となっている。

夜のハイウェイを全速力で疾走するようなメロディに、往年のナムコのゲーム「リッジレーサー」をプレイしたくなる読者もいるかもしれない。

また、中盤の流れるようなベースと、艶やかに吹き荒れるサックスのソロも実に素晴らしい。

破壊力抜群の電波ソングをここまで疾走感あふれる格好いい曲に変貌させたLowland Jazzの力量には底知れないものを感じる

【12曲目】1/3の純情な感情

Amazonリンク るろうに剣心 Complete Collection

11曲目は、1996年に放送された和月伸宏原作のアニメ「るろうに剣心 ‐明治剣客浪漫譚‐」のエンディング曲だ。

 

原曲は、ロックバンドのSIAM SHADE(シャムシェイド)の6枚目のシングルであり、SIAM SHADEの最大のヒット曲でもある。

 

原曲は「るろうに剣心」の数あるエンディング曲の1つとして聴くより、一度ガチで1曲通して聴いてみると、その凄さがわかる曲だ。

序盤のゾクゾクするようなギターソロの旋律に続く、狂おしくも爽やかに歌い上げるヴォーカル、疾走感あふれるギターなど、どれをとっても完璧な曲なのだ!

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、ロックな原曲とはうって変わって、こちらはゆったりとしたリズムの良いラテンタッチの曲だ。

特に、フルートの旋律が耳に心地よく響き、思わずリズムをとって身体を揺らしてしまう名曲に仕上がっているといえるだろう。

また、中盤のギターソロのどことなく泣けるフレーズも素晴らしい曲だ。

【13曲目】Cruel Wings of Angels

Amazonリンク NEON GENESIS EVANGELION [DECADE]

13曲目は、1995年に放送されたGAINAX原作のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニング曲「残酷な天使のテーゼ」だ。

原曲は、50万枚以上を売り上げたヒットを記録した高橋洋子のシングルであり、アニメ放送終了から20年以上経過した今でも人気のロングセラーだ。

 

高橋洋子の歌声は、14歳の少年を包み込む母親のように温かく聴く者の魂に染みわたる名曲だ。

神曲とは、まさしくこの曲のために存在する言葉といっても過言ではない。

八百万の日本において、他のアニメ曲が有象無象の雑多な神のレベルとすれば、この曲はまさしくアマテラスレベルといえるだろう。

そもそも神曲の「神」のレベルが違うのだ!

 

アニメを観ていない人もなぜかこの曲だけは知っているという、ある意味、不思議な曲でもある。

 

Lowland Jazzのアレンジでは、吉田純也がヴォーカルを担当している。

女性ヴォーカルではなく、男性ヴォーカルであること、また、英語の歌詞であることに、2重の意味で度肝を抜かれる。

 

だが、吉田純也は、日本で数少ないビッグバンドジャズシンガーであり、国立音楽大学New Tide Jazz Orchestraとの共演において、初舞台で全国優勝を果たすほどの実力の持ち主だ。

参考

https://www.premiums.jp/concert/artists/junya-yoshida/

 

ところで、原曲を知るものとしては、高橋洋子の歌声と比較してしまい、どうしても厳しい目で評価してしまいがちだ。

実際、女性シンガーを起用すれば、歌唱力で100%負けるのが分かりきっているため、あえて男性シンガーを起用し、しかも英語の歌詞にすることで、女神との正面対決を避けたのかもしれない。

だが、吉田純也の艶やかでパワフルな歌声を実際に聴くと、男性ヴォーカルも意外と悪くはないかも、と一瞬思わせる魅力を秘めていることは間違いないだろう。

 

高橋洋子バージョンを14歳の少年少女に対する母親の心情を歌いあげた曲であるとすれば、Lowland Jazzのアレンジは、父親(碇ゲンドウ)の心情を歌い上げた曲であるといえるかもしれない。

実際、このアレンジを聴く際に、碇ゲンドウがステージに立って歌う姿をイメージして聴くと、意外と味わい深い曲であることに気づく。

そういう意味で、Lowland Jazzの作戦勝ちともいうべきナンバーといえるだろう。

 

また、中盤のサックスの艶やかなソロと、それに続く美しくもメロディアスなピアノの旋律も大変素晴らしい出来だ。

【14曲目】恋は渾沌の隷也

Amazonリンク 恋は渾沌の隷也

14曲目は、2013年に放映された逢空万太原作のアニメ「這いよれ! ニャル子さんW」のオープニング曲だ。

 

原曲は、一曲聴く度にSAN値(正気度)が削られていくという宇宙的恐怖を体現した2010年代の電波ソングだ。

独特のリズムとときどきアラビア風の怪しげなメロディ、TRPG「クトゥルフの呼び声」のプレイヤーが思わずニヤリとしてしまうフレーズのリピートなどの電波要素満載で、いったんとり憑かれたら、魔道書ネクロノミコンを読んだ人間のように中毒になること間違いなしだ。

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、原曲よりもスピーディーかつ疾走感あふれるパワフルな曲となっている。

原曲同様にアップテンポ、かつ、ハイテンションなノリなので、作業用BGMにすれば、能率が200%アップすることを保証しよう。

また、中盤からのギターソロとベースのスピード感あふれる旋律もあまりに格好よく、実に素晴らしい。

そういう意味で、この曲もいライブ映えする一曲といえるだろう。

【15曲目】コネクト

Amazonリンク コネクト(アニメ盤)

15曲目は、2011年に放送されたシャフト制作のアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のオープニング曲だ。

 

原曲は、現役女子中学生(アニメ放映当時)のクララとアリスの女子二人によるアニソン歌手ユニットClariSの14週連続オリコンTOP40入りのロングヒットを記録した。

この曲を初めて聴いた者は、

「中学生の覆面ユニットが歌った曲? 

 今どきそんなありきたりの設定、はやらねーよw」

と軽い気持ちで聴くが、アニメ第10話の衝撃の展開を見て、

「え! この曲の意味って、そういうことだったのか!?」

と、初めてその奥深さに驚き、感動するという、アニメとリンクして印象が大きく変わる伏線的な曲だ。

 

アニメを見る前と見た後でこれほど曲に対する印象が大きく変わる曲も珍しいといえるだろう。

私も、第10話を見たとき、衝撃のあまり、憑かれたように何度もリピートして聴き、涙せずには聞けないほどになったほどだ。

そういう意味で、原曲はまさしく、アニメの歴史に残る名曲といえるだろう。

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、緩やかなサックスの四重奏で始まり、歌い合うようにサックスが絡み合う、テンポの良い曲となっている。

だが、前半の静けさとはうってかわって、終盤で突如開かれたように、全身を貫くように重厚な音がドラマチックに展開する演出は、感動的といえるだろう。

【16曲目】ガーネット

Amazonリンク ガーネット

16曲目は、2006年に劇場公開された筒井康隆の人気小説「時をかける少女」のアニメ版主題歌だ。

 

私と同じ昭和に青春時代を生きた世代なら「時をかける少女」といえば、もちろん松任谷由実の曲と決まっているのだが、奥華子(おくはなこ)の歌も実に素晴らしい。

奥華子は、キーボードの弾き語りスタイルで精力的に路上ライヴを行い、路上ライヴを始めてわずか1年間で約2万枚もの自主制作CDを手売りし、一番人気のストリートミュージシャンとして注目を集めた異色の経歴の持ち主だ。

 

美しいピアノの音色で始まる原曲は、青春時代特有の懐かしさにあふれ、涙せずにはいられない名曲だ。

また、奥華子の透き通った歌声が歌う歌詞は、聴く者を無条件に温かく包み込むような限りない優しさに満ちあふれ、むしろ昭和の時代に生きた人達にこそ、この曲は大きく心に響くのではないだろうか。

 

その心にしみ通る直球ストレートな曲は、アイマスの正統派アイドル・音無小鳥がカバーしてもおかしくないくらいの繊細さにあふれた正統的名曲といえるだろう。

 

さて、Lowland Jazzのアレンジだが、原曲同様、優しさにあふれた素晴らしいナンバーとなっている。

スローなテンポで原曲の美しいメロディを織りなすサックスの音色に心が癒やされる素晴らしい曲だ。

特に、後半の美しいピアノの優しい旋律から一気にたたみかけるように大団円に向かっていく演出が心憎く感じられるほどだ。

まさしく、この名アルバムのラストを飾るのにふさわしい一曲といえるだろう。

【まとめ】アニソン入門としても最適のアルバム

以上、駆け足で各曲のレビューをしたが、実は、これらの曲は、アニソンとしてはどれも超一級の名曲揃いであり、アニソン入門としても最適だ。

 

しかも、Bigband for Anime Songsの選曲は、1980年代から2010年代と幅広く、また少年向けアニメと少女向けアニメが適度に混在して偏りがないため、子供でも大人でも楽しめる内容となっている。

 

私自身、今回のレビューを書くにあたり、原曲を聴きなおしてみたが、どの原曲も改めて素晴らしいことに気づかされたほどだ。

それゆえ、このアルバムで気に入った曲を見つけたら、ぜひ原曲のほうも聴いてほしい。

どの原曲のレビューを見ても、ほとんど完璧に近いほど高評価のものが多いが、これはおそらく偶然ではなく、Lowland Jazzの営業担当者による事前の綿密な調査によるものだろう。

 

逆に考えると、このアルバムで取り上げられたアニソンにはハズレがないということだ。

このアルバムがアニソン入門に最適であることが分かって貰えただろうか?

 

というわけで、諸君もBigband for Anime Songsでビッグバンドのアニソンジャズを心ゆくまで堪能し、充実したアニソンライフを存分に満喫してほしい。

 

オタクパパより愛を込めて!

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この記事を書いた人

重度のコミュ障のため、友達ゼロのオタク親父。初音ミクと魔法少女をこよなく愛する。

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