ジャズの通も認めるアニメフリージャズの傑作を聴け!【機動戦士ガンダム サンダーボルト】

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ。

今回は、大人のためのアニメジャズ入門第2弾だ。

「そろそろいい年になってきたし、ノリノリのアニソンを聴くのもちょっと辛くなってきたな……」

「ジャズとかって、よく分からないし、敷居が高くてちょっと……」

という人のために、本企画は、これまで1000曲以上ものアニメジャズを聴いてきたオタクパパが、大人向けのアニメジャズをひたすら紹介するという特別企画だ。

この特別企画では、毎回さまざまなアニメジャズを取り上げ、その曲の魅力についてはもちろんのこと、当該アニメジャズが作曲された経緯や、作曲家や歌手などの経歴、原作の魅力などについて、オタクならではのこだわりの視点で紹介するつもりだ。

というわけで、第2弾は、アニメ史上初のフリージャズのアニメサントラともいえる

オリジナル・サウンドトラック

「機動戦士ガンダム サンダーボルト」/菊地成孔 Soundtrack

について紹介したい。

目次(Contents)

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「機動戦士ガンダム サンダーボルト」とは

まず、曲の魅力について語る前に、「機動戦士ガンダム サンダーボルト」(以下、「サンダーボルト」)について知らない人もいると思う。

「サンダーボルト」は、「機動戦士ガンダム」(以下、「ファーストガンダム」)シリーズのスピンオフ作品だ。

「ファーストガンダム」は、ご存じの方も多いと思うが、1979年に放送され、空前絶後のガンプラ・ブームを生み出したサンライズ制作のロボットアニメの古典ともいえる名作だ。

そして、「ファーストガンダム」の大ヒット以来、数多くのガンダムシリーズの続編が作られてきたが、それらのガンダムシリーズのスピンオフ作品として、2012年から「ビッグコミックスペリオール」に太田垣康男(おおたがき やすお)先生によって連載されている漫画作品およびそのアニメ化作品が、今回紹介する「サンダーボルト」だ。

詳しくは、下の「サンダーボルト」の紹介記事を参照してほしい。

機動戦士ガンダム サンダーボルト!大人にもお勧めの常識を覆す面白さ
親愛なる読者諸君! オタクパパだ! 突然だが、あなたは「ガンダム」と聞いて、どのような感想を抱くだろうか? 「ああ、子供が...

ガンダムと意外とマッチングするフリージャズの魅力

ところで、アニメ版「サンダーボルト」における一番の衝撃が、

戦闘シーンでガンガン

流れるフリー・ジャズ

だ。

地球連邦宇宙軍のエースパイロットであるイオは、ガンダムのコクピット内にドラムスティックを持ち込みリズムを刻み、戦闘の最中でもコクピットでジャズを大音量で鳴らすほどのジャズ好きだ。

しかも、そのジャズは、一度聴いたら忘れることができないほどインパクトの強い、本格的なフリー・ジャズだ。

(↓)下の画像は、戦闘中にジャズを聴くイオを描いた1コマだ。ピアノを演奏しているのは、オスカー・ピーターソンだろうか? ピーターソン自身はフリー・ジャズとは無関係だったように思うが、いずれにせよ、イオのこの言葉から、「ガンダム×フリー・ジャズ」という異色の組み合わせが誕生した。そういう意味でも、「サンダーボルト」の曲を決定づけた1コマだ。

引用「機動戦士ガンダム サンダーボルト」太田垣康雄

実際、

ガンダムとフリージャズ

の組み合わせ

がこれだけマッチングするというのは、はたして誰が想像できただろうか?

だが、代表的国産アニメと海外産のジャズとの組み合わせは、代表的な日本人の食品である豆腐と海外産のヨーグルトとの組み合わせと同じくらい、一見ありえないと思う反面、実際に味わってみたら意外といける組み合わせなのだ!

このように、「サンダーボルト」は、音楽面においても、従来のガンダムシリーズ、いや全世界のアニメの常識を覆したといっても過言ではない。

史上初のフリー・

ジャズ・アニメ

それが「サンダーボルト」なのだ!

「サンダーボルト」の作曲家・菊地成孔の魅力に迫る

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戦前と戦後

以上、原作である漫画作品およびそのアニメ化作品としての「サンダーボルト」の魅力について語ってきた。

ところで、この大人のガンダム「サンダーボルト」の作曲を担当したのは、菊地成孔(きくち なるよし)氏だ。

ジャズ界の鬼才にして異端児・菊地成孔

菊地成孔氏の名前は、ジャズに詳しくない一般の人には、あまり馴染みが薄いかもしれない。

菊地成孔とは、一体何者なのだろうか?

「アニメの曲を作曲するくらいだから、どうせたいした作曲家じゃないんじゃないの?」

そのように考えるとしたら、あなたの頭は昭和の時代で止まっているといっても過言ではないだろう。

ジャズ界における菊地成孔氏の評価をかいつまんで紹介すると、次のような感じだ。

「時代をリードする鬼才」

「現代のカリスマ」

「疾走する天才」

これらの言葉を見ても、彼が只者ではないことが明らかだろう。

それだけではない!

菊地成孔氏はジャズ・ミュージシャンとしての評価も一流だが、なんと東京大学教養学部国立音楽大学においても非常勤講師として教鞭をとり、「ジャズ〜20世紀アメリカ史」、「マイルス・デイヴィス研究」などの講義録を出版し、ジャズ理論史を教えるほどの理論派でもあるのだ。

実際、菊地成孔氏の東大でのジャズ講義録は、その斬新な切り口や分析が大変面白く、そのクオリティの高さは、ジャズ・ミュージシャン必読の書として定評が高い。

私自身も読んでみたが、その語り口が大変に面白く、当時の教室での熱意が伝わってくる素晴らしい講義だった。

その面白さはまさしく東大ジャズ白熱教室といっても過言ではないだろう。

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東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫)

このように、菊地成孔氏は、実践・理論の両方に通じるジャズ界の天才なのだ!

参考

菊地成孔氏が「サンダーボルト」の作曲を依頼された経緯

それではなぜ、ジャズ界で現代のカリスマとも呼ばれ、東大でジャズ講義を行うほどの天才ジャズ・ミュージシャンが、アニメ作品、しかもガンダムの作曲を手がけたのだろうか。

菊地氏がアニメ作品の作曲を手がけたのは「サンダーボルト」が最初ではなく、実はそれ以前にも、「ルパン三世」のスピンオフシリーズである「LUPIN the Third〜峰不二子という女〜」の作曲を手がけていたのだ。

「ルパン三世」は、本企画の第1弾で解説したように、作曲家の大野雄二氏がプロのジャズ・ピアニストであっただけに、もともとジャズ色の強いシリーズだ。

だが、もともとジャズ色の強いルパンはともかく、ガンダムとジャズと一体何の関係があるのか?

従来のガンダムシリーズを知っている者なら、不思議に思うだろう。

「サンダーボルト」のアニメ化を手がけた松尾衡(まつお こう)監督と、サンライズの小形尚弘(おがた なおひろ)プロデューサーによると、次のガンダムの曲がジャズということを知って、めちゃくちゃ焦ったのが、そもそものきっかけだそうだ。

「え? 次のガンダムってジャズ!? 

 やばい! ジャズとか全然わかんねーよ!

 ジャズに詳しい人って、やたらにうるさそうだし

 下手に手を出したら、いろいろ突っこまれて、絶対火傷するって! 

 マジやばいよっ!!」

こんな感じに焦りまくった松尾監督と小形プロデューサーは、さんざん悩んだあげく、

「やっぱり、作曲を依頼するなら、ジャズに詳しい人達からも突っこまれず、逆に認めてもらえるようなレベルの高い曲を作れるような人に依頼しないと、あとあと大変だな」

と考え、「LUPIN the Third〜峰不二子という女〜」の作曲ですでに高い評価を受けていた菊地成孔氏に依頼することにしたそうだ。

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LUPIN the Third 峰不二子という女 オリジナルサウンドトラック

とはいえ、依頼する相手は、東大でジャズの講師を務めたこともあるジャズ界の天才だ。

それほどの天才が、国民的アニメ「ガンダム」シリーズのスピンオフとはいえ、はたして「サンダーボルト」の作曲を引き受けてくれるのだろうか?

松尾監督と小形プロデューサーは、「サンダーボルト」の作曲を依頼しても、菊地氏から無碍に断られるのではないかと始終不安だったそうだ。

ちなみに、1963年生まれの菊地氏のアニメ視聴歴は、

「ど根性ガエル」(1972-1974)で完全終了

しており、それ以来、アニメや漫画はあまり馴染みがなく、「ガンダム」シリーズも一度も見たことがなく、名前しか知らなかったそうだ。

そのため、「サンダーボルト」の作曲依頼を受けたとき、菊地氏自身、冗談と思って2度も聞き返したそうだ。

実際、松尾監督と小形プロデューサーが「サンダーボルト」の説明のために、「ガンダム」や「ザク」という単語を出すたびに、菊地氏の反応は、

「ガンダム? ザク? (゚Д゚)ハァ?

という感じだったそうだ。

そのため、1回目の打ち合わせの後、小形プロデューサーは、

「これは多分、断られるだろうなあ……」

と絶望していたそうだ。

だが、菊地氏は「サンダーボルト」の作曲を快く引き受けてくれただけでなく、驚いたことに、次に打ち合わせをしたときは、なんと「サンダーボルト」の魅力に引き込まれたのか、原作を読み込んで当の小形プロデューサーよりも詳しくなっていたそうだ。

参考

TBSラジオ AM954 + FM90.5 ガチのジャズミュージシャンで作った「機動戦士ガンダム サンンダーボルト オリジナルサウンドトラック」特集!『菊地成孔の粋な夜電波』(金曜24時〜)第262回(2016年6月3日)

ジャズ界の異端児・菊地成孔氏のユニークな提案

ところで、菊地氏は「サンダーボルト」の作曲を引き受けるに当たって、実にユニークな提案をしている。

菊地氏が注目したのは、イラク戦争の際に、実際に兵士達がヘヴィメタルやヒップホップなど、自分のお気に入りの曲を聴きながら戦っていたという事実だ。

この事実を踏まえて、菊地氏は監督に、イオ・フレミングとダリル・ローレンツが聴いているiPodの中身を推測してそのプレイリストを作ろうと提案したそうだ。

それゆえ、「サンダーボルト」の曲は、一般的なアニメ曲のようなありきたりな劇伴(キャラクターが登場すると、そのキャラのテーマ曲として劇中で流れる音楽)ではなく、2人の主人公のお気に入りの曲のプレイリストなのだ!

実際、「サンダーボルト」のサントラは、前半部分が、イオ・フレミングが好むフリー・ジャズから構成され、後半部分が、ダリル・ローレンツが好むオールディーズから構成されるという異色の構成となっている。

このような経緯から、「サンダーボルト」では、

「登場人物達が、その場で聴いている音楽」

が曲作りのコンセプトとなる一方で、それ以外のBGMはあえて最小限に抑えられている。

そのため、視聴者は、音楽を通じて戦場にいる登場人物達の感覚を追体験できるというわけだ。

そういう意味で、まさしくジャズ界の異端児ならではのユニークな提案といえるだろう。

参考

行きは良いよい帰りはこわい…!? 復路はピンチの連続!

 「サンダーボルト」の曲がフリー・ジャズになった経緯

ところで、「サンダーボルト」の原作において、冒頭でイオ・フレミングが聴いていた曲は、ジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」という曲だ。

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Giant Steps

攻撃的なイオ・フレミングが聴いているのだから、さぞかし戦意を高揚させるような殺伐とした曲なのだろう、と思えばそうでもなく、「ジャイアント・ステップス」という曲は、流れるような曲調のノリノリの楽しい雰囲気のジャズだ。

菊地氏によると、原作でイオが聴いているジャズは、ジャズの中でも「ハードバップ」と呼ばれる比較的優しげなジャンルの曲だそうだ。

一瞬の判断の過ちが命取りとなる戦場で、ノリノリの曲を聴きながら戦争をエンジョイしているイオ・フレミングの感性も凄まじいが、菊地氏は、戦争のBGMとしては、のんびりとしているというかむしろ楽しげな曲ではないかと感じたそうだ。

そこで、菊地氏は、イオの聴くジャズをもっとイオらしいアバンギャルドで攻撃的なフリー・ジャズにしたらどうかと監督に提案したそうだ。

また、このようにフリー・ジャズにすることで、ダリルの聴くメローなテンポで恋愛を歌う50年代のアメリカンポップスとの対比を際立たせることもできるというわけだ。

菊地氏は「サンダーボルト」のスタッフにさまざまな種類のジャズを実際に聴いてもらったところ、60年代のフリー・ジャズに対する反応が一番良かったため、エリック・ドルフィーやジョージ・ラッセルなどのフリー・ジャズを意識して作曲したそうだ。

フリー・ジャズとは

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フリー・ジャズ

ここで、フリー・ジャズになじみの薄い読者も多いと思うので、フリー・ジャズとは何か、簡単に説明しておこう。

現代のモダン・ジャズは、1940年初頭に生まれたビバップ(bebop)がその起源とされている。

ビバップは、トリオやカルテットなどの小編成で演奏し、楽譜にとらわれずに自由に演奏するアドリブを重視するコンセプトの演奏スタイルだ。

名作アニメ「カウボーイビバップ」や、ヤンキー漫画の先駆けである「ビーバップハイスクール」などのタイトルにも「ビバップ」(または、「ビーバップ」)という言葉が用いられているが、これは、ビバップの

個人のアドリブがメインの自由なモダン・ジャズ風の演奏をする

という、もともとのジャズ用語の意味から、

自由で粋な振る舞いをして生きる

という意味で、例えば、ビバップ・スタイルで生きるというように用いられる。

このように、ビバップとは、アドリブをメインとする自由な演奏形式ではあるが、原曲のコード進行に沿って演奏するという制約がある。

そのため、ビバップは、早くも1950年代の終わり頃には行き詰まってしまう。

なぜ、行き詰まってしまったのか?

ビバップがアドリブを重視するといっても、原曲のコード進行に忠実に演奏するため、誰がやっても似たようなアドリブになってしまい、新鮮みがなくなってマンネリ化してしまったのだ。

このビバップのマンネリ感を打開するために生まれたのがフリー・ジャズだ。

フリー・ジャズは、ひと言で言えば、従来のジャズの理論や表現などのルールを否定して、自由(フリー)に演奏することによって、ビバップのマンネリズムを打開しようとする流れから生まれたジャズだ。

そして、このような流れの中で、ジャズの世界に新星のごとく現れたフリー・ジャズの先駆者が、南部テキサス州生まれの天才サックス奏者であるオーネット・コールマンだったのだ。

既成のルールによる停滞感から自由への渇望が生まれる

ところで、既成のルールを否定して自由な表現形式に至る一連の流れは、別にジャズの世界に限らず、あらゆる芸術や文化に共通の現象といえるだろう。

芸術や文化が成熟すると、たいていマンネリによる停滞感が生じる

こういうとき、マンネリの元凶となった芸術や文化のルールそのものを否定し、破壊しようとする革新者が現れる。

漫画の世界でいうなら、下のようなルールが、すぐれた漫画を描くに当たって、守らなければならない既成のルールとされていた。

「面白い漫画は、起承転結で描くべき」

「漫画は、絵がうまくて当たり前」

「漫画の主人公は、格好よくて頭が良くなければならない」

上のルールは確かに、面白い漫画を生み出すルールの1つとはいえるが、みんながみんな、同じルールを忠実に守って漫画を描き出したら、その結果はいわずとも明らかだろう。

そう、多くの漫画がマンネリ化してしまうのだ。

もちろん、漫画家一人一人の作風の違いはあるだろう。

だが、それはちょうど、ビバップにおけるアドリブのようなものであり、結局、誰が描いても大筋は同じようなストーリー展開になり、読者はいい加減ウンザリしてしまうのだ。

だが、そんなあるとき、既成のルールに疑問を抱く革新者が、さながら魔王を倒す勇者のごとく、漫画界に颯爽と現れる。

「起承転結? そんなルールなんかクソ喰らえだ!」

「絵がヘタだからって、どうしたっていうんだよ? 読める程度に上手ければ十分だろ!」

「漫画の主人公がカッコ悪くてバカで何が悪い! そんなこといってるから、面白くて斬新な作品が作れないんだろーが!」

こういって、それまでの漫画の常識的なルールを破る革新的な漫画家達が、次々と登場した。

例えば、「バカボン」などで実験的な作品を次々と生み出した天才・赤塚不二夫が、まさしくその代表例といえるだろう。

もちろん、ジャズ界のオーネット・コールマンや、漫画界の赤塚不二夫のような従来のルールを否定し、破壊する革新的な人物は、あらゆる芸術や文化の世界に存在する。

例えば、一点透視図法などの従来の絵画のルールを否定し破壊すべく、新たにキュビズムを創始したパブロ・ピカソや、超自然的なものを想定するプラトン以来の従来の哲学のルールを否定し、新たな反哲学を生み出したフリードリヒ・ニーチェなどはその好例だ。

このような流れを一般化すると、以下のような感じになる。

新しいジャンルが生まれる

 ↓

そのジャンルが理論化され、誰もが従うべき既成のルールが定められる

 ↓

既成のルールに縛られて新しいものが生まれなくなり、マンネリ化する

 ↓

既成のルールそのものを否定・破壊し、自由を求める革新者が生まれる

このように、既成のルールを否定・破壊し、自由を求める革新者が生まれる流れは、あらゆる芸術や文化がいずれは行き着く必然ともいえる流れなのだ。

「サンダーボルト」とフリー・ジャズの不思議な共通点

ここで、勘のよい読者なら、すでにお気づきのことと思うが、実は、「サンダーボルト」自体、従来のガンダムシリーズの常識ともいえる既成のルールをとことん否定し、破壊したところに、フリー・ジャズが生まれた経緯と不思議な共通点があるといえる。

そういう意味でも、従来のガンダムシリーズの既成のルールを否定し、破壊する異色のガンダムである「サンダーボルト」のBGMには、まさしくフリー・ジャズが似合うのだ。

なお、ここで一つ注意しておきたいが、「サンダーボルト」の音楽に多大な影響を与えたエリック・ドルフィー自身は、従来のジャズのコード進行に沿ってアドリブを展開しているため、厳密には、フリー・ジャズではなく、アバンギャルド・ジャズ(前衛ジャズ)に属するそうだ。

参考

一方、「サンダーボルト」の音楽に影響を与えたもう一人のジョージ・ラッセルは、フリー・ジャズの誕生に貢献する革新的なジャズ理論を生み出し、1960年に「Jazz in the Space Age(宇宙時代のジャズ)」という前衛的なジャズアルバムをリリースしている。

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JAZZ IN THE SPACE AGE + 5

だが、ラッセル自身も、エリック・ドルフィーと同様に、従来のジャズのルールを捨てきれず、完全なフリー・ジャズの境地には至らなかったようだ。

参考

興味があっても敷居が高く、どれから聴けばいいのかわからないJazz。そんなJazzをわかりやすく解説するブログです。ファースト・ジャズにうってつけの作品を選りすぐってご紹介。アルバム紹介のみならず、様々な角度からの分析、ジャズの歴史、ジャズ関連情報もお届けします。

それゆえ、「サンダーボルト」の曲が厳密にフリー・ジャズかと問われれば、実は、完全には肯定しきれない。

それはちょうど、「サンダーボルト」が従来のガンダムシリーズの常識的なルールを否定し、破壊しつつも、どこかで従来のガンダムシリーズへのリスペクトを捨てきれず、あくまで前衛的(アバンギャルド)なスピンオフとしてのガンダムの地位に甘んじて、完全にフリーでオリジナルのガンダムに徹し切れていない点と共通しているようにも思われる。

だが、将来、従来のガンダムシリーズの既成ルールから完全に解放された、新しいフリー・ガンダムを太田垣先生が描いてくれるかもしれない。

それゆえ、原作の今後の展開に大いに期待しよう。

 「サンダーボルト」のサントラ前半のレビュー

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オリジナル・サウンドトラック「機動戦士ガンダム サンダーボルト」/菊地成孔

というわけで、いよいよ「サンダーボルト」前半のフリー・ジャズのパートの簡単なレビューを行いたい。

【1曲目】サンダーボルト・メインテーマ用

というわけで、1曲目は、サンダーボルトのフリー・ジャズパートのメインテーマだ。

アニメ「サンダーボルト」では、冒頭の戦闘シーンで使用される。

冒頭から激しいパーカッションで始まるオープニングは、これから始まる激しい戦闘を予感させ、これから何が始まるんだ!?と聴く者の心をわくわくさせる。

パーカッションの後に続くベースの旋律が、エリック・ドルフィーの「Out To Lunch!」の旋律をモビルスーツのスピード感さながら、テンポ良くスピーディーにブラッシュアップした感じで、実にかっこいい。

続いて、派手なサックスのソロが吹き荒れるが、これこそ「サンダーボルト」のフリー・ジャズパートの真骨頂ともいえるだろう。

「ここ! ここんとこが出撃前にはいいんだ!」

引用「機動戦士ガンダム サンダーボルト」太田垣康雄

イオが興奮するのもむしろ当然だ。

この曲は、その激しさゆえに、初めて聴いたときは面食らうが、何度も聴いているうちに(私自身、この記事を書いている時点で既に数十回は聴いている)、思わず病みつきになるほどの危険な旋律

戦闘中にこんな曲を聴いている敵に出会ったら、自分なら迷わず逃げるだろう。

また、サックスのソロの後で延々と続くピアノソロも、戦場の狂気を感じさせ、実に素晴らしい。

オープニングから4分13秒の曲だが、その長さを感じさせないほどあっという間に終わる。

冗長な旋律の繰り返しがなく、パターン化されていないため、全く曲の長さを感じさせないのだろう。

というわけで、この曲をさりげなく友達の前で流し、

「実はこの曲、ガンダムなんだぜ・・・」

と呟いてみよう。

「え! マジ!? (゜Д゜)」

という、友達の驚愕にこわばった顔を見ることができること請け合いだ!

アニメの曲もここまで進化したということを実感できるクオリティの高い曲だ。

ジャズの通も認めるクオリティとは、まさしくこの曲のことをいうのかもしれない。

【2曲目】戦闘中(激戦状態)用

いきなりサックスの狂気のようなソロから始まる。

30秒後にベースがサックスの狂気の旋律を追っていくが、始終サックスのソロが駆け抜けていく感じだ。

アニメでは、超高速でデブリをよけながらサンダーボルト宙域を疾走するジムに合わせて使用される。

曲の密度の濃さに最初は圧倒されるかもしれないが、聴けば聴くほど病みつきになる不思議な曲だ。

「アニメには、やっぱフリー・ジャズだ!」

ここまでいえるようになれば、あなたも立派なアニメ・ジャズリスナーといえるだろう。

【3曲目】SE 1 1950年代疑似(フル・アコースティック)

3曲目は、ジョージ・ラッセルの「Jazz in the space age (1960)」を彷彿とさせる曲だ。

まるで無重力の中に浮かぶような怪しげなチェレスタの旋律は、まさしく宇宙時代のガンダムジャズにふさわしい曲といえるだろう。

この曲は、アニメの冒頭において、破壊されたサイド4コロニーの残骸が浮かぶシーンに使用されている。

短い曲ながらも、ビッグガンを手にデブリの陰から虎視眈々と哀れな獲物を狙うザクの不気味さが際立たせる一曲といえる。

【4曲目】戦闘開始用

4曲目は、不安をかき立てるようなビートを奏でるベースに、左右両サイドから流れるピアノがせめぎ合うように流れる破局感あふれる旋律が印象的な曲だ。

これもまた、「Jazz in the space age (1960)」におけるビル・ エヴァンスとポール・ブレイによるダブルピアノを意識した曲といえるだろう。

【5曲目】戦闘配置用

5曲目は、流れるようなベースに、たたみかけるようなシンバルとピアノの旋律が印象的な曲だ。

アニメでは出撃前の緊張感あふれるシーンで使用されており、戦闘配置につく兵士達の慌ただしい雰囲気をうまく表現している。

【6曲目】出撃用

6曲目は、冒頭のピアノの旋律が不条理な雰囲気を醸し出す曲だ。

また、ときおり吹き荒れるサックスにチェレスタの旋律が不思議とかみ合って、いきなり戦場の放り出させる理不尽さがうまく表現されている。

【7曲目】SE 1 2050年代疑似(フル・エレクトリック)

3曲目のSE 1 1950年代疑似(フル・アコースティック)と似たようなテイストだが、音楽が人間ではなく、コンピュータによって作曲された未来感あふれる音声が特徴的な実験的な曲だ。

未来にジャズのAIが開発されたら、こんな曲を作るのではないかという妄想が思わず炸裂する点で楽しい曲だ。

「サンダーボルト」のサントラ後半のレビュー

一方、ガチガチのフリー・ジャズで固めたサントラの前半とは対照的に、後半はダリル・ローレンツ好みの50年代アメリカの懐かしのオールディーズだ。

アニメでは、これらのオールディーズがラジオから流れてくる演出が実に心憎い。

だが、モビルスーツで戦闘を行う宇宙時代に、レトロなデザインのラジオでオールドアメリカンなオールディーズを聴くダリルは、ある意味、かなりの通だといえるだろう。

個人的には、殺伐としたフリー・ジャズを聴きながらジオン軍を恐怖に陥れるイオより、懐かしのオールディーズを聴きながら地球連邦宇宙軍の艦隊を壊滅させるダリルのほうがはるかに恐ろしい

それはともかく、後半のオールディーズを聴くと、どの曲も前半のフリー・ジャズに劣らず、かなり気合いのはいった本格的な曲で驚かされる。

それもそのはず、菊地成孔氏自身、オールディーズの大ファンであり、「サンダーボルト」のオールディーズの作曲はとても楽しい経験だったそうだ。

「サンダーボルト」のオールディーズの作曲に当たり、菊地氏が特に意識した点は、本場のアメリカ人が聴いたときに、本物のオールディーズと錯覚するくらいガチのオールディーズを作曲しようとしたとのことだ。

「曲を作るのなら、アメリカで聴いた人が『このレコード、どこで売ってるの?』とか『検索しても出て来ない』って言わせなきゃいけない。それくらいの水準の曲を作ろうと思った」

引用 Rolling Stone JAPAN 菊地成孔インタビューより

実際、「サンダーボルト」のオールディーズ曲を、たまたまラジオで流れているのを聴いたとしても、誰もこれらの曲がアニメの曲とは思いもしないだろう。

それくらい、曲の作り込みが半端ないのだ!

それゆえ、前半のフリー・ジャズばかりに注目して、後半のオールディーズをないがしろにするのは、大変もったいないといえるだろう。

というわけで、早速「サンダーボルト」のオールディーズの簡単なレビューに移るとしよう。

【8曲目】白い部屋〜White day in the blue〜

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Day Dreaming

前半の激しいフリー・ジャズとはうってかわって、スローなテンポのしっとり大人びた女性のヴォーカルが光る一曲。

ヴォーカルはギラ・ジルカ(Geila Zilkha)

イスラエル人の父と日本人の母から生まれたハーフで、神戸生まれだが、ボストンのバークリー音楽大学に留学し、本場仕込みのジャズ・ヴォーカルを学んだそうだ。

ギラ・ジルカ氏は、2010年5月には、第11回神戸ジャズ・ヴォーカル・クイーンコンテストでグランプリを受賞し、多くのジャズ関係者・リスナーを驚かせ、ジャズの専門誌や朝日新聞等で大きく取り上げられたほどの逸材だ。

参考

インターナショナルなエッセンスと母国語である英語と日本語を自由に使いこなすJazz Vocalist。そのヴォイスキャラクターが各方面から期待を集めている。

この曲は、中盤の品性あふれるピアノのソロが聴きごたえがある。

バーの片隅で一人グラスを傾けながら、いつまでも昔の感傷に浸っていたい感じの大人の曲といえるだろう。

【9曲目】あなたのお相手〜I’m your baby〜

底抜けに明るくのびのびと歌う女性シンガーのガールズ・ポップ。

手拍子もあり、聴いているだけで楽しくハッピーになれる曲。

だが、アニメでは、この明るい曲に合わせてノリノリの気分で、ダリルのビッグガンに狙撃されたジムが次々と破壊されまくるという恐ろしいシーンだ。

これだけ脳天気ともいえる明るい曲を口ずさみながら、戦場で敵を片っ端から狙撃できるという意味で、もしかすると、イオよりもダリルのほうがはるかに怖いのかもしれない。

口ずさみたくなるようなノリのいい曲という意味で、まさしくオールディーズの王道のような曲だ。

これがガンダムの曲ではなく、50年代のアメリカで流行したオールディーズだといわれても、まったく違和感がないという意味で、菊地成孔の目論見はまさしく成功しているといえるだろう。

【10曲目】イエスのガール〜Yes girl〜

10曲目のヴォーカルもギラ・ジルカのパラフルかつソウルフルな歌声が魅力的な一曲。

ギラ・ジルカのテンポのいいヴォーカルが、ピアノとベースとうまい具合に絡まって、聴いていて思わずダンスをしたくなるようなノリノリの曲だ。

特に、中盤のピアノソロのリズミカルな旋律が実に素晴らしい。

思わず肩を揺らし、かかとでリズムをとってしまいたくなるようなノリノリの楽しい旋律は、まさしくジャズの醍醐味といえるだろう。

だが、実はこの曲は、ダリルがジオン軍の最終兵器であるサイコ・ザクで宇宙空間を縦横無尽に駆け抜け、ムーア同胞団の艦隊を一隻残らず全滅させる、ある意味、恐ろしいシーンで使用される。

「サンダーボルト」は、こういう選曲が実にシュールだ。

ひょっとして、サイコ・ザクと一体化してダリルの高揚した気分を反映しているのかもしれない。

アニメ界の大御所である久石譲大先生や潔癖症の田中公平大先生なら、このような確信犯的な選曲はありえないだろう。

そういう意味で、菊地成孔は、アニメ曲の世界においても従来の固定観念を覆す革新的な異端児といえるのかもしれない。

【11曲目】女の子に戻るとき〜The dreaming girl in me〜

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Someday

「サンダーボルト」のオールディーズパートのテーマ曲ともいえる美しいカントリーバラード。

どことなく懐かしさを感じるメロディは、まさしく夢見る少女を連想させ、聴く者のハートを癒やす。

ヴォーカルは、カントリーシンガーの坂本愛江(さかもと よしえ)だ。

彼女の父親は、カントリー歌手の坂本孝昭であり、母親は、吉田拓郎とともにエレックレコードの最初のフォークシンガーとしてスカウトされ、レコードデビューした元歌手の朱由美子だ。

坂本愛江は、日本でもっとも人気のある女性カントリーシンガーの一人であり、ブルーグラスバンドに参加しながらカントリーアルバム「SOMEDAY」をリリースし、オクラホマ州ガスリーで開催されるブルーグラスフェスティバルに参加して国際的にも高い評価を得ている。

参考

カントリーシンガーの坂本孝昭を父に、かつて吉田拓郎と共にエレックレコードの最初のフォークシンガーとしてスカウト…

アニメでは、ダリルがリユース・サイコ・デバイスのテスト走行を行うときに、この曲を聴き、過去を思い出して涙を流すシーンが印象的だ。

坂本愛江の優しく語りかけるような郷愁をさそう歌声は、聴くだけで最高に泣ける曲だ。

【12曲目】年寄りになれば〜I’m 60〜

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Overture~Ayumu sings 80’s Women Songs~

12曲目は、テンポのいいジャズ。

ヴォーカルは、ジャズシンガーの矢幅歩(やはた あゆむ)

ヴォーカリストの母親とフルート奏者の父親の影響を受け、幼い頃からジャズやブラックルーツ・ミュージックに親しんだハスキーボイスが魅力的なシンガーだ。

前述のギラ・ジルカとツインヴォーカル・ジャズユニット「SOLO-DUO」を開始し、多くのアルバムをリリースしている。

アニメ関係では、ジブリ曲のカヴァーアルバム「ELECTRO SWING GHIBLI」(アットラウンジ)に参加し、クラブジャズアレンジの「もののけ姫」を英語詞で歌ったこともある。

参考

ヴォーカリスト矢幅歩 公式ウェブサイト

この曲の聞き所は、中盤のピアノのソロと、それに続くベースとのノリノリの競演だ。

聴いていて思わずリズムをとりたくなるグルーヴ感あふれる一曲だ。

アニメでは、雪降るクリスマスの夜に、ダリルが父親に愛用のラジオを買ってもらう回想シーンに使用されている。

【13曲目】ただ泣くだけ〜Oh god, I’m alone〜

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中沢ノブヨシLIVE!

13曲目は、懐かしい感じのドゥーワップ・コーラス。

ヴォーカルの中沢ノブヨシのソウルな歌声がまた渋くて格好いい。

中沢ノブヨシは、元関脇の富士櫻栄守の長男であり、パワフルな歌声が持ち味だ。

「DREAMS COME TRUE WONDERLAND」のバッキング・ヴォーカル・オーディションで約3,000名の中から抜擢され、44万人を動員したツアーに参加し、同年USENインディーズ総合チャートで1位を獲得し、リクエストチャートでは4集連続トップ20位台をキープしたほどの抜群の歌唱力の持ち主だ。

参考

https://ja.wikipedia.org/wiki/中澤信栄

この曲は、中盤のサックスのソロがのびのびとしていて大変素晴らしい。

どこかで聴いたことのある旋律は、本場のアメリカ人も思わず涙するかもしれない。

だが、これはガンダムの曲なのだ。

聴いているうちに、ガンダムのサントラだということを忘れてしまう不思議なアルバムといえるだろう。

【14曲目】月のカクテル〜Martini on the moon〜

14曲目は、ラテン風のコーラス。

月のカクテルは、菊地氏自身がヴォーカルをつとめている。

菊地氏の歌声はかなり爽やかなのに驚く。

アニメでは、ダリルの少尉への昇進祝いの際に使用されている。

こうやって聴くと、ダリルの曲の好みは実に幅広いといえるだろう。

【15曲目】ただ二人だけ〜We’re the only ones here in this

15曲目も、中沢ノブヨシの魂をゆさぶるような熱い歌声が魅力的な一曲。

アニメでは、出撃前にイオが少年少女パイロット達に訓示を垂れるシーンで使用される。

消耗品として扱われるだけの少年少女達へのストレートな言葉に、イオの人間らしい側面を垣間見ることができるシーンだ。

【16曲目】あたしのカントリー・ソング〜Fan of the hay〜

16曲目は牧歌的なカントリー・ソング。

アニメでは、イオの父親の好きだった曲として使用される。

イオ自身は、この曲がしみったれた曲として好きではないようだが、父親のネガティブな記憶を思い起こさせるからかもしれない。

しかし、カントリー・ソングまであるとは、「サンダーボルト」の曲は実にバラエティに富んでいる。

【17曲目】RONALD REAGAN OTHER SIDE

ラストの曲は、菊地成孔氏主宰のビッグバンドであるdCprG(ディー・シー・ピー・アール・ジー)の新曲であり、ディレクターズカット版のエンディングテーマとして使用されている。

菊地氏によると、dCprGは、もともと戦場それ自体を音楽化するというコンセプトで始めたバンドだそうだ。

それゆえ、戦場で戦う兵士達の物語であるガンダムとの出会いは、偶然というにはあまりにも不思議な運命の引き合わせといえるかもしれない。

超一級のジャズミュージシャン達がガンダムに結集!

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WOW

以上、「サンダーボルト」のサントラの簡単なレビューを行ったが、1曲1曲が実に丁寧に作られており、これからも菊地成孔の「サンダーボルト」の作曲に気合いの入りようが分かるだろう。

「でも、どうせアニメの曲なんだし、どうせ適当なメンバーで適当に録音したんでしょ?」

アニメのサントラと聞くと、「子供向け」というイメージがいまだに根強いためか、このような昭和的な偏見をいまだに抱いている人もいるかもしれない。

だが、それは大きな誤解だ。

なぜなら、「サンダーボルト」の作曲に参加したメンバーは、バークリー音楽院を首席で卒業し、ジャズ界の名門クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードに日本人として初めて自分のグループを率いて出演した天才ジャズ・ピアニストの大西順子(おおにし じゅんこ)や、ニューヨークでフリー・ジャズに目覚めて以来、フリー・ジャズを中心に幅広い分野で活躍し、世界のメディアから高い評価を受けている天才サックス・プレイヤーの梅津和時(うめず かずとき)など、

ジャズ界ではいずれも超一流として知られるメンバーばかりなのだ。

すなわち、ジャズ界の天才的カリスマ作曲家が、超一流のジャズメンバーを集めてガチで作った超一流のガンダム・ジャズ!

それこそが「サンダーボルト」の曲であり、だからこそ、ジャズの通も文句をつけようのない傑作なのだ。

従来のアニメ曲の常識を覆す菊地成孔の恐るべき野望

スピンオフとはいえ、2大国民的アニメである「ルパン三世」と「ガンダム」の作曲を制覇した菊地成孔の野望は、この程度では終わらないだろう。

実際、菊地氏は「ルパン三世」以降のアニメジャズ曲の根底にあった、

ジャズ = 男と女の粋な物語

という、従来凝り固まったイメージを打ち破り、

宇宙の戦争とフリージャズ

という、真新しい組み合わせを提示することにより、今後のアニメとジャズ音楽の新しい可能性を示せたのではないかと語っている。

参考

行きは良いよい帰りはこわい…!? 復路はピンチの連続!

すなわち、従来のガンダムシリーズの常識をことごとく否定し破壊した太田垣先生と同じく、菊地成孔もまた、

従来のアニメジャズの常識を覆す

という点で、従来のアニメ曲の常識を覆し、新たな時代の革新者となりえるのかもしれないのだ!

今後のアニメジャズ企画について

以上、「サンダーボルト」の曲の魅力について、まだまだ十分に語り尽くせたとはいえないが、文字数が20,000字を超えて、気力が尽きてきたので、今回はこの辺にしておきたい。

オタクというのは、外部からアニメや漫画などの栄養分を吸収せずに、ひたすらアウトプットばかりの生活を送っていると、そのうち妄想ができなくなって健全なオタクライフを送れなくなる、悲しい生き物なのだ。

特に、ここ最近はブログの書き続けでなおさらだ。

その結果、私のテンションは、さながら度重なる戦闘に疲れたジオン軍の兵士のように停滞気味だ。

「ああ、しばらく見てねえなあ・・・X口マンガ先生(←おい)

というわけで、本ブログでは、今後もときどき、さまざまなアニメジャズを取り上げては、その魅力について、オタクならではの視点で熱く語っていきたい

それでは、君たちもアニメ・フリージャズの新たな境地を開拓して、ぜひ充実したオタクライフを満喫してほしい。

オタクパパより愛を込めて! 

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