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少女アニメ曲も超絶テクで弾きまくる!日本最強のフュージョンジャズ【アニソンフュージョンAX】

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親愛なる読者諸君!

オタクパパだ!

 

今回は、大人のためのアニメジャズ入門第8弾だ。

 

この企画では、これまで1000曲以上ものアニメ関連のジャズを聴いてきたオタクパパが、大人のリスナーのためにさまざまなアニメジャズを紹介する。

 

今回は、アニソンを超絶テクで演奏したアルバム

「アニソンフュージョンAX」(ラスボス009)

を紹介したい。

フュージョンジャズとは

ところで、「フュージョンジャズ」とは何だろうか?

 

「フュージョン(Fusion)」には、

「融合」「統合」

という意味がある。

 

それゆえ、「フュージョンジャズ」は直訳すれば、

「融合ジャズ」

といえるだろう。

 

フュージョンジャズは、その名のとおり、ジャズをベースとして、ロックやラテン音楽、電子音楽などの他のジャンルの音楽が融合したジャンルのことだ。

 

1960年代の後半から、モダン・ジャズの帝王マイルス・デイヴィス達によって、電気楽器やロック風の奏法を取り入れた新しいジャズの演奏スタイルとして、ジャズ・ロックやエレクトリック・ジャズが生まれたのが、フュージョンジャズ誕生のそもそものきっかけだ。

 

また、1970年代には、ソウル・ミュージックやラテン音楽などの要素も貪欲に取り入れ、従来のジャンルの垣根を超えて融合するスタイルはクロスオーバー(Crossover)が盛んになった。

ジャズとアニソンが融合した新世代の音楽

ところで、フュージョンをわかりやすいイメージでいえば、

音楽ジャンル同士の国際結婚

のようなものといってもいいだろう。

 

すなわち、

黒人由来のジャズと白人由来のロックが結婚→ジャズ・ロック

黒人由来のジャズと南米由来のラテン音楽が結婚→ラテン・ジャズ

といった感じだ。

 

そして、黒人由来のジャズとアキバ由来のアニソンが結婚して生まれたのが、ここで紹介する

アニソン・フュージョン・ジャズ

なのだ!

 

というわけで、ジャズとアニソンが融合した新世代の音楽アルバム「アニソンフュージョンAX」の魅力に迫ってみよう。

アニソンフュージョンAXの魅力に迫る

Amazonリンク アニソンフュージョンAX

(*画像をクリックするとAmazonリンクにとびます)

アニソンフュージョンAXのジャケットは夜の都会をイメージしたものだ。

 

実際、収録されている曲はどれも疾走感あふれる曲ばかりで、夜のドライブに聴くのが最適だろう。

 

個人的には、2次元萌え少女がエレキギターを弾きまくっているイラストにしてほしかったりするが、そんなジャケットにすれば、CDアルバムを取り出した時点でドン引きされてしまうおそれもある。

 

一方、このジャケットなら、一見、アニソンにはみえないため、ジャケットを取り出しても周囲からドン引きされないというメリットがあるため、ある意味、

隠れオタにとっての理想形

といえるかもしれない。

 

もっとも、

中身はガチのアニソンの

フュージョンジャズアレンジ

であることはいうまでもない。

アニソンフュージョンAXの豪華すぎるメンバー

ところで、アニソンを題材にしたフュージョンジャズと聞くと、どことなく色物感がぬぐえず、また、「ラスボス009」という、聞いたこともないような演奏者名のため、

「どうせニコニコ動画などで、どこの馬の骨ともしれない素人ミュージシャンが作った、えたいのしれないアルバムだろ!」

という先入観を抱く人も多いかもしれない。

 

だが、このアルバムを手がけているのは、

「CASIOPEA」

「T-SQUARE」

「DIMENSION」

「TRIX」

の現/元メンバーであり、いずれも日本のフュージョン界を代表する超一流のテクニックをもったミュージシャンばかりだ。

 

以下、各メンバーの概要を紹介しよう。

CASIOPEA(カシオペア)

CASIOPEA(カシオペア)は、1977年に結成されて以来、圧倒的な演奏テクニックで一世を風靡し、日本にフュージョンブームを巻き起こした日本屈指のフュージョンバンドだ。

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T-SQUARE(ティー・スクエア)

T-SQUARE(ティー・スクエア)も、1976年にギタリストの安藤まさひろを中心に結成された日本を代表するフュージョンバンドの一つだ。

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DIMENSION(ディメンション)

DIMENSION(ディメンション)は、小野塚晃(おのづか あきら、キーボード、プログラミング)、勝田一樹(かつた かずき、サックス)、増崎孝司(ますざき たかし、ギター)の3名からなる日本屈指のフュージョンバンドだ。

Amazonリンク 26

TRIX(トリックス)

TRIX(トリックス)は、元CASIOPEAの熊谷徳明(ドラム)と元T-SQUAREの須藤満(ベース)、AYAKI(キーボード)、佐々木秀尚(ギター)からなるKing Records所属のフュージョンバンドだ。

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TRIXは、コミカルな要素も多いが、元カシオペアと元T-SQUAREの元メンバーが母体となっているため、バンド演奏の評価も高い。

 

以上からも分かるように、「アニソンフュージョンAX」は、日本を代表するフュージョン界のスーパー・ミュージシャン達が集まって、往年のアニソンのフュージョンジャズアレンジを超絶的なテクニックで演奏するという、夢のようなアルバムなのだ。

 

日本屈指のメンバーが集まって作られたアルバムだけあって、その超絶的なテクニックは半端ではない。

 

一度聴いたら、あまりの上手さに思わず病みつきになるようなヤバさなのだ。

 

実際、私自身、演奏者名をよく確認せずに、

「ラスボス009? 

 どこの馬の骨だよ?

 どうせニコニコ動画出身の素人ミュージシャンの安易な作品だろ?」

と思って、まったく期待せずにアルバムを聴き始めたのだが、ギターの旋律が流れたとたん、そのテクニックのあまりの半端のなさに衝撃を受け、頭が真っ白になって道路の真ん中で立ちすくんだほどだ。

 

そして、演奏者名を見て、「CASIOPEA」「T-SQUARE」「DIMENSION」「TRIX」といった日本のフュージョン界で超一流のテクニックをもったメンバーが演奏したことを知って仰天したのだ!

 

それゆえ、もしこのアルバムの評価が不当に低いとすれば、それはおそらく、どこにでもありそうな無個性なジャケットと「ラスボス009」という知名度皆無の演奏者名によるものだろう。

 

そのため、海千山千ともつかぬ単なる企画物のアルバムの海の中に埋もれてしまったのだ。

 

もしこのアルバムが、人気のイラストレーターによる斬新なジャケットと、「CASIOPEA」「T-SQUARE」「DIMENSION」「TRIX」の言葉が入った演奏者名でリリースされていたなら、おそらくもっと大きく注目され、数多くのブログで取り上げられていただろう。

 

それゆえ、これだけ素晴らしい演奏テクニックの際立つアルバムが埋もれているとは、実にもったいない話だ。

 

だが、この手のアニソン系のアルバムには、このように

全く注目されることなく、

埋もれてしまった神アルバム

が意外と多いのだ。

 

これだけ素晴らしいアルバムが埋もれてしまうのはあまりに惜しいため、本ブログに取り上げることにしたというわけだ。

「アニソンフュージョンAX」の各曲レビュー

というわけで、以下、「アニソンフュージョンAX」の各曲のレビューを行ってみよう。

【1曲目】デリケートに好きにして

Amazonリンク BEST COLLECTION 魔法の天使クリィーミーマミ

1曲目は、TVアニメ「魔法の天使クリィミーマミ」のオープニングテーマ「デリケートに好きにして」だ。

 

「魔法少女クリィミーマミ」は、「うる星やつら」のヒットで知られたスタジオぴえろによるぴえろ魔法少女シリーズ第一作だ。

 

ちなみに、「魔法少女クリーミーマミ」とよく間違えられるが、「魔法少女クリィミーマミ」であり、注意したい。

 

「魔法少女クリィミーマミ」は、魔法少女アニメにアイドルというこれまでにない要素を取り入れた点で斬新な作品だ。

 

今でこそ、「アイドルマスターシリーズ」や「ラブライブ!」、「アイカツ!」、「プリパラ」などで、アイドルアニメが当たり前の風潮だが、実年齢10歳の魔法少女が16歳のアイドルに変身して、スターへの道を歩んでいくという展開は、当時あまりにも衝撃的だった。

 

それゆえ、小学生の魔法少女×16歳のアイドル少女という

まさしく1粒で2度美味しい

大きなお友達にとっては

たまらない設定

だったのだ!

 

また、「クリィミーマミ」は、主人公に声優を使わず、当時15歳の現役アイドル歌手であった太田貴子を起用した点でも話題を呼んだ。

 

なお、オープニングテーマ「デリケートに好きして」をはじめとして、太田貴子が歌った楽曲は人気が高く、他のアーティストによって数多くカバーされている。

 

さて、「デリケートに好きにして」のアニソンフュージョンAXのアレンジだが、冒頭から伸びやかなサックスから始まり、その後、元TRIXのギタリスト・菰口雄矢(こもぐち ゆうや)のギターが原曲の特徴的な旋律を奏でる。

 

菰口雄矢は、 11歳よりギターを始め、14歳からジャズギターを土野裕司氏に師事し、ギター・マガジン誌の誌上コンテストなどで受賞を重ね、作・編曲を野呂一生氏に師事した後、プロとしてのキャリアをスタートした。

 

1988年生まれの29歳の若手ギタリストだが、その流れるようなギターテクには目を見張るものがある。

 

だが、彼はギターテクだけでなく、何よりもイケメンなのだ!

Amazonリンク picture

天は二物を与える

とは、まさしく彼のことをいうのだろう。

まったく、うらやましいかぎりだ。

 

だが、このイケメンギタリストが、魔法少女アニメのOPを演奏しているのだ!

日本も変わったものだ…(遠い目)

 

また、中盤のピアノソロが軽やかなサウンドを醸し出し、続くサックスソロもノリノリで全体として明るく楽しい曲に仕上がっているといえるだろう。

 

いすれにせよ、第1曲目に魔法少女アニメのオープニングテーマを堂々ともってくるあたり、ただ者ではない。

 

女子小学生向けの魔法少女アニメの曲を日本屈指のフュージョンバンドの一流ミュージシャンが超絶技巧的なテクニックで演奏する!

 

これぞまさしく、

魔法少女アニメ曲とジャズのクロスオーバー!

といえるだろう。

 

フュージョンジャズの創始者であるマイルス・デイヴィスがこの事実を知ったら、

「魔法少女アニメ曲とジャズのクロスオーバーって、アリエネーヨ!

 日本のミュージシャンの発想は、俺の理解を完全に超えている!

 こいつらクレイジーだ!」

と、ショックのあまり、涙を流して感動するにちがいない。

 

それほど、日本のフュージョンジャズは、世界の最先端を走っているといってもいいだろう!

 

というわけで諸君!

マイルス・デイヴィスも想像もできなかった

魔法少女クリィミーマミのフュージョンジャズを堪能しようではないか!

 

というわけで、第1曲に少女アニメの曲を持ってきただけでなく、ギターの超絶カッコいいフュージョンに仕上げたアニソンフュージョンAXのメンバーに敬礼!

【2曲目】ときめきトゥナイト

Amazonリンク ときめきトゥナイト 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

1曲目は、「ときめきトゥナイト」のオープニングテーマ「ときめきトゥナイト」だ。

 

ときめきトゥナイトは、1982年から少女漫画雑誌「りぼん」で連載をスタートし、12年間にわたる長期連載を経て、累計2600万部を突破した大人気少女漫画だ。

 

吸血鬼と狼女を両親にもつ魔界の女の子・江藤蘭世(えとう らんぜ)と、ぶっきらぼうな少年の真壁俊(まかべ しゅん)とのラブストーリーを描いた作品だ。

 

また、ときめきトゥナイトのTVサントラも出されているが、

CDジャーナルのレビューがボロクソである。

 

Amazonリンク ときめきトゥナイト

以下、引用しよう。

アニメとしては、そこそこ面白かったような記憶がありますが、音楽だけ、こうしてまとめて聴いてみると、ヴァリエーションに乏しく、当時としても1枚のアルバムにするにはムリがあったのでは。

水島裕の1曲だけのために買う人もいたか? 今はいないだろ。

引用「CDジャーナル」データベースより

Amazonのレビューでも、こんな酷いレビューは見たことがない。

 

アニソンフュージョンAXのアレンジだが、オープニングから爽やかなサックスの後、キレのいいギターのサウンドが響く。

 

ギターの演奏は、DIMENSIONの増崎孝司(ますざき たかし)だ。

 

増崎の個性ある音作りと柔軟なギターワークには定評があり、そのサウンドは数多くのギタリストに影響を与えた日本屈指のギタリストだ。

 

Amazonリンク Te Quiero

 

右側の気さくそうなオジサンが、少女アニメのOPを演奏しているのだ。

日本も変わったものだ…(遠い目)

 

また、中盤の小野塚晃(おのづか あきら)によるピアノの演奏も素晴らしい。

 

原曲が少女アニメのオープニングテーマとは思えないほど、ギターのサウンドがカッコイイ一曲だ。

 

運転中の車内でこの曲をさりげなく流し、

後輩

「カッコイイですね! 

 先輩、何の曲ですか?」

と聞かれたら、

「ふ! よくぞ聞いてくれたな!

 『ときめきトゥナイト』のOPだ!

 オレが普段愛読している

 少女漫画雑誌『りぼん』

 連載されてた作品なんだぜ!」

と、堂々と答えるといいだろう。

 

後輩にドン引きされても、まったく恥ずかしさを微塵も感じないほど、ギターサウンドのカッコイイ曲だ!

 

少女アニメの原曲でさえも、違和感なく堂々と人前で聴くことができる。

これぞジャズアレンジの一番のメリットといえるだろう。

【3曲目】TRANSFORMER(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー)

Amazonリンク 超ロボット生命体 トランスフォーマー テーマソングコレクション

3曲目は、TVアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」のオープニング「TRANSFORMER」だ。

 

「トランスフォーマーシリーズ」は、もともと日本国内でタカラ(現タカラトミー)から販売されていた変形ロボット玩具をアメリカのハズブロ社が業務提携し、「TRANSFORMERS」として販売したものが北米を中心に大ヒットし、それを日本に逆輸入したものだ。

 

TVアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」は、1984年に海外で放送が開始された「THE TRANSFORMERS」が日本に輸入された。

 

作画は東映動画(現・東映アニメーション)が担当しているが、脚本や演出はアメリカ側のスタッフが携わっているため、アメリカ製アニメの作風となっている。

 

それゆえ、トランスフォーマーは、もともとは日本生まれだが、アメリカで大ヒットし、日本に逆輸入されて帰ってきたという、いわば国際フュージョン的な作品だ。

 

原曲は、ビートのきいた切れのいいサウンドをバックに、下成佐登子(しもなり さとこ)の格好いいヴォーカルが際立つ名曲だ。

 

一方、「TRANSFORMER」のアニソンフュージョンAXのアレンジだが、これがマジで格好いい!!

 

ギターを演奏するのは、カシオペアのギタリスト兼リーダーの野呂一生(のろ いっせい)だ。

 

野呂一生は、カシオペアのリーダーだけあって、そのテクニカルなギターテクには定評がある。

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特に、中盤のソロにおける流れるような野呂一生のギターテクが凄すぎる!

 

超絶技巧的なギターテクというのは、まさしくこういう技術をいうのだろう。

 

原曲のもつ熱いサウンドがギターで見事に表現されており、

ドライブの最中に聴くと、燃えまくること間違いない曲だ。

【4曲目】NIGHT OF SUMMER SIDE

Amazonリンク きまぐれオレンジ☆ロード Loving Heart

4曲目は、1987年に放映されたTVアニメ「きまぐれオレンジ☆ロード」のオープニングテーマ「NIGHT OF SUMMER SIDE」だ。

 

「きまぐれオレンジ☆ロード」は、もともとは「週刊少年ジャンプ」に連載されていたが、かわいらしい絵柄と優柔不断な主人公が出てくるラブコメ調のストーリーは、どちらかといえば、「少年サンデー」的といえる。

 

だが、孤高の美少女である鮎川まどかとの微妙な関係など、あだち充や高橋留美子などの影響で当時大ブームだったラブコメファンを熱狂させ、全18巻完結集計で2000万部もの累計発行部数を記録した。

 

原曲は、ロックバンド「NOBODY」が作曲し、池田正典(いけだ まさのり)のヴォーカルが爽やかな哀愁漂う名曲だ。

 

ちなみに、池田正典は、この曲で歌のトップテンで10位にランクインを果たした。

 

さて、アニソンフュージョンAXのアレンジだが、増崎孝司のギターが原曲の甘くて切ないメロディを見事に再現している。

 

また、この曲の聴き所はなんといっても中盤の哀愁漂うベースソロだ。

 

ベースは、元CASIOPEAの櫻井哲夫が担当している。

Amazonリンク MY DEAR MUSICLIFE

その圧倒的なまでに変態的なベーステクに驚嘆すること間違いないだろう。

 

また、ベースに応えるような増崎孝司のギターソロも素晴らしい。

 

ベースとギターの激しい応酬が病みつきになる一曲だ。

【5曲目】薔薇は美しく散る

Amazonリンク ベルサイユのばら「薔薇は美しく散る」オリジナル・サウンドトラック&名場面音楽集

5曲目は、TVアニメ「ベルサイユのばら」のオープニングテーマだ。

 

原曲は、過酷な運命に立ち向かわざるを得ないオスカルのあふれるような苦悩の感情を鈴木宏子(すずき ひろこ)が見事な歌唱力で歌い上げた名曲だ。

 

1979年にリリースされた往年のアニメソングだが、この歌のクオリティの高さは未だに色あせないといってもいいだろう。

 

さて、アニソンフュージョンAXのアレンジだが、駆け抜けるような疾走感あふれる曲となっている。

 

歌うように鳴り響くギターを演奏するのは、TRIXの菰口雄矢だ。

 

特に、中盤の元CASIOPEAの櫻井哲夫のベーステクが凄まじい。

 

3分強の曲だが、あっという間に聴き終わってしまうほど、密度の濃い曲だ。

 

その圧倒的なまでの迫力は、美しい薔薇のように革命と愛の中を疾走するオスカルの人生そのものを表現した曲といっても過言ではないだろう。

【6曲目】ゲームセンターあらし

Amazonリンク ゲームセンターあらし (1)

6曲目は、TVアニメ「ゲームセンターあらし」のオープニングテーマだ。

 

「ゲームセンターあらし」は、1979年から1983年にわたり、すがやみつるが少年漫画雑誌「コロコロコミック」にて連載していた伝説のゲーム少年漫画だ。

 

この当時、まだファミコンは登場しておらず(ファミコンの登場は連載終了年の1983年)、ゲームといえば、アーケードゲームだった。

 

原作は、インベーダーキャップをかぶった出っ歯の少年・石野あらしが、インベーダーゲームなどの1970年代~1980年代初期までのアーケードゲームをメインに、さまざまな強敵と対戦するというストーリーだ。

 

また、「ゲームセンターあらし」といえば、やはり数々の個性的な必殺技も欠かせない。

1秒間に200万回以上もの超スピードでレバーを動かし、コンピュータを超える動きで自機を消滅させる

炎のコマ

不安定な飛行船上での対戦で、アップライト筐体で逆立ちでプレイすることで筐体と一体化する

月面宙返り(ムーンサルト)

腕をすり合わせて摩擦により電気を発生させてコンピュータを狂わせる

エレクトリックサンダー

身体を高速回転させる際に発生した空気の流れでレバーを操る

真空ハリケーン撃ち

高速回転により大気中に漂う塵や水蒸気を集めて巨大なレンズを作り出し、太陽光線を集光してできた光と熱の束でゲームマシンを直撃する

レインボーバズーカ

など、そのほとんどが、

ゲームのテクニックとはまったく無関係のチート技

ばかりだ。

 

だが、個性的な必殺技で、強敵を倒す展開は、ある意味痛快でもあり、その熱いストーリー展開に当時の男子小学生達は大いに熱狂したものだ。

 

また、あらしの出っ歯はダイヤモンドよりも硬く、出っ歯でレバーを操る回もあったほどだ。

 

それはともかく、原曲の歌を担当しているのは、アニソンでおなじみの水木一郎だ。

 

昭和アニメ曲のテイスト満載の水木一郎の熱い熱唱が特徴的な曲といえるだろう。

 

アニソンフュージョンAXのアレンジだが、電子的なサウンドから始まり、聴き始めた当初、ネタ曲ではないかと一瞬不安になるような怪しげな旋律から始まる。

 

演奏は、キーボード、ドラム、ギター、ベースの全てを使いこなせるスーパーマルチミュージシャンの川本盛文(かわもと もりふみ)だ。

 

この曲の聴き所は、中盤のラテン風のリズムセッションだろう。

 

全体として、ラテン風のリズムが独特のノリノリ曲に仕上がっている。

 

聴き終わった後、やはりネタ曲だったのか・・・と気づかされる一曲だ。

【7曲目】炎のキン肉マン

Amazonリンク キン肉マン超人大全集

7曲目は、TVアニメ「キン肉マン」の第二期オープニングテーマだ。

 

原曲は、オープニングテーマ「キン肉マンGo Fight!」と同じ串田アキラによるソウルフルな熱いヴォーカルで正義超人達の友情が歌われた名曲だ。

 

「キン肉マン」は、超人・キン肉スグルが、仲間の正義超人とともに、次々に立ちはだかる強敵とリング上で戦っていく、ゆでたまごのプロレス系格闘漫画だ。

 

「キン肉マン」は、それまでのアニメにおけるイケメン完璧超人な主人公ではなく、ダメな主人公が戦いを通じて成長していくという、斬新なコンセプトを打ち出した作品として画期的だった。

 

連載当初はギャグ漫画だったが、ジャンプ漫画の例にもれず、途中から格闘路線に変更して人気を博した。

 

「キン肉マン」の特徴としては、突っ込みどころが多すぎる点だ。

 

だが、これはミスではなく、作者のゆでたまご先生のこだわりからくるそうだ。

 

ゆでたまご先生いわく、

「細かい設定にこだわっていると、結果として内容がつまらなくなる」

「ツッコミ所が多いほうが読者が親近感を持ってくれる」

だそうだ。

 

本ブログもぜひ、ゆでたまご先生の手法を見習いたいものだ。

 

さて、アニソンフュージョンAXによるアレンジだが、TRIXの菰口雄矢(こもぐち ゆうや)のギターがうなるような激しい曲だ。

 

その疾走感あふれる菰口雄矢のギターテクは、まるで夜の闇を高速で駆け抜けていくような心地よさがある。

 

菰口雄矢の超絶技巧的なギターテクニックが心ゆくまで堪能できる一曲だ。

【8曲目】CAT’S EYE

Amazonリンク キャッツ・アイ オリジナル・サウンド・トラック

8曲目は、TVアニメ「キャッツ・アイ」の第1期オープニングテーマ「CAT’S EYE」だ。

 

原作は、あの名作「シティーハンター」を生み出した北条司のデビュー作だ。

 

「キャッツ・アイ」は、ひと言でいえば、ルパン三世の女性バージョンだ。

 

予告状を送り、美術品を狙う怪盗・キャッツ・アイと、彼女達を追う刑事・内海俊夫との対立を描いた作品で、日本だけでなく、アジア諸国、イタリア、フランス、ドイツなど世界的な大ヒット作だ。

 

ちなみに、原曲の「CAT’S EYE」は、シンガーソングライターの杏里(あんり)が歌っている。

 

Amazonリンク Surf&Tears

だが、主題歌を担当した杏里自身、依頼を引き受けたものの、「アニメの歌」ということで嫌悪感があり、あまり乗り気ではなかっただけでなく、悔し涙が止まらなかったそうだ。

 

「アニメの歌」を担当して悔し涙を流すというのは、いまどきの若者には信じられないかもしれない。

「は? 

 有名アニメの主題歌を担当して

 なんで泣くの?」

と思う人も多いだろう。

 

しかしながら、銭形警部や波平のような頭の硬い親父が多かった昭和の時代は、アニメはあくまでこども向けとして、今よりもずっと軽く見られており、いい年をした大人のオタクがアニメを視聴しているというだけで、馬鹿にされる風潮があったのだ。

 

だが、そんな杏里の屈辱感とは裏腹に、「CAT’S EYE」は、オリコンシングルチャート1位に輝き、サウンドトラック『キャッツ・アイ』も、オリコンLPチャートで5位を獲得する。

 

それもそのはず、アニメのオープニングでドラマや映画も顔負けの、大人の女性が歌うオシャレで格好いい曲が流れるというのは、当時とても斬新であり、衝撃的だったのだ。

 

そのため、「CAT’S EYE」は、アニメを全く知らない人も、曲は知っているというほど、日本中で大ヒットを記録し、杏里の存在を広く知らしめることになり、今では杏里本人も

「その後の自分にとって大きな意味を持つ曲になったので、とても大切な曲」

と語っている。

 

このように、「CAT’S EYE」は、子供が喜ぶようなそれまでの幼稚っぽいアニメの主題歌の常識を覆したという点で、ある意味アニソンの歴史の転回点ともいえる曲なのだ。

 

というわけで、アニソンフュージョンAXのアレンジだが、冒頭から神速のようなドラムさばきに引き続き、野呂一生のギターが、原曲のメロディをスリリングかつ情熱的に演奏する。

 

だが、この曲で何よりも聴き応えがあるのは、元CASIOPEAの神保彰(じんぼ あきら)の驚異的なドラムテクニックだ。

Amazonリンク Jimbomba

神保彰は、1999年、英ドラム誌 「RHYTHM」の読者人気投票で第2位を獲得し、翌2000年、世界で最も権威あるドラム専門誌である米「MODERN DRUMMER MAGAZINE」の6月号の表紙に神保を起用し、10数ページにわたる特集を組み、アジア人として初の快挙を成し遂げたことで知られる。

 

また、2003年、創刊20周年を迎えたリズム&ドラム・マガジンが初めて行なった読者人気投票において、堂々の一位を獲得し、2007年、ニューズウィーク誌の特集「世界が尊敬する日本人100人」に選出されたほどの天才ドラマーだ。

 

そのあまりに超絶技巧的なドラムテクニックのため、手が十本あるのではないかといわれ、千手観音をもじって、

十手観音

という異名がつけられたほどだ。

参考

それほどの世界的な天才ドラマーが、日本のアニソンの代表曲を演奏しているのだ!

 

それゆえ、この曲は、アニメジャズ史上、最高のドラム演奏を堪能できる一曲といえるだろう。

【9曲目】ルパン三世のテーマ’78

Amazonリンク LUPIN The Best

9曲目は、TVアニメ「ルパン三世」のおなじみのオープニングテーマ「ルパン三世のテーマ’78」だ。

 

ルパン三世といえば、やはりジャズ・ピアニストの大野雄二だが、それをあえてフュージョンジャズアレンジしたことに敬意を表したい。

 

アニソンフュージョンAXのアレンジだが、やはり、野呂一生(のろ いっせい)の流れるようなギターソロのひと言につきるだろう。

 

また、神保彰の天才的なドラムテクも健在で、小野塚晃のファンキーなキーボードもいい味を出している。

 

散々使い古された馴染みのある曲でも、

ギターが上手い人間が弾いたら、ここまで格好良くなるのか!

と感動すること請け合いの曲だ。

 

ぜひ、ライブで生の演奏を聴いてみたい曲だ。

【10曲目】青春にかけろ!

Amazonリンク 新・エースをねらえ!

10曲目は、TVアニメ「新・エースをねらえ!」のオープニングテーマ「青春にかけろ!」だ。

 

「新・エースをねらえ!」は、1973年から「週刊マーガレット」に連載され、当時の日本の少年少女に空前絶後のテニスブームを引き起こした山本鈴美香(やまもとすみか)原作のスポ根漫画「エースをねらえ!」のTVアニメ第2作だ。

 

アニソンフュージョンAXのアレンジは、小野塚晃の情熱的なピアノソロから始まる。

 

だが、往年の「金曜ロードショー」のテーマ曲を思わせる勝田一樹(かつた かずき)のサックスの伸びやかな演奏が素晴らしい一曲だ。

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実は、このアニソンフュージョンAXのアレンジは、ネタ曲である「ゲームセンターあらし」を除き、すべて勝田一樹による。

 

勝田一樹の卓越したアレンジの才能はまさしく本物であり、彼のアレンジなくして、この神アルバムが生まれることはなかっただろう。

 

その情熱的かつドラマチックな演奏は、まさしくラストを飾るのにふさわしい曲といえるだろう。

少女アニメの曲から始まり

少女アニメの曲で終わる!

それゆえ、このアルバムは、まさしく、

少女アニメフェチ

にはたまらない選曲

といえる。

 

というわけで、諸君も、往年の少女アニメ曲を超一流のメンバーが超絶技巧的なテクで演奏したアニソンフュージョンジャズを心ゆくまで堪能し、充実したオタクライフを存分に満喫してほしい!

 

オタクパパより愛を込めて!

 

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この記事を書いた人

重度のコミュ障のため、友達ゼロのオタク親父。初音ミクと魔法少女をこよなく愛する。

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